AIDMA(アイドマ)とは?意味・AISASとの違い・活用方法を徹底解説
マーケティングの基本を学ぶ際、必ずといっていいほど最初に登場するのが「AIDMA(アイドマ)」というフレームワークです。1920年代に提唱されて以来、100年以上にわたって広告・販売戦略の指針として活用されてきました。
しかし、SNSやスマートフォンの普及によって消費者の行動が激変した現代において、「AIDMAはもう古いのではないか?」「今はAISAS(アイサス)だけで十分ではないか?」といった疑問を抱くマーケティング担当者の方も少なくありません。
また、用語の意味は知っていても、それをどう実際の自社施策に落とし込み、KPI(重要業績評価指標)を設計すればよいのか、具体的な活用イメージが持てずに悩んでいるケースも多いでしょう。
結論から言えば、AIDMAは決して古びた過去の遺物ではありません。むしろ、情報が溢れかえる現代だからこそ、消費者の「心の動き」を原点に立ち返って整理するツールとして、その重要性は再認識されています。
本記事では、AIDMAの5段階それぞれの心理状態を深掘りし、AISASなど他フレームワークとの使い分け、そして現代のデジタルマーケティングや営業活動においてAIDMAを最大活用するための具体的な設計図を解説します。
目次
AIDMAとは

AIDMA(アイドマ)とは、消費者が特定の商品やサービスを認知してから、最終的に購入という行動に至るまでのプロセスを5つの段階に分けて説明する「消費者の心理的プロセス」のモデルです。
1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホールが提唱したこの概念は、以下の5つの心理ステップの頭文字を取っています。
Attention(注意)
Interest(関心)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)
このフレームワークの原型は、1898年にE・スター・エルモ・ルイスが提唱した「AIDA(アイダ)」にあります。そこに「Memory(記憶)」という要素が加えられ、長期的な検討期間が必要な高額商品やマスメディア広告の効果を説明するモデルとして発展しました。
AIDMAを理解するうえでもっとも重要なのは、これが単なる「行動の記録」ではなく「消費者の心理状態の変化」を表しているという点です。消費者の心が今どの段階にあり、次にどのような刺激を求めているのかを分析することで、的外れな広告や押し売りを避け、適切なタイミングで適切なメッセージを届けることが可能になります。
AIDMAの5つのステップ

