IT技術の発達に伴い、営業活動を効率的に進めるためのツールも増えてきました。利用した方はわかると思いますが、ツールを使用した場合とそうでない場合には大きな差が出ます。
もし営業成績が思うように伸びていないと悩みを抱えている方は、ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。しかし具体的にどのようなメリットがあるのか、どのような種類があるのかがわからなければ、導入イメージが湧かないと思います。
今回はリード獲得に役立つツールの種類と、導入するメリットを解説します。ツールを選ぶポイントも紹介しているので、マンパワーを増やさずに営業成績を今以上に伸ばしたいと考えている方はぜひ最後までご覧ください。
リードとは簡単にいえば「見込み客」のことです。つまりリード獲得とは、見込み客になる可能性がある人の情報を入手することを意味します。
見込み客とは、これまで自社のサービスや商品を使ったことがないけれど、興味を持っている人のことです。例えば自社ホームページから資料をダウンロードした人は、興味を持っていると判断できるので見込み客といえます。
無料サービスや無料体験を利用した人も見込み客といえるでしょう。他にも具体的なアクションは起こしていないけれど、自社サイトのコラムを読んでいる人も広い意味で見込み客といえます。
リードを多く獲得すれば、それだけ売上拡大のチャンスがあります。そのためリード獲得を効率化することは、営業活動において非常に重要なのです。人材不足でなかなか思うようにリード獲得が進まないという企業は増えています。ツールはそのような企業の悩みを解決する心強い味方といえるでしょう。
ここではリード獲得のために、ツールを導入するメリットを具体的に解説します。主なメリットは次の3つです。
・多くの見込み客にアプローチできる
・リードの特徴を事前に把握できる
・リードの管理を効率化できる
それぞれ具体的に解説します。
これまでの営業活動といえば、営業担当者が顧客先を訪問し、信頼関係を築きながら商談を進めることが一般的でした。しかしそれでは一人の顧客に多くの時間をかけることになります。訪問数が限られてしまうため、多くの顧客にアプローチができません。
しかし今はオンラインツールが発達しています。インターネット上で会話できるツールを使えば、直接会わなくても商談が可能です。移動時間も必要なく、多くのリードとコンタクトを取れます。資料も画面上で共有できるので郵送する手間もなく、遠方の顧客にもすぐにアプローチが可能です。
またセミナーもオンラインでできます。ツールを活用してリードを対象としたセミナーを開催すれば、一度に多くの顧客へアプローチできるでしょう。会場を用意した対面型セミナーに比べて、多くの人数を集客できるので、効率よくリードを獲得できます。
ツールにはリードの基本情報や、行動履歴などを蓄積できるものもあります。最適な提案をするためにも、行動履歴などの情報は大切です。なぜならそれらの情報に隠れたニーズが存在している可能性があるからです。これを潜在ニーズと呼びます。
潜在ニーズは話しているときにはわからなかったけれど、情報を照らし合わせて見えてくる場合があります。それらのニーズの掘り起こしができれば、より最適な方法でリードにアプローチできるでしょう。ツールを活用すれば、潜在ニーズの掘り起こしもしやすくなるのです。
営業活動を効率的に進めるためには、管理の方法も重要です。Excelを使って管理もできますが「フォーマットを作らなければならない」「同時に編集できない」「共有しづらい」など課題も多くありました。
しかし管理ツールを活用すれば、そのような悩みもありません。フォーマットをつくる必要もなく、リアルタイムでそれぞれが情報更新できるので、チームで情報管理がしやすくなります。案件の進捗状況、商談の内容などがツールでわかるようになれば、会議やミーティングの時間も省けるでしょう。
また同じシステムを全員が利用することにより、マーケティング部など他部門との共有もしやすくなるので、スムーズな連携を実現できます。
リード獲得に効果が期待できるツールには、以下のようなものがあります。
・営業リスト作成ツール
・メール配信ツール
・ウェビナーツール
・マーケティングオートメーションツール
それぞれの特徴を解説します。どのツールが大きな効果を発揮するかは、自社の商品やサービスによっても異なるので、特徴をしっかりと理解しておきましょう。
リード獲得に欠かせない営業リスト。営業リスト作成ツールとは、その名の通り営業リストの作成を支援してくれるツールです。ターゲットとなる見込み客の情報はインターネット上から取得します。
1件ずつサイトを確認して……と、リスト作成を人の手でやろうとすれば、かなりの時間がかかることは容易に想像できるでしょう。しかしツールを使えばキーワードを入れるだけで、関連する情報を素早くリストアップしてくれます。新規開拓を効率的に進めるうえで、リスト作成ツールは必要不可欠です。
提供している企業によって、月にダウンロードできる件数や取得できる情報が異なるので、自社に必要な情報が取得できるサービスを選ぶようにしましょう。
メール配信ツールは一斉に見込み客に向けてメール配信ができるツールです。活用すれば数千〜数万通のメールをスピーディに配信できます。しかしそれだけではありません。多くのメール配信ツールには以下のような機能が備わっています。
・配信時間予約機能
