インサイドセールスとテレアポって違うの?
インサイドセールスやテレアポを通じて営業活動の効率化を図りたい
インサイドセールスは、社内にいながら電話やメールを用いて営業をかける方法であり、テレアポと似ていると考える方もいるでしょう。
しかしインサイドセールスとテレアポはまったく異なる性質の営業手法です。
そこで今回は、インサイドセールスとテレアポとの違いを解説します。それぞれの特徴を理解したうえでうまく使い分ければ、少ないリソースでも効率的に営業活動ができるうえ、成約数を向上させられるでしょう。
なお「インサイドセールスに力を入れたいけれど、電話やメール営業の成功率が低くて困っている」とお悩みの企業様には、営業ツール「Sales Platform」の導入がおすすめです。電話やメールといったアプローチを自動化し、成功率の高い営業手法を実現できます。
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インサイドセールスとテレアポの6つの違い
インサイドセールスとテレアポの主な違いは、以下の6点です。
項目 | 目的 | 成約までの時間 | 成果の測定方法 | 他部署との連携 | アプローチする顧客との関係性 | 使用する技術とツール |
---|---|---|---|---|---|---|
インサイドセールス | 長期的な顧客関係の構築と成約 | 定期的なアプローチで長期的な制約を目指す | 受注率や受注金額などの長期的な指標に重点 | 他部署との緊密な連携が必要 | 同じ顧客に繰り返し接触し、関係を築く | MAやSFAなど、顧客情報管理とコミュニケーション効率化のためのツール |
テレアポ | アポイントの獲得 | 短期間でアプローチし、対面でのアポイント獲得を目指す | アポイント数や架電数などの短期的な指標に重点 | 他部署との連携が少ない | 初めてアプローチする顧客がメインターゲット | コールセンターやCRMソフトウェアなど、比較的シンプルなツール |
インサイドセールスとは、その名の通り社内(inside)にいながら顧客にアプローチする、非対面型の営業手法を指します。主に使用するツールは以下の3つです
- 電話
- メール
- DM
長いあいだ国内では、顧客のもとに直接出向いてアプローチするフィールドセールスが重視され「営業は足で稼ぐもの」といわれてきました。
しかし現在は人手不足が深刻化し、営業人材の確保が難しいのが実情です。そこで少ない人的リソースでも多くの顧客にアプローチできる、インサイドセールスの注目度が高まっています。
以下では、インサイドセールスとテレアポの違いを詳しく解説します。
目的
インサイドセールスは、アポイント獲得後の成約を目的とした顧客との関係づくりが目的です。一方テレアポは、シンプルにアポイントの獲得を目的とします。
テレアポはアポイントが一件獲得できれば成功といえますが、インサイドセールスは初めてアプローチする顧客に電話をかけてアポイントが取れた時点がスタートラインです。
成約までの時間
インサイドセールスは、テレアポより長いスパンで成約を目指します。定期的に顧客にアプローチして信頼関係を構築したうえで、成約に至るからです。
一方テレアポは、アプローチ先の顧客リストに電話をかけて、対面でのアポイント獲得を目指します。場合によっては何百件と電話をかけなくてはなりません。しかし購買意欲の高い顧客のアポイントが取れれば、その後の商談ですぐ成約を獲得できる可能性があります。
インサイドセールスは、テレアポよりもプロセスが複雑ですが、じっくりと顧客と関係性を築くことで継続的な売上が望めます。
成果の測定方法
インサイドセールスは、顧客との継続的な関係構築が中心の営業方法です。顧客のニーズを深く理解し、長期にわたる信頼関係の構築を目的としています。そのためインサイドセールスでは、受注率や受注金額が成果指標として重視されます。
一方テレアポは、アポイント数や架電数といったより短期的で直接的な指標が用いられます。特定の期間内にできるだけ多くの潜在顧客と接触し、いかに商談の機会をつくれるかが重要です。
他部署との連携
インサイドセールスは、他部署との連携が求められるのも大きな特徴です。顧客によってアプローチ方法を変更しなければならず、業務のフローが常に変動するため、他部署との連携が欠かせません。
非対面でのアプローチが不向きな顧客がいればフィールドセールスにパスしたり、マーケティング部門と最適なアプローチ方法を検討したりします。無事に成約が取れたあとは、カスタマーサクセス部門に顧客情報を伝える業務が発生します。