それでは、5つの各フェーズについて、消費者の具体的な心理状態と、マーケターが取るべき施策、設定すべき指標について詳細に解説します。
Attention(注意)
Attention(注意)、まずは存在を知ってもらいます。消費者に商品やサービスを認知させる最初の入り口です。
どれほど画期的な製品であっても、ターゲットの視界に入らなければ、この世に存在しないのと同じです。現代は情報過多の時代であり、消費者の注意を引くことは年々難しくなっています。
消費者の心理: 「なんだろう?」「あ、こんなサービスがあるんだ」
主な施策: テレビCM、Web広告(バナー・動画)、SNS広告、プレスリリース、展示会、SEO(検索エンジン最適化)による上位表示。
ポイント: ここでは細かなスペック説明よりも、インパクトのあるビジュアルやターゲットの悩みを一瞬で突くキャッチコピーが求められます。
KPIの例: 広告インプレッション数、リーチ数、サイト訪問者数、認知率。
Interest(関心)
Interest(関心)、自分に関係があると思わせます。
存在を知った消費者が、「面白そうだ」「自分に役立つかもしれない」と興味を抱く段階です。注意(Attention)を引いただけでは、消費者はすぐにその情報を忘れてしまいます。次のフェーズへ進むためには、商品が提供する「ベネフィット(便益)」を提示する必要があります。
消費者の心理: 「これは自分の悩みを解決してくれるかも」「もっと詳しく知りたい」
主な施策: コンテンツマーケティング、お役立ちブログ、解説動画、SNSでの情報発信、ウェビナーの開催。
ポイント: 商品の「機能」ではなく、その機能によって消費者の生活がどう良くなるかという「ストーリー」を伝えることが重要です。
KPIの例: 平均滞在時間、ページビュー(PV)、SNSのエンゲージメント率、動画視聴完了率。
Desire(欲求)
Desire(欲求):欲しい!という感情を育てます。
「興味がある」という状態から、「これが欲しい」「これを使いたい」という強い動機へ変化させる段階です。
多くの消費者は、この段階で「今のままでも困らないのではないか?」という心理的抵抗や、競合他社との比較を行います。その壁を乗り越えるための強力な動機付けが必要です。
消費者の心理: 「やっぱりこれが欲しい」「これがあれば便利になるのに」
主な施策: 無料トライアル、試供品の配布、事例紹介、詳細な比較表、導入シミュレーション、インフルエンサーによるレビュー。
ポイント: 「利用シーン」を具体的にイメージさせることが鍵です。口コミや実績(No.1表記や導入社数など)を提示し、安心感と所有欲を同時に高めます。
KPIの例: 資料ダウンロード数、サンプル申し込み数、カート投入率、お気に入り登録数。
Memory(記憶)
Memory(記憶)、購入のタイミングを逃さないようにします。欲しいと思った感情を維持し、ブランドや商品名を頭に刻み込ませる段階です。
家、車、BtoBツールなどの検討期間が長い商材では、消費者は「欲しい」と思っても、予算や家族の相談、社内決裁などの理由ですぐには購入しません。その間に忘れられてしまうのを防ぐのがMemoryの役割です。
消費者の心理: 「今は買えないけど、買うならあそこの製品にしよう」
主な施策: メルマガ配信、リターゲティング広告、公式LINEでの定期配信、ブランドロゴの露出、キャッチコピーの繰り返し。
ポイント: 接触頻度を維持する(ザイオンス効果)ことで、「購入のタイミング」が来たときに真っ先に思い出してもらう状態を作ります。
KPIの例: リピート訪問率、ブランド名の指名検索数、メール開封率。
Action(行動)
Action(行動)、最後の一押しで背中を押します。消費者が実際に「購入」や「契約」のボタンを押す、あるいは店舗でレジへ向かう最終フェーズです。
ここまで順調に来ても、最後に「手続きが面倒」「送料が高い」といった些細な障害があるだけで、消費者は離脱してしまいます。
消費者の心理: 「よし、今買おう」「申し込みを完了させよう」
主な施策: 期間限定キャンペーン、初回割引クーポン、購入フォームの簡略化(EFO)、送料無料、チャットによる即時回答。
ポイント: 「今買うべき理由」を作り、購入へのハードルを極限まで低くすることです。
KPIの例: 成約数(CV数)、成約率(CVR)、売上高。
AIDMAとAISASの違い

インターネット時代の到来により、AIDMAを補完・発展させる形で登場したのが「AISAS(アイサス)」です。それぞれの特性を理解し、使い分けることが現代のマーケターには求められます。
AISASとは
AISASは、Attention・Interest・Search(検索)・Action・Share(共有)の5段階で構成されます。電通が提唱し、2005年に商標登録されたモデルです。
AIDMAとの決定的な違いは、「Memory(記憶)」がなくなり、代わりに「Search(検索)」と「Share(共有)」が含まれている点にあります。
Search(検索): 興味を持ったらすぐにスマホで検索し、他人の評価を確認する。
Share(共有): 購入後、SNSやレビューサイトに感想を書き込み、それが他人のAttentionやInterestに繋がる。
AIDMAとAISASの使い分け方
「AIDMAは古いから、これからはAISASの時代だ」という極端な議論もありますが、それは正しくありません。商材の性質によって、消費者の動きは異なるからです。
AIDMAが適しているケース:
自動車、住宅、高額な家電、BtoBシステムなど、検討期間が数週間〜数ヶ月に及ぶもの。これらは衝動的に購入されることが少なく、消費者の頭の中にブランドを「記憶」させ続ける必要があります。
AISASが適しているケース:
アパレル、コスメ、食品、日用品、アプリサービスなど。これらはSNSでの口コミが起点になりやすく、興味を持ったら即座に検索し、納得すればその場で(あるいはECで)購入されるため、検討プロセスのスピードが速いのが特徴です。
最近では、認知フェーズはAIDMA的な広域広告で行い、比較・検討フェーズはAISAS的な検索対策を行うといった、両者の「ハイブリッド型」で戦略を立てるのが一般的です。
AIDMAをマーケティングに活用する方法