・メール作成支援
・開封率やクリック率の測定機能
・セキュリティ対策
一度に大量にメール配信すると、相手方のサーバーに迷惑メールと判断されてしまうのではと疑問を持つ方もいるかもしれません。しかしツールを利用すれば、迷惑メールと判断されてしまう特徴を回避して配信するので、高い到達率が期待できます。
メールマーケティングを重点的に活用したい企業にとっては、必ず利用したいツールです。集めたデータを分析し改善していくことで、より効率的なメール配信が実現できるでしょう。
オンライン上で商談やセミナーをしたいのであれば、ウェビナーツールを導入しましょう。ウェビナーとは「Web」と「セミナー」を合わせた造語です。
ウェビナーツールを利用すれば、時間や場所を選ばずに見込み客と商談でき、移動時間や費用も削減できます。セミナーも規模を気にせず開催可能です。例えばこれまでは「小さな会場だから1回のセミナーに30人しか集客できなかった」ということがあったかもしれません。しかしオンラインであれば、1回のセミナーで100人規模の開催も可能となるのです。
録画もできるので、すでに開催したセミナーの再配信もでき、資料や画面共有も簡単にできます。リード獲得に有効な方法として、今後もウェビナーは広まっていくでしょう。
マーケティングオートメーションツールとは、リードの情報を一元管理し、効率的に顧客育成するためのツールです。MAとも呼ばれます。
営業は活動を進めるうえで、どうしても成約が高そうなリードに集中してしまいがちです。しかしそれでは将来の顧客を逃してしまうかもしれません。MAはリードの興味関心に合わせたマーケティング活動が可能です。
例えば名刺交換しただけなど興味の低い顧客に対しては、メールや広告を適切なタイミングで配信し情報提供します。そして興味が高い顧客に対しては、セミナーや資料ダウンロードなど受注に繋がる行動を促していくのです。
このように興味関心に合わせてマーケティング活動することで、顧客の取りこぼしを防ぐことができます。また興味関心が高いと推測される顧客に絞って商談を促すので、受注率アップも実現できるでしょう。
リード獲得支援ツールといっても多くの種類があり、調べれば調べるほど何を使って良いかわからなくなってしまうかもしれません。ここではツールを選ぶ際のポイントを以下の4つに絞って解説します。
・課題解決に必要な機能があるか確認する
・従業員が使いこなせるツールを選ぶ
・料金体系を確認する
・サポート体制が整っているかチェックする
具体的に解説します。ツール選びに迷ったときの参考にしてください。
営業活動を進めるにあたって、どのような課題があるのかを明確にしましょう。ツールごとに搭載されている機能は異なります。たくさん機能があるから良いわけではありません。課題解決に合っていないツールを導入することは、失敗の原因となります。
例えば見込みの低い顧客のフォローもしっかりとしたいということであれば、MAツールがおすすめです。イベントやセミナー後の一斉フォローを考えているのであればメール配信ツールがよいでしょう。
ツールを検討する際は自社の課題を洗い出し、どのような機能が必要なのかを明確にしてから選ぶことが成功のポイントです。
従業員が使いこなせるツールかどうかも大切なポイントです。高機能なシステムを導入しても、従業員が使いこなせなければ意味がありません。逆に活動効率が悪くなってしまうケースもあります。
とはいえ、使いやすさは実際に使ってみないとわかりません。最近では無料体験期間を設けているものや、機能を制限して無料で利用できるツールもあります。いくつか利用して比較してみるとよいでしょう。
ツールの料金体系はさまざまです。価格の幅が広いので、しっかりと料金体系やプランも確認しましょう。高くて高性能だからといって自社に合うとは限りませんし、無料だと必要な機能が搭載されていない可能性もあります。どのくらいが適正金額かは一概にはいえません。
どのような機能が必要か明確にしたら、機能が搭載されているツールをピックアップして料金を比較しましょう。無料体験があれば、実際に使ってみるのがおすすめです。使い心地と機能、料金体系すべてを比較検討することで、導入失敗のリスクを抑えられます。
サポート体制が整っているかどうかも、ツール選びの際に見ておきたいポイントです。どんなに使いやすいツールだとしても、初めはわからないことが多いと思います。そのようなときにサポートしてくれるか、またトラブルがあった際のサポートがどうなっているのか確認しましょう。
なかにはエンジニアなどが在籍していなければ、対応が難しいケースもあります。そのようなケースにも親身に対応してくれるサポート付きツールであれば、安心して利用できるでしょう。
リード獲得にツールを活用するメリットと、ツールの種類を解説しました。ITが発達した現代では、営業活動を支援するさまざまなツールが開発されています。上手く活用できれば、大幅な業務効率化も実現可能です。リード獲得に悩みを抱えている場合は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
選ぶポイントは「機能」「料金」「サポート」「使いこなせるか」の4つです。どのような機能が必要か、コストパフォーマンスは良いか、使いこなせるかなど、さまざまな視点から比較してみましょう。無料で体験できるツールも多くあるので、実際に複数のツールを体験してみるのもおすすめです。