テレアポは「電話をかけてアポイントを獲得する」という業務の流れと役割が明確なので、他部門との連携はそれほど必要としません。連携するとしても、アポイント獲得後にフィールドセールスにその情報を渡す程度でしょう。
インサイドセールスは業務のプロセスが複雑だからこそ、部門とのチームワークが鍵になります。
アプローチする顧客との関係性
インサイドセールスもテレアポも、初めてアプローチする顧客がメインターゲットである点は同様です。ただしインサイドセールスの場合、成約まで同じ顧客に何度もコンタクトを取るため、アプローチのなかで少しずつ関係性が築かれていきます。
顧客のニーズや課題も徐々に把握できるようになり、顧客に頼られる実感を得られる点は、インサイドセールスの大きな魅力といえるでしょう。
テレアポは架電した際に断られればリストから削除し、少しでも興味を持ってもらえれば営業部署にパスします。テレアポ担当者と顧客とのあいだで会話はほぼ発生しないため、必然的に関係性も生じえないのです。
使用する技術とツール
インサイドセールスは、顧客情報の管理やコミュニケーションを効率化するために「MA(マーケティング・オートメーションツール)」や「SFA(セールス・フォース・オートメーション)」を使用します。
MAはリードの獲得や評価管理を自動化する機能を搭載したシステムで、マーケティングと営業活動を連携させるのに必要です。
SFAは顧客情報の管理や営業プロセスを効率化する際に用います。インサイドセールスの場合、これらのツールの駆使が欠かせません。
対してテレアポでは、顧客との関係性を管理する「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメントツール)」を使用します。インサイドセールスほど複雑なツールは使わない傾向にあります。
インサイドセールスの3つのメリット
インサイドセールスを導入すれば、以下の3つの効果が期待できます。
それぞれ詳しく解説します。
営業の効率化ができる
営業活動の効率化は、インサイドセールスの大きな魅力の一つです。
対面での商談を必要としないため、外回り営業に要していた移動時間を大幅に削減できます。一件訪問する際にかかっていた時間で、電話なら何十件、メールなら何百件という数にアプローチできるでしょう。
加えて迅速に顧客リストを消化できるため、結果的に成約数の向上も期待できます。一つひとつのアプローチ先を無駄にしないのもポイントです。
また各顧客のタイミングを捉えて最適な提案ができるので、自然と成約数は向上するはずです。テレアポは一度アプローチして断られればリストから削除されるケースが多いですが、インサイドセールスの場合は顧客との関係性が築けるので、成約につながるアプローチが取りやすくなります。
部署間で情報を共有できる
部署間で情報共有し、チームワークによってより多くの成約が取れるのもインサイドセールスのメリットです。
テレアポでは役割分担がはっきりしているため、部署間で顧客情報の共有があまり行われません。アポイントが取れた顧客の情報だけが、フィールドセールス部門にパスされます。
担当者不在だったり現時点でニーズがなかったりした顧客情報は、テレアポ担当者しか知りえません。
一方インサイドセールスは、マーケティング部門やフィールドセールスと顧客情報を共有しながら、顧客側にニーズが生まれるまで関係性を大切に温めます。そのため最適なタイミングや方法を選択しやすく、高確率で成約が見込めます。
インサイドセールスでは、フィールドセールスと他部署が連携して組織として顧客に対応していくスタンスのため、自然と社内の情報共有が活発になるでしょう。
受注率を高められる
インサイドセールスを活用すれば、受注率の向上が見込めます。
テレアポでは受注確度の低い顧客も多く含まれるリストにアプローチするため、自ずとアポイント獲得の成功率は低くなります。アプローチ後、さらに商談を設けて実際に成約に至れるケースは、リストの分母から考えてごくわずかでしょう。
インサイドセールスは、マーケティング部門との情報共有で受注確度が高いと判断された顧客に対してアプローチできます。電話をかけてすぐに成約には至らずとも、アプローチを重ねるうちに少しずつ顧客の不安や疑問を解消して、成約へと導くことも可能です。
必然的にインサイドセールスは、アプローチから成約につながる割合が高くなります。
インサイドセールスの3つの注意点
