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今さら聞けないプリセールスエンジニアとセールスエンジニアの違い

IT業界が発展するにつれさまざまな職種が生まれていますが、概してカタカナ用語が多く実際の業務内容がわかりにくいと感じている方もいるのではないでしょうか。

プリセールスエンジニアのプリとは何か、セールスエンジニアとはどう違うのか、自身が目指す将来像を知っておくためにも、きちんとおさえておきましょう。IT業界と付き合いがあり相手の立場を知っておきたいという方にも役立ちますよ。

プリセールスエンジニアとセールスエンジニアは名前の違い?

職種辞典・職種図鑑などでは「プリセールスエンジニア」と「セールスエンジニア」が同じ項目で説明されていたり、「技術営業」という言葉で括られていたりします。両者に違いはないのでしょうか。違いがないのならなぜ2つの言葉があるのでしょうか。

両者の違いは所属する企業の違い(国内系か外資系か)であったり、セールスエンジニアの業務を細分化する際に登場する言葉であったりします。類似する「ポストセールス」とともに詳しく解説していきます。

プリセールスエンジニアとセールスエンジニアの仕事内容は違う?

「プリセールスエンジニア」のプリとは英語のpre:ある動作や処理の前段階 という意味です。プレオープンやプレ大会などで見聞きする「プレ」と同じものですが、より英語の発音に近い「プリ」が採用されています。

ではプリセールスエンジニアとはセールスエンジニアの前段階にあたる職業なのかといえばそうではありません。セールスエンジニアの業務内容を確認しながら違いをみてみましょう。

仕事内容は「同じ」と考えてよい

セールスエンジニアの業務は、一般的な営業マンと同行してお客さまとの商談にあたり、専門的な知識に基づいたアドバイスや提案、デモ実演などを行います。ソフトウェアやプログラム開発の現場にまで精通し、仕様の詳細やカスタマイズ可の可否について判断したり、納期や予算を折衝したりもします。

プリセールスエンジニアのプリとは、契約前・導入前を意味しています。その点で仕事内容は「同じ」と考えてよいでしょう。

しかし、セールスエンジニアの業務は「契約したら終わり」ではなく、その後のフォローや導入支援・トラブルシューティングまでが含まれています。担当案件の進行度合いによって業務内容が変化するセールスエンジニアは多忙を極めることが多く、プリセールスエンジニアはお客さまへの提案だけに集中できるという点で違いがあるといえるでしょう。

外資系では、顧客獲得前に活動するのがプリセールスエンジニア

外資系ではセールスエンジニアの業務を細分化し、顧客獲得前に特化して活躍するのがプリセールスエンジニアだと定義づけていることがあります。その場合、契約後に活動するのは「ポストセールス」と呼ばれる職種です。

プリセールスとポストセールスの区別をつけないことも

「ポストセールス」のポストは英語のpost:次・後ろの という意味で、プリセールスエンジニアから案件を引き継ぎ、導入支援やトラブルシューティング、次の要望のヒアリングなどを行い、アップセル・クロスセルにつなげる役割を担います。

しかし、契約前から構築したお客さまとのリレーションシップを大切に、ポストセールスを設けずにプリセールスエンジニアが継続して担当するケースも多くみられます。

契約までで手離れした場合はプリセールスエンジニア、全体を担当する場合はセールスエンジニアと覚えておきましょう。

セールスエンジニアの仕事内容を時系列順に解説

案件の入り口からフォローアップまでを担当するセールスエンジニアの業務は多岐にわたります。時系列順に整理して、業務内容の難しさとやりがいを知っておきましょう。

プリセールス段階の仕事内容

プリセールスは一般的な営業マンがお客さまとの商談を調えたタイミングから案件に関わることが多いでしょう。自社製品のより良い活用法や期待できるメリットなどをIT技術の専門家としての見地からお客さまへ提案します。営業マンと二人三脚でプレゼンテーションを行うため、IT技術をわかりやすい言葉で説明する対人スキルが重要です。

