エンタープライズ営業を徹底解説!大企業に切り込む秘訣とは?

営業のポイント

近年、大企業や公的機関をターゲットとするエンタープライズ営業が注目を集めています。成約までに多大な時間と労力を要する営業方法ですが、成功すれば一気に売上やシェアを伸ばすことが可能です。

今回はエンタープライズ営業の概要と、実践のためのポイントを解説します。より大口の顧客をターゲットにしたいとお考えの企業の方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

エンタープライズ営業とは

ビルと営業パーソン

エンタープライズ営業とは、大企業や公的機関などの大きな組織をターゲットとする営業手法です。

大企業の割合は国内企業のうち約0.3%にとどまっており、非常に間口の狭い営業戦略です。一方で、社内にいくつもの部署があり、数千〜数万人の従業員がいるため、全社で商品・サービスを導入してもらえれば大幅な売上アップが見込めます。サブスクリプション型の商品・サービスであれば、最初の突破口を開けば事業を安定させることが可能でしょう。

難易度は高いですが、全社を上げて長期的に取り組む価値のある営業といえます。

エンタープライズ営業の特徴

ファイルを持っているビジネスパーソン

エンタープライズ営業は、通常の中小企業をターゲットとした営業とは異なるいくつもの特徴があります。取り組む前に、以下の8つのポイントを理解しておきましょう。

  1. リード数が少ない
  2. リードタイムが長い
  3. 契約までに関わる人数が多い
  4. 予算が大きい
  5. 解約されづらい
  6. 1顧客ずつにカスタマイズすることもある
  7. 別部署に紹介される可能性がある
  8. 企業の実績になる

それぞれ詳しく解説します。

1.リード数が少ない

エンタープライズ営業では、非常に少ないリードから狙いを定めてアプローチをかけます。一つひとつのリードが貴重で、最初のアプローチからクロージングまで一切気が抜けません。

すでに説明したように大企業と呼ばれる企業は全体の0.3%程度で、少ないリードを競合他社と奪い合う形です。大企業側は常に多くの営業担当者からアプローチを受けているので、対応で時間を取られないように新規の営業をシャットアウトする対策をとっていることもあります。通常の営業より難易度が高いことを心得ておきましょう。

2.リードタイムが長い

最初のアプローチから成約に至るまで、長い時間がかかるのもエンタープライズ営業の特徴です。

大企業では1つの商品・サービスを導入したときに影響を受ける人間が多いため、関わるすべての部署に確認を取らなくてはなりません。動かす予算も大きいので役員や経理部に稟議を通す必要もありますし、今年度の予算が動かせない場合など1年近く契約を待つケースもあります。

何よりも、大きな組織では一度ツールを導入すると簡単には変更や中止ができません。そのために、新たな商品・サービスの提案を受けても導入には慎重にならざるを得ないのです。

3.契約までに関わる人数が多い

エンタープライズ営業は成約に至るまでに、相手側の複数の担当者と関わることになります。幾度もの商談をくぐり抜け、すべての関係者に納得してもらって初めて成約となるので、通常の営業よりも負担が大きいと感じるでしょう。

大企業をターゲットとした営業では、早めに組織の全体像を掴んでおくことがポイントです。アプローチしている部署と連携のある部署、それぞれのキーパーソン、部署を管轄する役員など、どの順番で攻略していくか戦略的にアプローチしましょう。

4.予算が大きい

大企業は毎年多額の予算を組んでいるため、ニーズさえあれば大口の受注が見込めます。特に利用する人の数だけ料金を請求できるシステムのサービスは、エンタープライズ営業によって大きな営業成果を得られるでしょう。

中小企業をターゲットにした営業では、予算に余裕がないために断られるケースは少なくありません。値引きを求められる場合もあり、商品・サービスの本来の価値とは異なる点で他社と競い合うことになります。

大企業は予算が大きいため、安さよりも品質や信頼性を重視する傾向にあります。優れた商品・サービスを提供すれば、正当な対価を得られるでしょう。

5.解約されづらい

エンタープライズ営業は一度契約が締結できれば、簡単には解約されないメリットもあります。サブスクリプション型の商品・サービスであれば、成約後は安定した売上が見込めるでしょう。

すでに説明したように、大きな組織にはツールの変更や中止が難しい特性があります。新たなツールの導入には大きな負荷がかかるので、余程のことがない限りは現状維持を選択するでしょう。さらに中小企業と比べて事業撤退や倒産といったリスクが低いのも魅力です。