理論を知るだけでなく、具体的にどう施策を構築していくか。実務で使える「AIDMA活用術」を深掘りします。
各フェーズで必要な施策を明確にする
まずは自社の商品をAIDMAの型に当てはめてみましょう。各フェーズで「誰に」「どんな価値を」届けるのかをマッピングします。
Attention: ターゲットが日常的に接触している媒体は何か?(Instagram?YouTube?それともタクシー広告?)
Interest: どんなキーワードに反応するか?ターゲットが「自分事化」する悩みは何か?
Desire: どんな証拠(エビデンス)を見せれば納得するか?(導入事例のインタビュー、専門家の推奨、実数値など)
Memory: 離脱したユーザーにどうやって再接触するか?(リターゲティング広告のリスト作成、ホワイトペーパーによるリード情報の獲得)
Action: 購入の最大の障壁は何か?(価格?決済手段の少なさ?初期設定の難しさ?)
施策の効果を測定して改善する
AIDMAは、マーケティング活動の「健康診断」にも使えます。各フェーズの数値を可視化すると、どこにボトルネックがあるのかが明確になります。
たとえば、「Attention(広告のクリック)は多いが、Interest(資料請求)に繋がらない」のであれば、広告とリンク先のページの整合性が取れていない、あるいはページの内容が不十分であると分かります。「Desire(検討)はされているが、Action(成約)に至らない」のであれば、価格設定やクロージングの手法、あるいは競合比較で負けている可能性があります。
このように、心理フェーズごとに区切って数値を分析することで、根拠に基づいた改善(PDCA)が可能です。
AIDMAの5段階を横軸に、顧客の行動、感情、タッチポイント(接触点)を縦軸に取ると、立派な「カスタマージャーニーマップ」が完成します。各フェーズで顧客が抱く不安や期待を書き出すことで、より解像度の高い施策設計ができるようになります。
AIDMAと合わせて知っておきたいフレームワーク

AIDMA以外にも、時代やターゲットに合わせて開発されたフレームワークが多数あります。これらをセットで知っておくことで、マーケティングの引き出しが広がります。
マスメディア向けのフレームワーク
AIDA(アイダ): 最もシンプルなモデルです。Memoryがないため、その場で購入が決まりやすく、100円ショップの商品や、期間限定の安売りセールなどの設計に向いています。
AIDCA(アイドカ): Memoryの代わりに「Conviction(確信)」が入ります。ダイレクトメールや通販番組など、一つのコンテンツで「絶対これだ!」と思わせる必要があるモデルです。
AMTUL(アムツール): 認知(Aware)、記憶(Memory)、試用(Trial)、本格利用(Usage)、忠誠(Loyalty)の略です。サブスクリプションモデルやLTV(顧客生涯価値)を重視する商材において、購入後のファン化までを設計するのに適しています。
インターネット向けのフレームワーク
AISCEAS(アイシーズ): AISASに「Comparison(比較)」と「Examination(検討)」を加えたものです。BtoB商材や家電のように、検索後に徹底的にスペックや価格を比較するユーザーの動きを反映しています。
SIPS(シップス): 共感(Sympathize)、確認(Identify)、参加(Participate)、共有・拡散(Share/Spread)。SNS広告やインフルエンサーマーケティングにおいて、情報の「広がり」を重視する際に使われます。
DECAX(デカックス): 発見(Discovery)、関係(Engage)、確認(Check)、行動(Action)、体験共有(Experience)。消費者が自ら情報を「発見」するコンテンツマーケティング時代に即した、電通提唱のモデルです。
Sales Crowd・Sales PlatformでAIDMAに基づいた営業活動を効率化

