営業ナレッジ

営業担当必見!フレームワークを活用した営業戦略

営業戦略とは何か?

営業戦略とはマーケット(市場)において いかに自社製品やサービスが競合他社よりも優位に立ち(戦わずして勝つ)、お客様に購入してもらえるのかという明確な指針(策略)です 。

営業戦略とは?

適切な方法で営業目標を達成していくことであり、限られたリソース(ヒト、モノ、カネ、時間)の中で、効率良く営業活動を展開し、収益アップを実現するためには必要不可欠なものです。

「営業戦略」と「営業戦術」の違い

目標を成し遂げるために、もっとも効率の良い方法を考えることが「戦略」であり、「戦術」とは、事業部単位ではなくてチームや個人など、小さな組織単位で実現可能にするために具体的な方法を練ることです。つまり、「営業戦略」を実行するための手段が「営業戦術」となります。

営業戦略の重要性

営業戦略は市場環境において最も重要です。市場環境の調査をせず、確認しないまま営業戦略を立ててしまうと、まったくの見当はずれになってしまい、損をすることにもなりかねないのです。

他社との競争に勝つために必要

自社とライバルが競争上で、どういう位置関係にあるかを明確に把握したうえで、 より優位な状況をつくり出す必要があります。自社の強みや弱みと比較することで、 初めて営業戦略を立てることができるのです。

リソースの量は有限である

企業の中でのリソース(戦力)は3つに分けられます。1つは「ヒト」、つまり企業で働く人材のことです。2つ目は「モノ」、企業の生産設備や土地・建物などの不動産、製品や備品などです。3つ目は「カネ」、企業の資金のことです。

多くの企業は限られた社内リソースの中で、営業活動を通じて売上を確保し事業の運営を実践しています。つまり、リソースは有限であるということです。

時代の流れにより有効な営業戦略も変化する

飛び込み営業などアナログ型の営業を行なう企業もまだありますが、時代の変化とともに、営業戦略もネットが中心になりつつあります。

オンライン上でどういったアプローチを行なっていくのか、戦略をしっかり立てたうえで、今後も生き延びるために必要な「他社との差別化」を、ネット戦略でも活かすことが大切です。

営業戦略のフレームワークとは?

フレームワーク(framework)とは、 営業戦略の「枠組み」「骨組み」「構造」のことです。

ものごとを考える際に、あれこれと散発的に考えるよりも、あらかじめ決められた枠組みの中で、手順にそって行うことで、無駄を省き、一方でもれを無くすことが出来るので、非常に効率的でかつ有効性の高い手法です。

営業戦略にフレームワークを導入するメリット

営業戦略にフレームワークを導入することで、営業戦略を立てやすくなります。

営業戦略をスピーディに立てられるようになる

フレームワークの活用により、自社プロダクトが市場においてどのような特徴を持つのかであったり、他社商材と同違うのか、どのような顧客の課題を解決できるのかなどが明確にわかります。

これにより、自社の営業活動においてアプローチすべきターゲット層が明確になり、ターゲット層をどのようにリストアップするかなど進むべき方向をスムーズに決定することが可能です。

後から営業戦略を見直すことも容易になる

また、フレームワークに当てはめて営業戦略を立てた場合、後からどのような考えで営業活動を行なっていたのか分析するのが簡単です。

これにより、営業活動における課題点を見つけやすくなり、成果につながりやすくなります。

営業戦略の7つのフレームワーク

4P分析

4P分析とは「どのような商品・サービスを( Product)」「いくらで(Price)」「どのような経路で(Place)」「どのように売るか(Promotion)」を考えるためのものです。具体的に商品・サービスの営業方法を固めていき、実行プロセスへつなげていきます。

Product (プロダクト・製品・サービス)  自社の商品・サービスは誰のどのようなニーズを満たすためのものなのか、提供する価値は何かをみていきます。品質、デザイン、商品名、アフターサービスなどもここに含まれます。

Price (プライス・価格)  市場で販売するうえでの価格です。適正な利益が得られる価格なのか、競合と比較して価格差はどうかということを分析していきます。

Place(プレイス・流通)  製品を市場に流通させるための流通経路や販売する場所が含まれます。実存店舗であれば、自社店舗・コンビニ・百貨店など形態は多岐にわたりますし、立地や店舗数も勘案する必要があります。