6.1顧客ずつにカスタマイズすることもある

エンタープライズ営業では、商品・サービスを相手のニーズに合わせてカスタマイズする場合もあります。

エンタープライズ営業は競争率が高いため、競合他社もあらゆる提案を持ってアプローチしています。カスタマイズもその一つで、自由度が高いほど商品・サービスの魅力も増すので、提案する側にとっては大きな切り札です。

他社がカスタマイズを提案している場合、自社がそれに対応できないと競争力が下がってしまいます。商談の場でカスタマイズについて尋ねられたとき、対応できるように社内で準備しておきましょう。

7.別部署に紹介される可能性がある

エンタープライズ営業の大きな魅力は、特定の部署のみでの導入にとどまらず、同じ商品・サービスを組織のなかで連鎖的に導入してもらえる可能性があることです。

商品・サービスに満足してもらえれば、実際に使用した担当者から他部署の担当者に紹介してもらえるでしょう。他部署の担当者もすでに社内で実績があるツールのほうが導入しやすいので、スムーズに商談が進む可能性が高まります。

何よりも、ビジネスツールなどは部署間で異なるものを使用するより同じ商品を使用したほうが連携がとりやすく作業効率が上がります。相手側にもメリットがあるので、複数の部署への紹介が期待できるでしょう。

8.企業の実績になる

エンタープライズ営業の狙いは、売上の大幅アップだけではありません。誰もが知る一流企業に導入されている実績が、自社のブランド力アップにも大きく貢献するのです。

大企業との取引実績があれば、その後の営業がスムーズになります。よく知らない商品・サービスを導入するか判断する際に、大企業がすでに導入している事実があれば安心できるでしょう。エンタープライズ営業が1つ成功すれば、営業活動全体が一気に加速する可能性があります。

エンタープライズ営業を成功させるコツ

握手をするビジネスパーソン

大企業をターゲットとしたエンタープライズ営業では、通常の営業とは違った工夫が求められます。ここでは以下の3つのコツをご紹介します。

  • リード獲得のための戦略をたてる
  • 決裁者と早めにつながる
  • 信頼関係を築く

それぞれ詳しく解説します。

リード獲得のための戦略を立てる

エンタープライズ営業で最初に立ちはだかる壁が、大企業をリードとして獲得することです。この壁を突破するためには、明確な営業戦略が必要となります。

常日頃あらゆる企業から営業アプローチを受けている大企業を、通常のマーケティング方法だけでリード化するのは難しいでしょう。基本的には訪問・電話・メール・手紙・SNS・顧客からの紹介など、考え得る手法のすべてを実践して接点をつくるよう試みることになります。

ただし、大企業に手あたり次第にアプローチをかけるのではなく、自社のターゲットとして見込みのある企業に絞ってリストを作成すれば、成功の確率は上がります。数少ない大企業からさらに条件を絞るとリストは少なくなりますが、エンタープライズ営業は元々が狙いを定めた1つの企業にじっくり向き合うことが前提ですから問題はありません。

ターゲットとなる企業の情報を収集して、電話や訪問は受け付けてくれなくても、セミナーやイベントの案内はOKなど、突破口を見つけましょう。また、エンタープライズ企業であれば、決裁者と考えられる方の情報が得られる場合も多いため、お手紙を送付するという選択もあり得るでしょう。

決裁者と早めにつながる

エンタープライズ営業成功の鍵となるのは、決裁者へのアクセスです。ライバル企業に先を越される前に、いち早く商品・サービスの導入判断を下せる人物を把握しましょう。

大企業や公的機関のような大きな組織では、決裁者が誰なのかがわかりにくくなっています。実際に導入する部署の管理職、経理部、役員、あるいはプロジェクトを任されている社員など、あらゆる人が関わっていて誰が最終的な決定権を持っているのかすぐには見抜けません。

中小企業では経営者の了解さえ得れば商談が進みます。中小企業へのアプローチに慣れている営業パーソンは、エンタープライズ営業では話がなかなか進まずもどかしく感じるかもしれません。最初は商品・サービスのアピールと共に、相手の組織の情報収集に力を入れましょう。

また相手側の担当者に気に入ってもらえれば、代わりに決裁者を説得してもらえる可能性があります。接点が得られた人物には熱意を持ってしっかりとアピールしましょう。

信頼関係を築く

エンタープライズ営業では、相手から信頼されることが重要です。

大企業や公的機関は組織が大きいので、一旦ツールやサービスを導入すると、なかなか変更や中止ができません。社内でそのツールを使用する数千人、数万人の業務が停滞するからです。そのため、長く信頼して取引できるか厳しくチェックされます。

