インサイドセールスのメリットデメリット!成果を伸ばすコツも解説

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営業成績を伸ばすためには効果的な手法を選ぶ必要がある

少子高齢化の影響からの労働力不足、スマホの普及による消費行動のオンライン化、リモートワークの広がりなど、ビジネス環境が急速に変化している時代です。このようななかで「最近、営業成績が思わしくない」「時代についていけていない」と感じている企業も少なくありません。

自社の営業成績に何らかの変化を感じている場合、営業手法の見直しが必要なタイミングといえます。

さまざまな時代の変化に適応する営業手法として「インサイドセールス」が近年注目を集めています。本記事ではインサイドセールスの基本をふまえ、導入メリットや効果について解説します。またデメリットも紹介するので、併せて参考にしてください。

そもそもインサイドセールスとは?

そもそもインサイドセールスとは、どのような営業方法を指すのか簡単に説明します。直訳すると「内勤営業」のことで、顧客に訪問せず非対面で営業活動をする手法です。一般的には電話やメールが使われることが多いですが、近年はオンライン商談システム(ビデオ会議ツール)を利用するケースも増加傾向にあります。

ちなみにインサイドセールスに対し、顧客に訪問して営業活動をする手法を「フィールドセールス」といいます。

企業によってインサイドセールスの活用方法はさまざまですが、リードの育成と商談創出をインサイドセールスが担い、フィールドセールスへとトスアップする分業型が多く見られます。しかしインサイドセールスがクロージングまで担当したり、既存顧客フォローをしたりする場合もあります。

インサイドセールスを導入する6つのメリット

従来は飛び込み営業などの訪問型営業が主流でしたが、時代の変化に伴い非訪問型営業のインサイドセールスが広がっています。なぜこれほど導入企業が増えているのかというと、インサイドセールスならではのさまざまなメリットがあるからです。ここではインサイドセールスを導入することで期待できるメリットや効果を6つ紹介します。

1日あたりの商談件数が増加する

インサイドセールスで営業を行うことで、1日あたりの商談件数を増やすことができます。フィールドセールスは訪問先へ向かうための移動時間が必要です。遠方の顧客へ訪問する場合は、往復だけで相当な時間を要するケースもあります。1時間の商談で移動時間が30分ずつだとすると、1日の商談件数は5件程度が限界でしょう。

しかしインサイドセールスは訪問する必要がないため、訪問にかかる移動時間はありません。そのため以前の移動時間分を商談するための時間に充てられ、商談件数を増やすことができます。8時間の業務時間であれば、1時間の商談を最大8件こなせることになり、フィールドセールスよりも1日3件も多くの商談を行えます。

限られた人員で多くの成果を出せる

インサイドセールス導入により、人手不足で人員が限られていても営業成果を出せるという効果もあります。

フィールドセールスは顧客数を増やすために人手が必要であり、多くの人的リソースが求められます。たとえば5エリアに飛び込み営業をする場合、1エリア1人の人員が必要となるため最低5人は確保しなければいけません。しかしインサイドセールスであれば、移動時間が不要なので1人で5エリア担当することも可能です。

またインサイドセールスは、適切にコミュニケーションを取ってリードの購買意欲を高めてから商談を創出できます。そのため商談を担当するフィールドセールスの人員が不足している場合でも、フィールドセールスは確度の高い商談に集中でき、受注率を高められるのです。

教育・指導にかかるコストを抑えられる

インサイドセールスは業務の標準化をしなければ成果を出しにくい営業手法のため、インサイドセールス業務の標準化により新人教育や指導にかかるリソース削減が期待できます。

従来のフィールドセールスでは、商談内容や案件進捗も各営業担当者に任されている属人化状態のため、それぞれの営業スキルによって営業成績に差が生じていました。しかし営業活動がブラックボックスとなっており、指導したくてもできない状態でした。