また、近年規模が拡大しているネット通販のように、受注から販売までをインターネット上で完結させる方法も存在します。

Promotion(プロモーション・販売促進)  市場の顧客ニーズを満たす製品を製作し、ターゲット層を決め、そのターゲット層に購入機会を提供できる流通・販売経路を確保します。

この後で、更に必要になることが、「いかに製品を認知してもらうか」ということです。例としては広告やCMがありますが、この他にイベントの実施やメルマガの送付などもプロモーションのひとつの手法となります。

3C分析

なぜ、分析するのかというと「競争市場内において、どうやって勝利するかを考える必要があるから」です。自社の強みや弱み、顧客のニーズ、思考、そして競合の強み、弱みを知ることで、成功するための鍵を見つけ出すことができます。

customer(お客様・市場)  お客様や市場を分析し、自社を取り囲む競合のトレンドや変化を知らなければ、自社の強みや競合の隙が見えてこないのです。

お客様は、「どのようなニーズ(価値)」「どのような視点・基準」で自社と競合を比較しているのかを考え、より細分化して考えることで、具体的な要素が見えてきます。

company(自社)  自社の強みや弱みを分析します。自社のどのような強みを活かしてお客様に価値を提供するかを考え、お客様や競合を先に分析しておくことです。

「競合は〇〇が弱い。その隙を突けるような強みが自社にはある」などと、自社の強みと弱みを論理的に分析できるのです。

competitor(競合)  どのように競合と差別化するのか、競合と比較して、自社にはどのような強みがあるのかを考え、分析します。

競合の製品・サービスが、自社の商品・サービスとほぼ同じとなる「直接的な競合」と商品・サービスは違っていても提供する価値が重なる「間接的な競合」の両方を意識することが大切です。

直接的な競合は、イメージしやすく注意もしやすいですが、間接的な競合は意外と見落としがちです。同じ価値を提供しているということは、自社の商品・サービスの代替品になりかねないので、見落とさないように注意が必要です。

SWOT分析

SWOT分析とは、自社を取り巻く環境を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Oppotunity)」「脅威(Threat)」の4つの視点で分析を行うことです。

Strength(強み)  技術力の高さや長年の運用経験など、目標達成に貢献する企業内部の特徴です。 ユーザーがなぜ自社サービスや商品を利用してくれるのか、などの自社の長所を指します。

競合他社と比較して、お客様が自社に対して評価している点を考えたり、直接お客様にヒアリングしてみるのも良い方法です。

Weakness(弱み)  自社の弱みや苦手な部分で、目標達成の障害となる企業内部の特質となります。

コストやリソースなどで競合よりも不足している部分や、情報の打ち出し方など自社が苦手とする部分です。 競合と比較して、お客様が自社に対して不足・不満に思ってる点を考えていきます。

Oppotunity(機会)  自社にとってビジネスチャンスとなるような環境変化の中、目標達成に貢献してくれるであろう外部の特質となります。

自社の商品・サービスにとっての追い風となるような環境変化や、お客様のニーズの変化を考えて、分析します。市場機会は、自社の強みを生かして更に伸ばしていける部分です。

徹底的にデータを収集した結果、どれほど小さなことでもチャンスとなりうる要因であれば、この「Opportunity」になる可能性があります。

Threat(脅威)  自社の強みを打ち消してしまう危険性がある環境変化や、目標達成の障害となる外部の特質となります。

外部要因のため、自社の企業努力だけで対処できない部分もありますが、脅威を知ることで新たなビジネスチャンスの抽出もできます。

自社のサービスや商品にとってのハードルになる環境の変化や、競合他社の動きを見ながら、脅威については、早めに対策を打ち、問題が大きくなる前にクリアしていくことが大切です。

STP分析

STP分析とは、フィリップ・コトラーが提唱したフレームワークであり、STP分析の「STP」とは、それぞれ以下の言葉の頭文字をとったものです。

  • Segmentation(セグメンテーション):市場を細分化し、顧客の分布を明確にする(性別や可処分所得、趣味、習慣、考えていることなど)
  • Targeting(ターゲティング):狙いたい市場の決定(子供向け、家族向け、子供を持つ親向け、など)
  • Positioning(ポジショニング):有利なポジションを決定

これらの要素から市場や顧客について分析を行い、戦略を決定していきます。

自社と競合企業をSTP分析していくことにより、市場において空いているポジションや自社の強みが把握できます。狙うべき市場と自社の立ち回りを考えたい場合に活用しましょう。