業務の効率化や受注率の向上という点で魅力のあるインサイドセールスですが、導入する際にはいくつか注意が必要です。
インサイドセールスを検討するときは、以下の3つのポイントを心に留めておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
直接対面できない点が不利になる可能性もある
インサイドセールスは顧客と対面でコミュニケーションを取れないため、顧客の心情が読み取りにくかったり、信頼を得るのが難しかったりといった問題が生じます。
対面型営業の場合、顧客の表情や反応を見ながら柔軟に伝え方や提案を変えられます。顧客に対してその場でアレンジした営業トークを展開した結果、成約率が高まる場合もあるでしょう。
反対にインサイドセールスは顧客の表情が読みにくいため、反応の悪さに気づかないまま話し続けているおそれがあります。
顔の見えない相手と信頼関係を築くのは簡単ではありません。対面型の営業であれば訪問時に良い印象を与えられますが、インサイドセールスは限られた情報のなかで相手と関係を築く必要があります。
部署間の連携業務が増える
インサイドセールス主体の組織では、部署間の連携業務が増加する点に注意が必要です。
インサイドセールスはチームで営業活動を進めます。チームで仕事をするメリットもありますが、連携の手間が増えるのも事実です。
頻繁にミーティングの場を設けたり、定期的な報告や相談が義務付けられたりすると、かえって作業効率が低下しかねません。
作業効率の低下を避けるには、負担にならない情報共有の仕組みづくりが大切です。組織としてのルールを定めたり、便利なツールを導入したりといった工夫を凝らしましょう。
情報共有のツールが必要になる
インサイドセールスの導入は、社内の情報共有のためのツールとワンセットで考えましょう。
部署間の連携を助けてくれるツールを導入していないと、チーム全体の効率が低下するおそれがあります。
情報共有のためのツールとは、具体的にはMAやSFAなどです。
MAやSFAは、顧客の属性や行動履歴や商談状況などを管理するのに役立ちます。顧客や案件の状況を手軽に入力でき、誰もが一目で確認できるツールがあれば、その都度ミーティングやメールなどで報告する必要はありません。
インサイドセールスを運用する4つのポイント
インサイドセールスで成果を上げるには、以下の4つを心がけましょう。
それぞれ詳しく解説します。
役割やKPIを設定する
インサイドセールスをうまく運用するには、役割やKPI(最終的な目標にいたるまでの中間目標)の設定がポイントです。チームワークの効果を最大限発揮するためには、各部門の役割や果たすべき目標を明確にしましょう。
インサイドセールスはマーケティング部門やカスタマーサクセス部門と連携して業務にあたり、以下のような役割を果たします。
- マーケティング部門:見込み顧客の獲得
- インサイドセールス:見込み顧客の育成・成約の獲得
- カスタマーサクセス部門:顧客満足度の向上
上記のようにそれぞれの業務範囲を定め、目標を数値で設定しましょう。全体として思ったような売上が上がらなかったときに各部門のKPI達成度をチェックすれば、改善すべきポイントが見えてくるはずです。
インサイドセールスの担当者を決める
インサイドセールスをうまく運用するには、適性のある人材を担当に置きましょう。
インサイドセールスには、テレアポやフィールドセールスよりも長期的視点で成果を追い求められる人材が向いています。
一人の顧客に対してすぐに白黒をつけるのではなく、あらゆる角度からニーズを探ったり、アプローチ方法を模索したりする思索的なタイプが向いているでしょう。
また複数の部署と連携して案件を進めるコミュニケーション能力や、データや顧客の情報を整理する能力も必要です。
フィールドセールス中心だった企業では、思いがけない人物がインサイドセールスで活躍する可能性もあります。
シナリオを設計する
インサイドセールスの顧客へのアプローチのフローは複雑なため、再現性の高いシナリオ設計が大切です。
マーケティング部門から引き継いだ顧客に対して、どのタイミングや流れで情報を提供すれば成約に至る可能性が高いのか、過去の成功事例を分析してシナリオを設計してみてください。
顧客にもさまざまなタイプの方がいるため、一つのシナリオですべてのパターンのカバーするのは困難です。いくつかのタイプに分けて複数のシナリオを設計しておけば、精度の高いインサイドセールスを再現できるでしょう。