また、この状態では自社の営業活動をマニュアル化することもできず、教育にも時間がかかっていたのです。

一方、インサイドセールスでは「どのようにアプローチするか」「リードがどのような状態になったら商談を打診するか」など一つひとつの規定を決めなければ成果を出しにくいため、自然と営業が標準化します。また同じオフィスにいながら各担当者を見られるため、教育や指導の面でも効率化が期待できるのです。

多様な働き方を実現できる

インサイドセールスのメリットとして、多様な働き方を実現できる点も挙げられます。働き方改革の促進により、リモートワーク推進や副業の容認、女性の労働支援など多様な働き方が認められる時代になっています。インサイドセールスはパソコンやインターネット環境さえあれば仕事ができるため、このような時代に適合した営業といえます。

育児や介護など家庭の事情でオフィスへの出社が難しい人、地方に住んでいる人などのなかにも、営業職で働きたいと考えている優秀な人材は少なくありません。そのような時間や場所の制約がある人でも、インサイドセールスであれば自宅にいながら仕事が可能です。

またフィールドセールスのように定期的な曜日や時間に訪問する必要がないため「本業との兼ね合いで週に1度だけ働きたい」などの副業にも対応できるでしょう。

営業活動の履歴を管理しやすくなる

インサイドセールスは営業活動の履歴を蓄積しなければ業務がスムーズに進まないため、営業日時や商談内容などの履歴を管理しやすい点もメリットです。

インサイドセールスは段階的に購買意欲を高めていくため、いつ、どのような営業アクションをして、どのような反応が返ってきたかという営業のログを残します。これらの過去のやり取りから顧客の課題や関心を分析でき、フィールドセールスが商談する際に大いに参考になります。

営業履歴が残っていれば、各営業担当者の活動量を可視化したり、重複アプローチを防いだりする効果も期待できます。

また営業履歴から受注率の高いセールストークを導くことで、成功パターンを共有して全体の営業力向上にもつながるでしょう。

見込みの低いリードにも手軽にアプローチできる

かつての営業は、一人の営業担当者がアポイント獲得からクロージングまでのすべての営業プロセスを担当していました。そのため対応できる件数に限界があり、既存顧客や見込みの高いリードを優先して対応する傾向にありました。つまり見込みの低いリードまで手が回らず、放置するしかなかったのです。

しかしインサイドセールスでは、メールでの一斉配信やDMの送付などで、見込みの低いリードが膨大にいたとしても手軽にアプローチが可能です。最初は見込み度が低くても、継続的にアプローチすることで購買意欲を高めていき、見込み度を向上させることができるでしょう。

インサイドセールスを導入するデメリット

インサイドセールスを導入するデメリット

インサイドセールスの導入によりさまざまなメリットを得ることができ、大きな効果が期待できます。しかしながら、メリットが多い一方でデメリットとも言える点もいくつか存在します。導入時にはデメリットについても理解し、注意しながら進めましょう。

リードの反応を確かめにくい

相手の反応が見えないためどのくらい興味を持っているのかを把握できない点が、非対面のインサイドセールスならではのデメリットです。直接対面していれば相手の顔色や空気感で、ある程度の購買意欲や関心度を感じられます。

しかしインサイドセールスでは、メールでのコミュニケーションは文字だけのやり取りになるため、意思疎通が困難になります。また電話は声色でしか判断できず、相手がどのくらいの関心度なのかを判断しにくいのです。さらに商材の実物を見せることも難しいため、魅力を伝えきれないこともあります。

このデメリットを解消するために、オンライン商談システムの利用がおすすめです。オンライン商談システムはカメラで相手の顔を見ながら話せるだけでなく、資料や画面の共有もできます。

フィールドセールスとの緻密な情報共有が求められる

日本のインサイドセールスは、フィールドセールスとの分業型が多い傾向にあります。その場合、フィールドセールスとの情報連携は欠かせません。

インサイドセールスはリードに対するヒアリングや商材紹介などを通じ、リードの課題や関心度合いを判断します。これらの詳細な情報は、フィールドセールスが商談する際の提案材料になります。