小規模の企業相手の営業であれば、自社の営業担当者が相手側の経営者に気に入られただけで成約に至ることも珍しくありません。しかしエンタープライズ営業においては、そのような展開はまずないと心得ておきましょう。営業担当者だけでなく、商品・サービス、ひいては企業自体の信用性が問われます。

対応のスピード感、過去の実績、取引先、企業のコンプライアンス、セキュリティの態勢など、どの角度から見ても堅実でクリーンな印象を与えられるようにしましょう。

エンタープライズ営業に関するよくある質問

悩むビジネスパーソン

エンタープライズ営業はリード数が少なく難易度も高いため、まったく未知の領域である企業も多いでしょう。ここではエンタープライズ営業に関してよくある質問と、それに対する回答をまとめました。

エンタープライズ営業に求められるスキルは?

エンタープライズ営業は難易度の高い営業です。特に情報収集力・提案力・商談準備力において、通常より高いスキルが求められます。

ライバル企業よりも早く決裁者にたどり着かなくてはならないので、相手企業の組織体制や導入までのプロセスを把握する情報収集力が必要です。さらに相手企業の課題や業界の動向をふまえ、カスタマイズも含めた商品・サービスの提案力が問われます。加えて営業担当者1人に任せるのではなく、商品開発・製造・広報などあらゆる部署が力を合わせて商談に備える必要があります。

エンタープライズ営業においては、長期戦を覚悟しなくてはなりません。粘り強く、最後まで諦めない姿勢が大切でしょう。

エンタープライズ営業とThe Model型営業の違いは?

近年注目されている営業手法に、The Model型営業があります。これは営業を効率化するためにマーケティング・インサイドセールス(電話やメールなど)・フィールドセールス(対面型営業)・カスタマーサクセスの4つに分けて、完全分業制で進める手法です。

エンタープライズ営業もThe Model型営業も、1つの案件に対して複数の担当者が関わる点は共通しています。エンタープライズ営業も負担が大きいために1人の営業担当者では対応しきれず、全社を上げて取り組む必要があるからです。

一方で、The Model型営業のプロセスの半分を占めている「認知度のアップ〜ターゲットの絞り込み」は、エンタープライズ営業では必要ありません。ごく少数の限られたリードのなかから1つの企業に狙いを定め、ダイレクトに切り込んでいくからです。

The Model型営業は膨大なリストからリードを絞り込んでいき、最終的に少数のリードが成約に至るスタイルです。一方のエンタープライズ営業は1つのターゲットで成約という突破口を開いたあと、同じ企業のなかの他部署へとアプローチを広げていきます。結論として、The Model型営業のスキルをエンタープライズ営業に活かすことは難しいでしょう。

エンタープライズ営業におけるKPI設定のコツは?

いざエンタープライズ営業に取り組むとき、通常の営業と同じように戦略と計画を立ててから始めます。営業計画で重要なのはKPI設定です。

The Model型営業のような通常の営業であれば、KPI設定はテレアポの架電数や訪問数になるでしょう。しかしエンタープライズ営業はそもそものリード数が少なく、KPIとして設定するほど架電や訪問はできません。さらにいえば、ただ架電や訪問をしても、取引実績のない企業からの営業はシャットアウトされることが前提です。

エンタープライズ営業のアプローチは相手企業側の情報を収集し、決裁者につなげてくれる人脈をつくることから始まります。KPIも相手組織の相関図を作成する、狙いを定めたキーパーソンと商談の場を設けるなど、一歩踏み込んだ目標を設定したほうがよいでしょう。

まとめ

ビジネスパーソンの後ろ姿

エンタープライズ営業は最初のアプローチから成約後の利用拡大まで、非常に長い時間のかかる取り組みになります。接点を持つためにあらゆるアプローチの方法を模索し、無事成約に至っても一切気が抜けません。見込まれる売上も大きいのですが、それに比例して営業担当者の負担も大きくなります。

担当者の負担を少しでも減らすためには、営業ツールの導入も有効です。「Sales Platform」であれば国内企業のデータを内蔵しており、自社の商品・サービスのターゲットとなる企業をリストアップも可能。さらにメールや電話、郵送などのアプローチと効果分析までが自動化できて、営業の業務が効率化します。商談・成約数アップは、ぜひ「Sales Platform」までご相談ください。

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