フィールドセールス中心だった企業がインサイドセールスに切り替えるとき、少なからず現場に戸惑いが生じるものです。しかしシナリオがあれば、非対面の営業方法に慣れないメンバーでもインサイドセールスの成功率を上げられるでしょう。
支援ツールを活用する
インサイドセールスでは社内の情報共有、コミュニケーションの効率化のために支援ツールの活用がおすすめです。
活用できるツールは主に以下の5つです。
ツール名 | 用途 |
---|---|
SFA | 案件の進捗や商談内容の記録・管理 |
CRM | 顧客のデータや行動履歴の管理・蓄積 |
MA | 顧客データの収集・管理し、適切なタイミングで自動アプローチ |
CTI | コンピューターと電話、FAX機能にCRMやMAツールと連携させて、電話業務を効率化 |
Web会議ツール | オンラインで相手の顔を見ながら会議や商談を実施 |
それぞれの用途や特性をよく理解し、自社に必要なツールを上手に活用しましょう。
詳細は別記事「【2024】インサイドセールスにおすすめのツール15選を徹底比較」で解説しています。ぜひ併せてお読みください。
インサイドセールスとテレアポはどちらが効果的か
インサイドセールスとテレアポのどちらが効果的かは、ビジネスの種類や製品・サービスの特性に応じて異なります。
それぞれ効果的な業界や商材を以下の表にまとめたので、ぜひご参照ください。
営業手法 | 効果的な業界や商材 |
---|---|
インサイドセールス | ・高価値商材 ・複雑なB2Bサービス ・IT製品 ・ソフトウェア ・コンサルティング |
テレアポ | ・地域密着型のサービス ・低価格消費財 ・保険 ・金融商品 ・イベントの招待 |
インサイドセールスとテレアポの併用 | ・汎用性の高いB2B製品 ・教育関連サービス ・不動産 ・旅行関連サービス |
高価値や複雑な商材の場合、顧客は購入前に多くの情報やカスタマイズオプションを求める傾向があります。インサイドセールスなら、顧客の疑問に対する詳細な回答やカスタムソリューションの提案が可能です。
低価格消費財や保険など、一般消費者向け製品やサービスはテレアポの活用がおすすめです。テレアポは、短い期間内に大量の見込み顧客に素早く接触できるので、商談への道を迅速に開きたい際に効果的といえます。
汎用性の高いB2B製品や教育関連サービスなどには、インサイドセールスとテレアポの併用がおすすめです。両方のアプローチを組み合わせれば、広範囲な認知と深い関係構築のバランスを取れるでしょう。
インサイドセールスとテレアポはニーズに応じて使い分けよう
インサイドセールスは、テレアポと違って電話やメールを活用して成約までつなげる営業手法です。長期的な視点で顧客と関係性を築くため、一件あたりの成約率を高められます。
インサイドセールスとテレアポのアプローチは異なるので、企業のニーズに応じて適切に選択・適用しましょう。詳しい違いを再確認したい方は「インサイドセールスとテレアポの6つの違い」をご覧ください。
営業活動の効率化という点からもメリットが大きいインサイドセールスですが、各部署との連携が必要なため、情報共有に手間が生じるといったデメリットもあります。
インサイドセールスのデメリットを解消するには、営業支援ツールの導入がおすすめです。
「Sales Platform」なら案件や商談の情報共有が可能になるだけでなく、インサイドセールスの一部をツールによって自動化できます。さらに営業代行やコンサルタントのサービスもあり、営業活動改善のトータルサポートが可能です。
インサイドセールスとテレアポQ&A
Q.インサイドセールスの対照的な営業方法は何ですか?
A.フィールドセールスです。フィールドセールスは営業担当者が直接顧客を訪問し、対面での商談や製品デモンストレーションを行う外勤中心の営業活動を指します。
Q.インサイドセールスとテレアポで成果を上げるには?
A.専門知識を持つ代行業者への外注がおすすめです。専門業者の利用で、より効率的で成果に繋がる営業活動が実現できるでしょう。
代行に関する詳細は、「インサイドセールス代行の活用メリットと最適な業者の選び方を解説!」でも確認できますので、ぜひご覧ください。
Q.インサイドセールスで大切なことは何ですか?
A.インサイドセールスで大切なことは、顧客と信頼関係を築くことです。アピールする際、一方的にセールストークを展開するだけでは信頼を得られないおそれがあります。ときには聞き手に徹し、顧客が心地よいと感じるような相槌や会話の展開が必要です。
顧客を理解しようとする姿勢は崩さないようにしたいところです。