「インサイドセールスはテレアポのことだろう」と認識しているビジネスパーソンは少なくありません。
確かにインサイドセールスもテレアポも電話で顧客にアプローチしますが、目的や組織内での役割が異なります。
今回はインサイドセールスの概要やメリット、注意点などを解説します。インサイドセールスをうまく活用すれば、少ない人材でも効率的な営業活動で成約数を向上させることができるでしょう。
なお「インサイドセールスに力を入れたいけれど、電話やメール営業の成功率が低くて困っている」とお悩みの企業様には、営業ツール「Sales Platform」の導入をおすすめします。
電話やメールといったアプローチを自動化し、同企業様でも成功率の高い営業手法を再現可能です。
インサイドセールスを取り入れて営業を改善したい企業様は、ぜひ一度「Sales Platform」にご相談ください。
インサイドセールスとは、その名の通り社内(inside)にいながらにして顧客にアプローチする、非対面型の営業手法を指します。使用するツールは電話やメール、SNSやWebサイトなどです。
長い間国内では、顧客のもとに直接出向いてアプローチするフィールドセールスが重視され「営業は足で稼ぐもの」といわれてきました。
しかし、現在はどの業界でも人手不足が深刻化し、営業人材の確保が難しい状況です。
そこで、少ない人的リソースでも多くの顧客にアプローチできるインサイドセールスへの注目度が高まっています。詳しくは以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
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インサイドセールスとテレアポは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは以下の4つの点から、違いを解説します。
それぞれ詳しく解説します。
テレアポは、アポイントの獲得がメインの目的です。しかしインサイドセールスはその先にある成約を目的として顧客との関係づくりに努めます。
インサイドセールスでも、顧客によってはオンライン商談のアポイントを取ることはあるでしょう。
いうなればテレアポは、営業プロセスの一部だけを切り取ったものであるのに対し、インサイドセールスはリスト作成から成約までの全プロセスを担うものです。
アポイントが1件獲得できればテレアポとしては成功ですが、インサイドセールスでは初めてアプローチする顧客に電話をかけてアポイントが取れたら、やっと営業活動のスタートラインに立てたということになるでしょう。
テレアポから始まる通常の営業とインサイドセールスでは、成約までの時間にも違いが出ます。
テレアポではアプローチ先の顧客リストに電話をかけ、まず対面でのアポイント獲得を目指します。
場合によっては何百件と電話をかけなくてはなりません。しかし、購買意欲の高い顧客のアポイントが取れれば、その後の商談ですぐ成約を獲得できることもあります。
いわばテレアポと商談の2ステップで成約に至るのが特徴です。
インサイドセールスもさまざまですが、基本的にはもっと長いスパンで成約を目指します。
定期的に顧客にアプローチしてまず信頼関係を構築し、そのうえで成約という流れになるのが一般的です。
テレアポよりもプロセスが複雑ですが、じっくりと顧客と関係性を築くことで継続的な売上が見込めます。
テレアポと違い、インサイドセールスは他部署との緊密な連携が求められることも大きな特徴です。
テレアポは「電話をかけてアポイントを獲得する」という自身の業務の流れと役割が明確になっているため、他の部門との連携はそれほど必要とされません。アポイントが取れればフィールドセールスにその情報を渡すだけです。
一方インサイドセールスは、顧客によってアプローチ方法を変更したり、業務の流れが常に流動的なために他部署との連携が欠かせません。
非対面でのアプローチが不向きな顧客がいればフィールドセールスにパスし、ときには1人の顧客についてマーケティング部門と最適なアプローチ方法を検討します。
さらに無事に成約が取れたあとは、カスタマーサクセス部門へと顧客情報を伝えます。
テレアポのように業務のプロセスがシンプルでないからこそ、周辺部門とのチームワークが鍵となるのです。
テレアポとインサイドセールスは、アプローチする顧客のタイプにも違いがあります。
