生成AIの導入が拡大する一方で、情報漏えいといったリスクも顕在化しています。
こうした課題を解決するために、AIガバナンス対策を専門とする企業やツールへのニーズが高まっています。
本記事では、最新ガイドラインに準拠したサービスを中心に、選定のポイントと具体的な支援内容を分かりやすく解説します。
また、AIツールの活用にあたり、「どのサービスを選べばいいかわからない」という方は、AI活用研究所に相談するのもおすすめですので、興味のある方はぜひお問い合わせください。
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AIガバナンス対策を支援する企業・サービス10選
以下では代表的なAIガバナンス対策を叶える、10種類の企業。サービスをご紹介します。
各社の強みと料金イメージを把握し、自社の規模や業界に合うパートナー選定の参考にしてください。
IBM Watson Governance Suite

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | 約1,600,000円〜 / 年(参考) |
初期費用 | 要問い合わせ |
運営会社 | 日本アイ・ビー・エム株式会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.ibm.com/jp-ja/watsonx |
IBMはWatson x.governanceを中心に、モデル登録から説明可能性レポートまでを自動生成します。
EU AI Actで求められるリスク分類や監査ログの出力にも柔軟に対応しており、これにより各種法規制の遵守を強力にサポートします。
特に、厳格な規制が求められる金融・医療分野において豊富な導入実績を持ち、高い信頼性が評価されています。
また、オンプレミスとクラウドのハイブリッド構成を柔軟に選択できるため、既存のレガシー環境を維持しつつAIガバナンスソリューションを導入できる点も大きな強みです。
これにより、多様な業界や業種、規模の企業が、自社のシステム環境やユースケースに応じて最適な活用が可能となっています。
口コミ |
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「強力なデータ品質制御とガバナンス機能を備えた優れたプラットフォームで、AIリスク管理と透明性を高められます。」|TrustRadius |
「非常に優れたAIガバナンスツールで、アクセスや監視が容易。AI資産保護にも貢献してくれるため安心して使えます。」|AWS Marketplace |
>> Watson Governance Suiteを見てみる
Microsoft Responsible AI Standard & Azure AI Content Safety

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | 入力0.24円〜 / 1000トークン |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | 日本マイクロソフト株式会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/content-safety |
Microsoftは、Responsible AI Standardをベースにした実装テンプレートと、Azure AI Content Safety APIを提供しています。
Azure AI Content Safety APIは、テキストや画像などの生成AIモデル出力をリアルタイムで解析し、暴力、憎悪、性的、自傷などの有害コンテンツを複数の重大度レベルでスコア化します。
このスコアはダッシュボードやAPI経由で可視化でき、しきい値を超える場合はポリシー違反コンテンツとして即時遮断が可能です。また、カスタムの危険パターン定義や多言語・多カテゴリのサポートも特徴です。
Microsoft 365で培った権限管理をそのまま継承できるため、社内統制コストを抑えられます。
このような仕組みを活用することで、Microsoft環境のお客様は最新AIサービスを活用しながらも、リスク低減や各種法令対応を見据えた強固な統治体制を容易に導入できます。
口コミ |
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「Azure AI Content Safetyはプロンプトシールドや不適切なコンテンツ検出機能などを備え、GANなど生成AIのリスク制御に有効で安心感があります。」|Medium |
「高度なAIアルゴリズムによってリアルタイムでテキスト・画像・動画の不適切コンテンツを検出し、多言語対応も含めてグローバル運用に耐えうる精度です。」|CloudThat |
>> Azure AI Content Safetyを見てみる
Google Cloud AI Governance Toolkit

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | モニタリング0.8円 / 予測1000件 |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | グーグル合同会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://cloud.google.com/vertex-ai |
Google CloudはVertex AI Model MonitoringとAI Explanationsで、バイアス・性能劣化を継続監視します。
2025年版ツールキットには、EU AI Act リスク評価テンプレートが追加され迅速なコンプライアンス対応が可能になりました。
さらに、BigQueryやLookerなどGoogle Cloudエコシステムの分析基盤と連携することで、AIモデルとビジネスデータを一元的に分析可能。ダッシュボードを統合し、多数のモデルやリスク状況をまとめて可視化できるため、経営層や現場が同じ情報基盤のもとでAIガバナンスを効率的に実践できます。
このような包括的な監視・説明性・分析連携の仕組みが、多様な業種や規模の企業にとってGoogle Cloudの強力な差別化要素となっています。
口コミ |
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「公平性、透明性、安全性、説明可能性などをAI設計に組み込むための体系的なツール群で、モデルの信頼性設計がしやすくなりました。」|Medium |
「Explainable AIやModel Cardsなどのガバナンスリソースが整備されており、AIマネジメントの構造化と監査性の担保に強みがあります。」|Google公式ブログ |
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PwC Japan AI Governance Advisory