AIDMAの理論を理解しても、それを手作業で管理し、実行し続けるのは至難の業です。特にBtoBマーケティングや営業活動においては、フェーズを一つずつ着実に進めるための仕組みが不可欠です。ここでは、AIDMAの各フェーズを強力に支援する2つのツールをご紹介します。
Sales Crowd
Sales Crowdは、1,000万件以上の企業データベースを標準搭載したSaaS型営業DX支援ツールです。このツールは、AIDMAのすべてのプロセスを劇的に加速させます。
Attention & Interest: 1,000万件のリストからターゲットを絞り込み、メールや電話、手紙などの多角的なアプローチで即座に認知を獲得します。CTI機能(電話発信)やオートコール機能を活用し、数多くのターゲットに効率よく関心を惹きつけます。
Desire & Memory: 全てのアプローチ履歴が自動録音・可視化されるため、顧客の反応に合わせて最適な追客(Memoryの維持)が可能です。「今は忙しい」という顧客も、システム上で時期を管理して再アプローチできるため、機会損失を防げます。
Action: ターゲット選定からクロージングまでをワンストップで管理でき、属人化を防ぎます。正社員1人を雇用する約半分のコストで、組織的な営業の仕組みを構築できるため、導入15,000社以上の実績を誇ります。
Sales Platform
ツールの提供だけでなく、戦略立案から実行までをトータルでサポートしてほしい企業にはSales Platformが最適です。
戦略的なAIDMA設計: 1,000万件超の法人データベースから、自社が狙うべき「Attention」の対象を自動で抽出します。さらに、専門家が「どのように関心を持たせ、欲求を高めるか」の営業戦略を構築します。
プロによる実行支援: 営業代行(アウトソーシング)とツールを組み合わせることで、リスト作成から最初のアプローチまでをプロが代行。自社の営業担当者は、もっとも「Action」に近い商談のフェーズに集中することができます。
導入企業の新規売上額は平均1,430%UPという驚異的な成果を出しています。10,157社以上の導入事例から蓄積された「AIDMAを回すための勝利の方程式」を活用できるのが最大の強みです。
まとめ|AIDMAの基本を押さえて自社のマーケティング施策に活かそう

AIDMAは100年以上前に生まれたモデルですが、その核心にあるのは「人間の心の移り変わり」です。どれほど技術が進歩し、デバイスがスマホからVRに変わったとしても、人が存在を知り、興味を持ち、欲しいと願い、それを記憶し、最後に行動するという一連の流れがなくなることはありません。
マーケティング施策で成果が出ないとき、それは多くの場合、AIDMAのプロセスのどこかに目詰まりが起きています。
- 認知が足りないのか?
- 興味は引けているが、欲求にまで繋がっていないのか?
- 検討期間中に忘れられているのか?
自社の現状をAIDMAの視点から再点検し、それぞれの段階で適切なメッセージを適切なタイミングで届けることを意識してみてください。同時に、Sales Crowdのような営業支援ツールを活用して活動を仕組み化することで、個人のスキルに頼らない再現性のある成果を生み出すことができます。
AIDMAという強力な羅針盤を使いこなし、顧客の心に寄り添ったマーケティングを展開して、自社のビジネスを次のステージへと押し進めていきましょう。
AIDMAに関するよくある質問
Q1. AIDMAは古いフレームワークですか?
A. 1920年代に提唱された歴史あるモデルですが、現代でも極めて有効です。なぜなら、人間の本質的な心理プロセスを捉えているからです。ただし、現代のデジタル行動を説明するには、AISASなどの他モデルと組み合わせて考えるのが現在のスタンダードです。
Q2. AIDMAはBtoB営業にも使えますか?
A. もちろん可能です。むしろ、BtoBは検討期間が長く「Memory(記憶)」のフェーズが重要になるため、AIDMAの考え方が非常に適しています。ただし、意思決定者が複数いる(稟議がある)ため、フェーズごとに誰の、どのような心理に働きかけるかを綿密に設計する必要があります。
Q3. AIDMAとAISASはどちらを使えばよいですか?
A. 商材や顧客の特性によります。自動車や住宅、BtoB商材のように「じっくり考えて買うもの」はAIDMA。アパレルや日用品、話題のスイーツのように「SNSで見て、検索して、すぐ買うもの」はAISASが適しています。最近は両者の良いところを取って戦略を立てるのが主流です。
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