テレアポは基本的に、初めてアプローチする顧客をメインターゲットとして電話をかけます。断られればリストから削除し、少しでも興味を持ってもらえれば営業メンバーにパスすることが多いため、関係性のできた顧客と話すことはほとんどありません。
しかしインサイドセールスでは、成約まで同じ顧客に何度も電話するため、アプローチのなかで少しずつ関係性が築かれていきます。
顧客のニーズや課題も徐々に把握できるようになり、顧客に頼られる実感を得られるのがインサイドセールスの大きな魅力です。
次にインサイドセールスのメリットを解説します。
インサイドセールスを導入すれば、以下の3つの効果が期待できます。
それぞれ詳しく解説します。
営業活動の効率化は、インサイドセールスの大きな魅力の一つです。
対面での商談を必要としないため、これまで移動にかけていた時間を大幅に削減できます。顧客のもとに1件訪問する時間があれば、電話なら何十件、メールなら何百件という数のアプローチが可能でしょう。
インサイドセールスではそれだけ早くアプローチ先の顧客リストを消化できるため、それだけ成約数の向上も期待できます。
またインサイドセールスでは、一つひとつのアプローチ先を無駄にしないこともポイントです。
テレアポでは1度アプローチして断られればリストから削除されるケースも多いですが、インサイドセールスの場合は顧客との関係性が続きます。
各顧客のタイミングを捉えて最適な提案ができれば、自然と成約数は向上するでしょう。
部署間で情報共有し、チームワークによってより多くの成約が取れるところもインサイドセールスのメリットです。
テレアポでは役割分担がはっきりしているため、部署間で顧客情報の共有があまり進みません。
アポイントが取れた顧客の情報だけを次のフィールドセールスの部門にパスし、担当者不在だったり現時点でニーズがなかったりした顧客のことはテレアポ担当しか把握していないため、企業として顧客と関係を築きにくくなるでしょう。
一方インサイドセールスは、ときにマーケティング部門やフィールドセールスに顧客情報をパスしながら、顧客側にニーズが生まれるまで大切に関係性を温めておきます。
そして最適なタイミング、最適な方法を選択してアプローチすれば高確率で成約が見込めます。
このようにフィールドセールスと他部署が連携して、組織として顧客に対応していくスタンスになるため、自然と社内の情報共有が盛んになるのです。
インサイドセールスを活用すれば、受注率の向上が見込めます。
テレアポでは受注確度の低い顧客も多く含まれるリストにアプローチするため、自ずとアポイント獲得の成功率は低くなります。そこからさらに商談を設けて、実際に成約に至る割合はリストの分母から考えてごく僅かといえるでしょう。
一方のインサイドセールスは、マーケティング部門と連携し、受注確度によってふるいにかけられたリストにアプローチできます。
電話をかけてすぐに成約には至らずとも、アプローチを重ねるうちに少しずつ顧客の不安や疑問を解消して、成約へと導くことは可能です。
そのため、インサイドセールスはアプローチリストから成約へと至る割合が高くなります。
効率化やチームワークという点から魅力のあるインサイドセールスですが、導入の際はいくつか注意も必要です。
インサイドセールスを検討するときは、以下の3つのポイントを心に留めておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
インサイドセールスは。顧客と対面でコミュニケーションを取れないため、顧客の心情が読み取りにくかったり、信頼を得るのが難しかったりといった問題が生じます。
対面営業では、多くの場合顧客の表情や反応を見ながら、柔軟に伝え方や提案を変えていけるでしょう。それぞれの顧客にその場でカスタマイズした営業トークを展開することで、成約率を高めるのです。
反対にインサイドセールスでは顧客の表情を読むことができず、顧客の無関心に気づかず、そのまま話し続けていることがあります。
あるいは顧客が不安や疑問を感じているのに気づけず、受注確度の低い状態でクロージングをかけてしまうこともあるでしょう。
また顔の見えない相手と信頼関係を築くこと自体、簡単なことではありません。
対面型であれば一度の訪問で良い印象を与えることも十分可能ですが、インサイドセールスでは時間をかけて相手と関係を築く必要があるのです。
インサイドセールス主体の組織では、部署間の連携業務が増えることも注意点です。
インサイドセールスは、チームで営業活動を進めます。チームで仕事をすることによって得られるメリットもありますが、一方で連携の手間が増えることも事実です。