仮にインサイドセールスとの過去のやり取りを把握せずに商談を進めた場合、インサイドセールスがすでにヒアリングした内容を再度聞いてしまったり、リードの興味のない分野の提案をしてしまったり、話がすれ違ってしまいます。

このようなリスクを回避するよう、ツールを導入したりミーティングの頻度を増やしたりするなど、緻密な情報共有ができる環境構築が求められるでしょう。

インサイドセールスのスキルやノウハウが必要

インサイドセールス特有のスキルやノウハウを身につける必要がある点にも注意が必要です。インサイドセールス人員を確保するため、自社のフィールドセールス人員を配置転換するケースが多く見られます。

もちろんフィールドセールスで培ったスキルはインサイドセールスでも発揮できますが、非対面ならではのセールストークや提案内容などのスキルも求められます。またインサイドセールスはリードとのやり取りから購買意欲を見極めなければならず、独自のノウハウも不可欠です。

これらのスキルやノウハウの習得には研修やセミナーを受講したり、ある程度の経験を積んだりする必要があり、学習の時間やコストを要するでしょう。

インサイドセールス導入のメリットを高めるコツ

インサイドセールス導入はメリットが多いものの、情報共有のためのプラットフォームやスキル習得の学習環境などの整備も求められます。それゆえ戦略なく行き当たりばったりで導入しても、大きな成果は得られず失敗に終わってしまうでしょう。そこでインサイドセールスを導入してメリットを最大化するためのコツを紹介します。

トークスクリプトを活用する

インサイドセールスでリードの購買意欲を向上させるには、精度の高いトークスクリプトの活用がおすすめです。

トークスクリプトとは、電話で話す内容の台本となるものです。相手の反応や返答などに応じた複数パターンのトーク展開を設計しておくことで、柔軟な対応が可能になります。

対面での営業では、その場の雰囲気で話の展開を考えられます。しかし非対面のインサイドセールスでは相手の温度感がわからないため、何を話したら良いのか、どうやって聞き出したら良いのか、どう話を展開したら良いのか迷うことも少なくありません。

トークスクリプトにはこれらの対応方法が明確に記載されているため、非対面でもヒアリングや提案がスムーズにいきます。

役割分担をはっきりさせる

インサイドセールス導入でよくある失敗例として、役割分担があいまいでトラブルに発展するケースが見られます。

インサイドセールスを分業型で導入する場合、マーケティングやフィールドセールスなど関連する部門と明確に役割分担しておかなければ、それぞれの業務内容や目標があいまいになってしまいます。これでは営業効率化どころか、非効率となってしまうでしょう。

そのため、どの業務やフェーズを誰が担当するのかを明らかにしておくことが必要です。事前に役割分担を明確にしてから、インサイドセールスの稼働を始めましょう。

インサイドセールス向けのツールを利用する

インサイドセールス成功のポイントは、情報の蓄積と共有です。つまりこれらを実現できる環境整備が必要となります。

そこでツールの利用がおすすめです。インサイドセールスに最適なツールは、主に以下の種類が挙げられます。

  • ビジネスチャットツール
  • MA(マーケティングオートメーション)
  • CRM(顧客関係管理システム)
  • SFA(営業支援システム)

これらのツールは情報を蓄積したり、コミュニケーションを取ったりするのに適しています。それぞれ特徴が異なるので、自社の目的や業務内容にマッチしたツールを選びましょう。

またオンライン商談システムも必須です。相手の顔を見ながら話ができたり、資料や画面の共有で視覚的に訴求できたりするメリットがあり、非対面でも対面営業と同じくらいのクオリティの商談を展開できます。

インサイドセールスのメリットを活かして営業成績を伸ばそう

インサイドセールスは人員不足や属人化などの営業課題を解消しつつ、働き方改革や生産性向上などに対応できる営業手法です。導入により多くのメリットが期待できますが、仕組みの設計や環境構築などの必要性もあります。

インサイドセールス導入前にデメリットを理解しておくことで、事前に対策を取ることができます。まずはデメリットを充分に理解して対応し、導入メリットを伸ばして営業成績に反映させましょう。

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