VRIO分析とは

VRIO分析とは、自社が持つ経営資源の競争優位性を分析するフレームワークの一つです。

ValueとRareness、Imitability、Organizationの4つの言葉の頭文字をとったものとなっています。

この分析では、企業の保有する経営資源を下記の4つに分類し、それぞれの要素の評価を行います。

  • Value(経済的な価値)
  • Rareness(希少性)
  • Imitability(模倣可能性)
  • Organization(組織)

具体的な分析例としては、次のようになります。

Valueでは、自社の経営資源がどのくらいの価値を生み出すのか評価します。どのくらい経営資源が売り上げに貢献し、社会にインパクトをもたらすのかなどです。

Rarenessでは、自社の経営資源が他社と比較してどのくらいオリジナリティをもっているのかを評価します。独自性が不足すると他社との差別化が難しくなり、市場においてポジショニング時づらくなります。

Imitabilityでは、自社の経営資源を他社がどれほど真似できるのかを評価します。仕組みや実績、ブランディングなど真似できない要素が増えると市場優位性が高まります。

最後に、Organizationでは、自社が持つ経営資源を活用できる体制があるのかを評価します。教育体制や報酬体系、メンバーがもつポテンシャルを引き出す仕組みなどが整っていると競争優位となります。

このように、VRIO分析では、自社が持つビジネスモデルの重要な経営資源が強みになっているのか、弱みの場合はどうすれば強みに変えられるのかを考えたいときに役立ちます。

企業の経営戦略において、競争優位性を確保するために内部環境を客観的に評価することが重要であり、VRIO分析はそのための有用なツールの一つです。

ロジックツリーを用いた分析

営業戦略を見直すフレームワークとして、ロジックツリーも使用されます。ロジックツリーは、様々な問題をツリー状に分解していくことで、要素分解を行い、課題を発見します。

ロジックツリーには要素分解ツリーや原因追求ツリー、KPIツリーがあり、それぞれ営業目的達成やしっちゅう原因の探究、KGIとKPIの設定などに役立てられています。

5W1Hを用いた分析

When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字から呼称が付けられている5W1Hも営業分析に利用されます。

営業戦略を見直す場合、5W1Hをそれぞれ以下のように使うことができます。

  1. Why: なぜ営業戦略を見直す必要があるのかを明確にします。例)顧客ニーズに合わせるため、競合他社との差別化を図るため、売上を増やすため、など
  2. Who: 営業戦略を見直すべき担当者やチームを明確にします。営業担当者だけでなく、マーケティング担当者や製品開発チームなど
  3. What: 何を見直すべきかを明確にします。営業戦略全体を見直すのか、一部分を見直すのか、具体的な目標を設定しましょう。
  4. Where: 営業戦略の実施地点を明確にします。例えば、現在の市場や顧客層だけでなく、新たな市場や顧客層に対する展開など、将来の展望も考慮する必要があります。
  5. When: いつ営業戦略を見直すべき、振り返りのタイミングも明確にします。例)新商品の発売前や営業キャンペーン前、など
  6. How: 営業戦略を見直す方法を明確にします。例)社内会議で議論をする、顧客ニーズに合わせた製品開発を行う、など

このような分析手法があるので、自社が置かれた状況にあわせてご活用ください。

フレームワークを活用した戦略策定の注意点

フレームワークは質の高い戦略策定を作るために非常に大切なものですが、注意点もあります。

分析だけでなく試行錯誤も重要

緻密な分析をすることに多くの時間を費やしては時間の無駄遣いです。それはなぜかというと、分析したことが全て正しいと言うわけではないからです。

ビジネスの現場で出た課題を、分析で構築した営業戦略を試してみて、試行錯誤しながら、より精度の高い営業戦略を作り上げていくことが重要です。

フレームワーク思考は鍛えられる

自分がこの企業の営業あるいはマーケティング責任者だったら、どのような戦略を立てるかなどの視点でフレームワークを使って分析し、自分の言葉で成果を出すことによって、フレームワーク思考は鍛えることができるのです。

フレームワークは「必勝の戦術」ではない

フレームワークは、戦略の要素を引き出すため、戦略を練るための道具であり、必ずしも成功する「必勝の戦術」ではないということを覚えておくべきです。

なお、営業体制の見直しをツールによって分析する場合は、Sales Platformがおすすめです。

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