営業戦略の正しい立て方とは?役立つ5つのフレームワークも紹介

会議をするビジネスマン

営業戦略は、企業の売上目標を達成するために必要です。最近、営業利益が伸び悩んでいる企業は、もしかしたら戦略の方向性がズレているのかもしれません。適切な戦略を立てなければ、期待している成果はいつまでも出ないでしょう。

本記事では営業戦略を立てるステップと、役立つフレームワークを丁寧に解説します。さらなる利益向上を実現したい企業様は、ぜひ最後までご覧ください。

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営業戦略とは

戦略を立てる営業マン

営業戦略とは、営業活動における目標を達成するための中〜長期的な計画のことです。似ている用語に営業戦術がありますが、2つには違いがあるので理解しておきましょう。

目的達成のための作戦や、計画を立てるのが営業戦略です。どのようなターゲットに商品やサービスを伝えて売上を獲得するか、他者と差別化できる部分はどこかなどを考えたうえで基本方針を決めていきます。

一方、営業戦略で立てた作戦や計画を実行するための手段が営業戦術です。営業体制の見直しやITツールの導入、アプローチ方法などを営業戦略に沿って決めます。大きな成果を出すためには、営業戦略と営業戦術の両方が揃っていなければなりません。

営業戦略の立て方5ステップ

階段をあがる男性

営業戦略をスムーズに立てるなら、順序立てて進めていくのがおすすめです。ステップは大まかに5つの項目に分けられます。

  1. 目標を設定する
  2. 事前分析を行う
  3. 現状の課題を明確にして解決策を決める
  4. 戦略プランの立案
  5. 見直しと修正

それぞれの意味やポイントを解説します。

【ステップ1】目標を設定する

計画を立てるためには、ゴールとなる目標が必要です。目標がなければ進むべき道が見えず、適切な戦略を立てられません。ここで重要なのは、漠然としてではなく明確な数字を設定すること。いつまでにどのくらい売上を獲得したいのか、期間も設定するとよいでしょう。

例:1年後に売上額を、前年比150%アップさせる

【ステップ2】事前分析を行う

事前分析も重要です。目標が定まったら、あらゆる視点から分析しましょう。

【外部環境分析】

  • 環境分析:経済の動向、ビジネス環境、マーケットの変化など
  • 顧客分析:自社の強みを客観的に認識する、顧客獲得にかかるコストの把握、潜在顧客の発見など
  • 競合分析:新商品やサービスの動向(競合の強みや弱みの発見につながる)など

【内部環境分析】

  • 自社分析:自社の強みと弱み、営業活動に使えるリソースの把握など

分析によって自社の立ち位置を把握できます。逆に言えば分析しないと偏った戦略になりやすく、途中で失敗する恐れがあるでしょう。

例えば、市場やマーケットの変化を理解していなければ、適切な対策が立てられずにマイナスの影響を受けるリスクがあります。競合に差をつけられてしまうかもしれません。

また、どんなに素晴らしいと感じる戦略を立てられたとしても、実行するためのリソースが社内になければ計画通りに進められないでしょう。

【ステップ3】現状の課題を明確にして解決策を決める

分析すると、現状の課題が浮き彫りになってきます。課題をそのまま放置するわけにはいきません。社内で課題を理解し、明確な解決策を決めていきましょう。ポイントは徹底的に洗い出すことです。

例えば、成約数を増やしたいという目標を設定したとします。リードの数が足りないのか、リードの数は十分だけど質が低いのか、達成するための課題は企業によってさまざまです。そして、どのような課題かによって解決策は異なります。

満足な分析をせずに「きっとリードの数が足りないからだろう」と適当に課題設定すれば、的外れな解決策になるでしょう。達成のために何が不足しているのか、どうすれば補えるのかを徹底的に考え、最適な解決策を出すことが戦略成功の重要なポイントとなります。