仕様の詳細を詰めるため、営業セクションと開発部門、お客さまサイドの関係を良好に保ちながら調整していく折衝力も問われるでしょう。

プリセールス段階の仕事の山場

プレゼンテーションに関わった案件が採用されることがプリセールスのやりがいといえるでしょう。お客さまと自社の利益を最大化するアイデアが形になるよろこびは格別なものです。

その発想のために常に進化するIT技術やその活用例について学び続ける必要があり、好奇心を失わずに仕事に取り組める人が向いている職種です。

ポストセールス段階の仕事内容

ポストセールスは製品の販売決定後や導入後を担当するため、フォローアップの業務が主になります。スムーズな運用のための定期的なチェックや保守を担当し、相談窓口として日々のトラブルに対応します。

簡単なバグならその場で修正対応したり、原因追及と再発防止策を構築したりすることもあり、製品理解とIT知識が不可欠です。

ポストセールス段階の仕事の山場

運用支援が主な業務のため、製品運用後にお客さま企業の利益が拡大していく流れを見守れることがよろこびになるでしょう。導入直後はフォロー業務で多忙になることもありますが、日々相談やトラブルが減っていくことが順調な運用の目安となり、貢献度合いを肌で感じやすいのが特徴です。

新システムを短期間で軌道に乗せることができればお客さま満足度も高くなり、買い替え需要やアップセル・クロスセルのチャンスもつかむことができるでしょう。

導入コンサルとセールスエンジニアの違い

セールスエンジニアに似た業種に「導入コンサル」というものもあります。導入コンサルが扱う商材はある程度絞られており、すでに導入を検討しているお客さまへ提案するケースが多いでしょう。仕様の固まっているシステムをどう活用してもらうかという視点が必要で、商材に関する深い知識が不可欠です。

プリセールス・ポストセールスに求められる技術力とスキル

プリセールス・ポストセールスは、セールスエンジニアの業務を分化したものなので、必要な技術力とスキルも似通っています。しかし、活動の場は異なるので、それぞれ重視されるポイントが異なります。

プリセールスは顧客のニーズの吸い上げがポイント

プリセールスの段階は、お客さまの目に見える課題をシステムで解決するだけでなく、顕在化していないニーズまでも吸い上げてシステムに反映させるヒアリングがポイントとなります。

顧客のニーズは業界共通の課題やITトレンド・法令の見直しなどニュース性のある話題からみつかることもあります。コミュニケーション力を磨き、常に最新情報へアンテナを張っておきましょう。

ポストセールスはトラブルシューティングがポイント

ポストセールスの段階は、アフターフォローとして細やかなサポートを続けることが大切です。トラブル=マイナス要因ではなく、トラブルに対する姿勢や改善策の提案などで信頼度をアップさせるチャンスととらえましょう。

トラブルシューティングではシステムをスムーズに再始動させられるIT知識や不具合の原因を類推する推察力がポイントになります。

役に立つ資格

技術力の証明として「ITストラテジスト」や「情報技術者試験(基本・応用)」などIT系の資格を取得しておくと、学んだ知識がそのまま役立ち、顧客からの信頼も高まるでしょう。関連するソフトウェアのベンダー資格も役に立つことが多いのでおすすめです。

プリセールスエンジニアは販売前に活躍 セールスエンジニアの仕事の一部

セールスエンジニア・プリセールスエンジニア・導入コンサル・ポストセールスなど、システム営業の現場で活躍する人にはさまざまな職種名があてられています。

プロジェクトの最上流から納品後のリレーションシップまで関わるのがセールスエンジニア、導入までで手離れするのがプリセールスエンジニア、専門商材に特化しているのが導入コンサル、導入後のアフターフォローを受け持つのがポストセールスと呼ばれます。しかし、所属する企業やお客さまとの関係性で流動的な側面もあり、柔軟に認識する必要があるでしょう。

いずれの職種もシステムと人とをつなげる場面で活躍するものであり、IT技術が発展・普及し続ける限り、需要が拡大していくことが期待できます。

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