頻繁にミーティングの場を設けたり、定期的な報告や相談が義務付けられたりすると、かえって作業効率が低下する可能性もあります。
そのような事態を避けるためには、負担にならない情報共有の仕組みづくりが大切です。組織としてのルールを定めたり、便利なツールを導入したりといった工夫が必要でしょう。
インサイドセールスの導入は、社内の情報共有のためのツールとワンセットで考えましょう。
部署間の連携を助けてくれるツールなしには、チーム全体の効率が低下する恐れがあります。
情報共有のためのツールとは、具体的にはCRMシステムやSFAシステムなどです。
これらのツールは、顧客の属性や行動履歴や商談状況などを管理したりするのに役立ちます。顧客や案件の状況を手軽に入力でき、それを誰もが一目で確認できるツールがあれば、その都度ミーティングやメールなどで報告する必要はありません。
情報共有ツールについては後ほど詳しく解説します。
最後にインサイドセールスをうまく運用するためのポイントを紹介します。
インサイドセールスで成果を上げるには、以下の4つを心がけましょう。
それぞれ詳しく解説します。
インサイドセールスをうまく運用するには、あらかじめ役割やKPIを設定しておくことがポイントです。
インサイドセールスはマーケティング部門やカスタマーサクセス部門、ときにフィールドセールスの部門と連携して業務にあたります。
チームワークの効果を最大限発揮するためには、それぞれの役割や果たすべき目標を明確にすることが大切です。
最終的な目標にいたるまでの中間目標を、KPIと呼びます。
インサイドセールスを導入する際は、マーケティング部門が見込み顧客の獲得、インサイドセールスが見込み顧客の育成から成約の獲得、カスタマーサクセス部門が顧客満足度の向上というように業務範囲を定め、それぞれの目標を数値で設定しましょう。
全体として思ったような売上が上がらなかったとき、各部門の業務とKPIの達成度をチェックすることで、改善すべきポイントが見えてくるはずです。
インサイドセールスをうまく運用するには、適性のある人材を担当に置くことが大切です。
インサイドセールスには、テレアポやフィールドセールスよりも長期的視点で成果を追い求めることができる人材が向いています。
1人の顧客に対してすぐに白黒をつけるのではなく、あらゆる角度からニーズを探ったり、アプローチ方法を模索したりする思索的なタイプがフィールドセールスで成果を上げます。
また複数の部署と連携して案件を進めるコミュニケーション能力、多くのデータや顧客の情報を整理する能力も必要です。
これまでフィールドセールス中心だった企業では、思いがけない人物がインサイドセールスで活躍する可能性もあります。
インサイドセールスの顧客へのアプローチの流れは複雑ですが、だからこそ再現性の高いシナリオを設計しておくことが大切です。
マーケティング部門から渡された顧客に、どのタイミングでどのような情報を提供し、どのような提案をすれば成約に至る可能性が高いのか、過去の成功事例を分析してシナリオを設計しましょう。
顧客にもさまざまなタイプがあるため、1つのシナリオですべてのパターンをカバーすることはできませんが、タイプ別に複数のシナリオを設計しておけば、精度の高いインサイドセールスを再現できます。
フィールドセールス中心だった企業がインサイドセールスに切り替えるとき、少なからず現場に戸惑いはあるものです。
しかしシナリオがあれば、非対面の営業方法に慣れないメンバーでもインサイドセールスの成功率を上げられるでしょう。
インサイドセールスでは社内の情報共有、コミュニケーションの効率化のために支援ツールの活用がおすすめです。
活用できるツールは主に以下の5つです。
それぞれの用途や特性をよく理解し、自社に必要なツールを上手に活用しましょう。
インサイドセールスは、テレアポと違って電話やメール、Webツールのみを活用して成約までつなげる営業手法です。長期的な視点で顧客と関係性を築くため、1件あたりの成約率を高めることができます。
営業活動の効率化という点からもメリットが大きいインサイドツールですが、一方で各部署との連携が必要なため、情報共有に手間がかかるデメリットもあります。
これを解消するには、便利な営業支援ツールの導入がおすすめです。
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