特に重要な点としては、定量的な数値目標の設定です。必要数に対して現状の乖離を把握することで、目標達成のために必要な行動を明確に決定しやすくなるでしょう。

【ステップ4】戦略プランの立案

課題や進むべき方向が見えたら、具体的な戦略プランを決めていきます。狙うターゲットと、取り入れる手法を考慮しながら考えましょう。

また戦略プランは、営業チーム全体で共有するのが基本です。そのため、全員が理解できるようにシンプルでわかりやすい内容にするのがポイント。複雑になると、人によって受け取り方が異なり、うまく連携が取れなくなります。

また戦略プランも具体的な数値を使いましょう。例えば「3か月以内に売上を20%アップする」という目標設定と併せて、20%アップする為には、追加で何社のご発注をいただく必要があるという点まで明確に数値を設定すれば、いつまでにどのくらい行動するべきか、逆算での計画が見えてきます。そのご発注を頂くためには、何件の商談を実施。その商談を実施する為に何件のアポイントを取得。そのアポイントを取得する為に何件のアプローチを実施など、行動レベルまで目標数値を落とし込みましょう。

【ステップ5】見直しと修正

戦略プランを立てたら、実行に移しましょう。最初に立てたプランが必ず成功するとは限りません。改善が必要になるケースもあります。実行したら定期的に達成率や活動状況を見直し、問題があれば柔軟に修正していきましょう。

計画・実行・評価・改善の流れをPDCAと呼びますが、PDCAを繰り返してブラッシュアップを図ることで、営業活動の効率化と成果アップにつながります。

Sales Platform」なら営業活動に必須の機能がオールインワンで搭載されており、営業戦略に必要な分析や、電話やメールを使ったアプローチも効率的に実施可能です。営業のプロによる支援もしていますので、ぜひお役立てください。

営業戦略を立てる際に役立つ5つのフレームワーク

枠組み

適切な営業戦略を立案するためにも、フレームワークを活用しましょう。フレームワークは「枠組み」や「構造」を指す言葉で、ビジネスシーンにおける課題解決や意思決定をスムーズに進めるために役立つテンプレートです。枠の中に情報を記載していくだけで課題や方向性を分析できます。

ここでは営業戦略を立てる際に役立つフレームワークを5つ見ていきましょう。

  1. 3C分析
  2. SWOT分析
  3. ランチェスター戦略
  4. パレートの法則
  5. 4P分析

それぞれの特徴を解説します。

1.3C分析

3C分析は、自社の立ち位置や成功要因を導き出すために使われるフレームワークです。以下の3つの「C」を分析します。

Company(自社)Customer(市場・顧客)Competitor(競合他社)
・強み
・弱み
・リソース
・現状の課題
・商品やサービス
・市場規模
・成長見込み
・顧客層
・市場ニーズ
・顧客の消費行動
・競合の特徴
・想定される行動
・新製品の情報
・業界ポジション

書き込むことで自社の立ち位置を理解しやすくなります。マーケティングで頻繁に活用されるフレームワークですが、営業戦略にも使えるので覚えておきましょう。

2.SWOT分析

SWOT分析も、3C分析同様に自社の立ち位置を把握するのに役立ちます。SWOTとはStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ってつけられた言葉。内部環境と外部環境を、さらにプラス要因とマイナス要因に分けて分析します。

既存事業の改善点の他、新規事業を始める際のリスクを見つけるためにも役立ちますよ。

【SWOT分析の例:個人喫茶店の場合】

プラス要因マイナス要因
内部環境Strength:強み
・常連が多い
・豆からこだわったコーヒー
・手作りケーキ
Weakness:弱み
・知名度が低い
・席数が少ない
・投資できる額が少ない
外部環境Opportunity:機会
・テレワークの普及でカフェ利用が増えている
・SNSを使う人が増えている
Threat:脅威
・コーヒーの低価格化
・チェーン店はスタッフが多く、待たせる時間が少ない
・知名度が高い
・資金力がある

これを元に弱みをどうカバーするか、強みをさらに活かすためにはどのようにすれば良いのかを考えて営業戦略を考えていきます。

例えば「投資できる額が少ない」という課題が見えたら、外部環境の「SNSを使う人が増えている」ことに注目するとよいでしょう。SNSはお金をかけず情報発信できるツールです。活用することで、少ない資金でも多くの人に見てもらえるチャンスが増えるでしょう。