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | 要問い合わせ |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | PwCコンサルティング合同会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.pwc.com/jp/ja/services/consulting/analytics/responsible-ai.html |
PwCはリスクアセスメント、ガイドライン策定、内部統制監査をワンストップで支援します。
AI導入に際しては、初期段階から運用フェーズまで一貫してリスクを洗い出し、業界や法規制ごとに最適なガバナンス構築を支援します。
特に、グローバル対応として注目されるISO 42001(AIマネジメントシステム規格)の最新認証取得に関するアドバイザリーサービスも展開しており、国際市場での信頼性確保やコンプライアンス強化を目指す多国籍企業や外資系企業に高い支持を得ています。
成果物は経営層向けレポートと現場向け手順書の二層構成で、全社浸透を後押しします。
このようにPwCは、グローバル要件への柔軟な対応と、実効性の高い組織ガバナンス策定支援を強みとして、多様な企業のAI活用を全方位からサポートしています。
口コミ |
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「分散型のAIリスク管理モデルでも、ギャップ分析を通じ最も弱い部分を補強するフレームワークとして実用性が高い。」|PwC |
「AI関連の法務支援(技術・法令を横断する包括的支援)により、企業のAI導入における合意形成とリスクコントロールが効率化されています。」|PwC |
Deloitte AI Institute Japan

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | 要問い合わせ |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | デロイトトーマツコンサルティング合同会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.deloitte.com/jp/ja/services/consulting/collections/ai-institute.html |
DeloitteはAI Instituteを通じ、XAIツールと倫理フレームワークを組み合わせたコンサルを提供しています。
金融庁や経産省の有識者会合参加実績を持ち、規制当局との対話力が評価されています。
また、学習データのデューデリジェンス支援を通じて、サプライチェーン全体のリスク低減もサポート。技術・倫理・法規制の三位一体の支援で、企業のAI活用における信頼性強化を後押ししています。
口コミ |
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「業界トップクラスの知見を結集し、企業のAI導入にまつわる実践的リサーチと戦略支援が可能な体制を構築しています。」|Deloitte |
「DeloitteとEYがAIを通じた財務・監査領域のデータ分析プラットフォームを導入し、不正検出や異常値検知などに活用して成果を挙げています。」|Linkedin |
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NTTデータ 「tsuzumi」AI Governance Platform

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | 月額550,000円〜 |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | 株式会社NTTデータ |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.rd.ntt/research/LLM_tsuzumi.html |
tsuzumi AI Governanceは、モデルの使用履歴とプロンプトログを暗号化して保管し、改ざん検知を実装します。
NTTデータの閉域網と連携することで、インターネットを経由せずに生成AIを運用可能となり、機密性の高い業務データも安心して利活用できる点が特長です。
国内金融機関でのPoC実績が多く、FISC基準に準拠したセキュリティ評価を取得しています。
これにより、高度なセキュリティ要求や規制対応が求められる金融をはじめとする業界において、信頼性の高いAIガバナンスを実現しています。
口コミ |
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「商用正式化後、500件超の企業・自治体から関心があり、軽量ながら高精度な日本語処理能力で評価されています。」|NTT Technical Review |
「業界アダプタによる効率的なチューニングにより、Azure上で柔軟かつ迅速に導入でき、コストを抑えながら運用可能です。」|NTT Global |
>> tsuzumi AI Governanceに問い合わせる
NEC Generative AI Governance Framework

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | 要問い合わせ |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | 日本電気株式会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://jpn.nec.com/LLM/index.html |
NECはcotomi LLMと連動したガバナンスフレームワークを提供し、モデル精度・バイアス・説明性を自動評価します。
また、AI倫理委員会の設置支援や、従業員向けの教育コンテンツも包括的に用意しており、組織全体でのAIリスク意識の向上や倫理的行動の定着を後押しします。
さらに、NECは自治体や公共機関への導入実績が豊富で、各地のローカル条例や独自規制に合わせたAI運用ガイドラインの策定・実装ノウハウを有しています。
これにより、公共分野を中心に、法令順守と組織文化の醸成が両立可能なAI活用を実現しています。
口コミ |
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「人権リスクや透明性を考慮したAIガバナンスを運用し、国内外の法規制にも対応できるフレームワークを確立しています。」|NEC Grobal |
「CDO直下の組織体制とデジタル信頼推進部門により、顧客企業へ最適なジェネレーティブAIソリューションを提供できる体制が整備されています。」|ナスダック |
SoftBank Technology AI Trust Service