3.ランチェスター戦略

ランチェスター戦略は、第一次世界大戦時にイギリス生まれフレデリック・ランチェスターから導き出された法則です。「第一法則」と「第二法則」の2種類に分けられています。

【第一法則】

第一法則は弱者の戦略とも呼ばれ、剣や斧などの武器を使い接近戦で戦う原始的な戦闘を想定した法則です。下記で表現されます。

戦闘力 = 兵士の数 × 武器性能

1対1の接近戦で戦うことが前提のため、同じ兵士の数で戦った場合は武器性能が高いほうが勝ちます。逆に同じ武器性能で戦った場合は兵士の数が多いほうに軍配が上がるでしょう。

これをビジネスに置き換えると

競争力(戦闘力) = 営業人材の数や広告費(兵士の数) × 商品力やマーケティング(武器性能)

つまり、営業人材や広告費が少ない場合は、商品力やマーケティング力の強化によって勝率を高められるということです。リソースに限りのある中小企業向けのフレームワークといえるでしょう。

【第二法則】

第一法則は強者の戦略とも呼ばれ、1人で同時に複数の相手を攻撃できるなど、集団で戦うことを前提とした法則です。この場合、下記の法則が成り立ちます。

戦闘力 = 兵士数の2乗 × 武器性能

一騎打ちではなく広い範囲で攻撃できる確率戦が前提のため、兵士の数は2乗で計算されます。つまり、武器性能を少し向上させたところで、兵士が多いほうには勝てないということになります。

ビジネスに置き換えると戦う範囲が広くなるほど兵士の数、つまり営業人材や広告費が多い企業が有利になるということです。そのため、第二法則はリソースに余裕のある大企業に向いているフレームワークといえるでしょう。

4.パレートの法則

パレートの法則は、イタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレートが発見した統計に関する法則です。具体的には全体の数値の大部分は、一部の要素が生み出しているという思考法です。「80:20の法則」ともいわれています。

例えば、以下の例があります。

  • 売上の8割は2割の顧客が生み出している
  • 全体の8割の富が2割の富裕層に集中している
  • 売上の8割を2割の従業員が出している
  • 売上の8割は2割の商品で成り立っている

この法則を取り入れることにより、どの作業や商品に集中すれば少ない労力で最大の成果を出せるか判断しやすくなるでしょう。作業の効率化にもつながります。

5.4P分析

4P分析は、Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(販促)の4つのPから分析する方法です。それぞれの視点から分析して強みやアピールポイントを出し、営業戦略につなげていきます。

それぞれの項目例は、以下の通りです。

Product(製品)Price(価格)
・対象となるユーザー
・提供できる価値
・製品の特徴
・アフターサービスや保証
・競合との違い
・商品に対して適正か
・利益を確保できるか
・競合との価格差
Place(流通)Promotion(販促)
・販売方法
・対象地域
・ターゲット層に適しているか
・強みの打ち出し方
・広告媒体の選定
・どのようなニーズに訴求するか
・競合との違いのアピール方法

分析する際は、主観的ではなく客観的なデータに基づいて進めることがポイントです。競合他社の製品価格や、ユーザーの反応率などは具体的な数値を用いて分析しましょう。

また、それぞれに矛盾点がないかチェックも大切です。例えば、対象地域を絞っているのに全国的に広告を打ち出せば、余計なコストがかかるでしょう。強みと対象ユーザーのニーズがマッチしていない場合も、失敗に終わるリスクが高まります。4つの要素を分析したら、矛盾点がないかチェックを忘れないようにしてください。 

営業戦略を立てて成果を出そう

ガッツポーズをするビジネスマンたち

営業戦略のステップと、役立つフレームワークを紹介しました。適切な営業戦略を立案するためには、事前の分析が欠かせません。適当な数値や主観的な視点のみでは、失敗に終わる可能性が高いでしょう。

また1回の営業戦略で、必ず成功するとは限りません。戦略を立てたあとは、定期的な見直しと修正も忘れないようにしてください。ブラッシュアップを繰り返すし、大きな成果を出せるように適切な行動を行っていきましょう。

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