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | 月額330,000円〜 |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | SBテクノロジー株式会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.softbanktech.co.jp/ |
SoftBank Technologyはクラウドセキュリティ実装力を活かし、生成AIのAPIゲートウェイにDLPとポリシー制御を付加します。
また、SB Cloudの東京リージョン上ですべての処理を完結させる構成となっているため、生成AI利用時のデータが国内クラウド内に閉じ、日本国外へのデータ移転リスク(データ越境リスク)を最小限に抑えられます。
これにより、日本の個人情報保護や業界ごとの規制要件にもしっかり対応できます。
さらに、生成AIの利用状況やアクセス履歴、ポリシー違反などをダッシュボードでリアルタイムに可視化でき、ガバナンスや内部統制の現状を一目で把握することが可能です。
口コミ |
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「組織内でAIを研究・活用する際に必須となる倫理ガイドラインを早期に整備し、社内外から高く評価されています。」|ソフトバンク |
「感情キャンセリングAIなど先進技術にも取り組みつつ、安全性や従業員保護を考慮したAI開発に注力している。」|BGR |
Credo AI Policy & Risk Platform

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | 428,000円〜 / 年 |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | Credo AI, Inc. |
日本語対応 | なし |
公式ページ | https://www.credo.ai/ |
Credo AIはモデルごとにリスクスコアを算出し、EU AI Act分類やNIST RMFへのマッピングを自動化します。
また、SaaS型で展開されているため導入が容易であり、企業規模やシステム環境にかかわらずスピーディな展開が可能です。
タスク管理面ではSlackやJiraとも連携しており、リスク評価に基づく是正タスクの自動発行や進捗追跡がシームレスに行えます。
海外拠点を持つ日本企業がグローバル基準を満たす際に好相性です。
コンプライアンスや説明責任が求められる現代において、Credo AIはグローバルAIガバナンス基盤の中核となり得るソリューションと言えます。
口コミ |
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「信頼性あるガバナンスフレームワークの一例として紹介されており、企業のAIリスク管理を一元化するプラットフォームとして認識されています。」|WORLD ECONOMIC FORUM |
Holistic AI Compliance Engine

項目 | 内容 |
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プラン / 料金 | 640,000円〜 / 年 |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | Holistic AI Ltd. |
日本語対応 | なし |
公式ページ | https://holisticai.com/ |
Holistic AIは英国発のプラットフォームで、100超の規制フレームワークに基づいた自動監査レポートを生成します。
特にバイアス検出モジュールは36種類の統計指標に対応しており、人材採用AIなどの公平性評価において高い信頼性を発揮します。
また、システム連携面ではAPI経由でAIモデルのログや出力データを送付するだけで評価・レポート作成が可能なため、開発・運用サイクルを止めずに効率よくガバナンス体制を導入・継続できます。
これにより、国際展開する企業や人材領域でのAI活用を推進する組織にも適した、高度で実用的なAIリスク管理基盤を提供しています。
口コミ |
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「Holistic AI は 企業向けに特化した効率的なガバナンスプラットフォームで、AIシステムのリスク管理やコンプライアンス監査に適している。」|AI Chief |
「AI技術と既存システムの統合に対応でき、コンプライアンス管理を自動化することで組織の負担を軽減する支援ツールとして非常に優れている。」|AI Chief |
AIガバナンス対策企業を選ぶ評価ポイント5つ
規制対応と法的知見
最新のEU AI ActやISO 42001への適合支援実績を持っているかを確認します。
専門弁護士や政策アドバイザーがチームにいる企業は法改正対応が早い傾向にあります。
契約時に「規制アップデート通知」を盛り込めるかも重要です。
技術的セキュリティ対策の実装力
APIゲートウェイ、暗号化、DLPなどを実装できるエンジニアリング力があるかを見極めましょう。
クラウドとオンプレ双方の導入実績が豊富なベンダーは、既存システムとの整合が取りやすいです。
モデル説明可能性(XAI)へのアプローチ
SHAPやLIMEなどの手法だけでなく、テキスト生成AI向けの新しいXAI研究を取り入れているかがポイントです。
説明レポートを経営層向けと開発者向けで出し分けられると評価が高まります。
データプライバシーとガバナンスプロセス
個人情報保護法やGDPRに則ったデータ削除・匿名化手順を用意しているかを確認します。
ワークフローに承認ステップが組み込まれているかもチェックしましょう。
導入後の運用サポートと柔軟性
定期監査やトレーニングを提供し、社内人材のスキルアップを支援してくれるパートナーが望ましいです。
追加モジュールやAPI連携を後付けできる拡張性も長期運用では重要です。
AIガバナンス対策企業・サービスに関するよくある質問
中小企業でも導入可能な費用感は?
クラウド型ツールなら月額数十万円から導入でき、コンサルは100万円前後のスポット支援も存在します。
海外基準への対応は必要?
将来的な取引や出資を想定するなら、初期段階からEU AI ActやISO 42001を意識した仕組みづくりが安全です。
社内リソースが不足している場合の進め方は?
まずPoC規模でリスク評価を外部委託し、社内担当者にナレッジ移転する方式が実践的です。
AIを活用する企業が急増する一方、ガバナンスを後回しにすると大きなリスクを抱えかねませんので、自社の規模・業界に最適なパートナーを選定して、安全かつ持続的なAI活用を実現しましょう。