海外製の生成AIが話題を集める一方で、日本企業が提供する国産の生成AIは“日本語の強さ”と“国内ガバナンス適合”という現場価値で急速に採用が進んでいます。
本記事では、代表的な日本企業10社の主力プロダクトと導入の要点をわかりやすく整理しました。
さらに、日本企業の活用トレンドや国産を選ぶメリット、選定チェックリストまで一気に把握できます。
全社導入の前提条件となるセキュリティやサポートの観点も盛り込み、失敗しにくい比較軸を提示します。
実際にどの生成AIサービスを使うべきかお悩みの方の中には、専門家に聞いて精度の高い情報を得たいという方もいらっしゃるでしょう。
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国産生成AIを提供する日本企業10選
NTTデータ — tsuzumi

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 従量課金方式 |
初期費用 | 要問い合わせ |
運営会社 | 株式会社 NTTデータグループ |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.rd.ntt/research/LLM_tsuzumi.html |
NTTデータの「tsuzumi」は軽量モデルからエンタープライズまで幅広いラインナップで、日本語ドメインに最適化された出力品質が強みです。
RAGやエージェント機能を含むフレームワークが用意され、CRMや文書管理との連携が短期間で進みます。
公共・金融で培ったガバナンス知見をテンプレ化しており、監査ログや閉域構成などの要件にも対応しやすいです。
社内教育プログラムやPoCパッケージも整備され、現場定着を見据えた“導入〜運用”を一気通貫で支援します。
国内データセンターやオンプレ展開の選択肢があり、データ持ち出し制約の厳しい企業でも導入しやすいです。
口コミ |
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「多くの導入企業で「自然で正確な日本語による要約・分類・対話処理が可能」と評価され、業務自動化と社内ナレッジ活用の促進に高い実用性ありとされています。」|引用元:ビジネス講座見つけ隊 |
「コンタクトセンターのオペレーター支援として、蓄積されたナレッジからリアルタイムに応答候補を提示することで、応対品質の向上と稼働時間削減に貢献しています。」|引用元:NTT |
NEC — NEC Generative AI Platform

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 要問い合わせ |
初期費用 | 要問い合わせ |
運営会社 | 日本電気株式会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://jpn.nec.com/LLM/index.html |
NECは日本語最適化LLMと評価基盤、セキュア実行環境を統合したプラットフォームを提供します。
社内用語や社規を反映した回答評価を数値化でき、運用後の品質劣化を早期検知できます。
金融・公共領域のセキュリティ要件に強く、ISMSやアクセス制御の標準実装が充実しています。
RAG、要約、翻訳、検索の業務テンプレートが豊富で、短期のPoCから本番移行までの移行路線が明確です。
日本語サポートとパートナー網が厚く、保守・アップデート体制も安心です。
口コミ |
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「社内利用により、資料作成時間が50%削減、議事録作成が平均30分から約5分に短縮、ソースコード作成工数も80%削減という導入成果が報告されています。」|引用元:引用元:Alsmiley |
「高い日本語理解能力と軽量モデル設計により、標準GPUサーバーで短期間に業務特化型LLMの構築が可能であり、顧客から高評価を得ています。」|引用元:Alsmiley |
富士通 — Fujitsu Uvance Generative AI

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 品名ごとに個別見積か定額課金 詳細は要問い合わせ |
初期費用 | 要問い合わせ |
運営会社 | 富士通株式会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.fujitsu.com/jp/innovation/data-driven/capabilities/generative-ai/ |
富士通は業務BPRとセットでの導入に強く、基幹/情報系を跨いだワークフロー最適化を前提に設計されます。
Azureや自社技術を活用したハイブリッド構成に対応し、既存IT資産を活かしながら段階導入が可能です。
個人情報の匿名化やログ監査を含むガバナンス設計が定評で、内部統制の観点からも採用しやすいです。
テンプレ化されたユースケース群により、PoC立ち上げから評価までのリードタイムが短縮されます。
多言語サポートも整い、グローバル展開を見据えたスケールが可能です。
口コミ |
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「ノーコード/AutoML により、データサイエンティスト不要でAIモデル構築が可能とされ、ビジネス課題への導入のしやすさが評価されています。」|引用元:ミーツモア |
「PoC や短期試用にも適した設計で、対話型チャット、RAG、Flow 設定など必要機能がひと通り揃っていて導入が迅速とされています。」|引用元:富士通 |
>> Fujitsu Generative AI を見てみる
Preferred Networks — PFN Japanese LLM

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 無料デモあり |
初期費用 | 要問い合わせ |
運営会社 | 株式会社 Preferred Networks |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://plamo.preferredai.jp/ |
PFNは日本語中心の研究開発で知られ、技術文書やコード補完など専門ドメインに強いモデル群を提供します。
オンプレやエッジでの高速推論に注力しており、工場・現場系のユースケースでも低遅延で運用できます。
少量学習でドメイン特化の精度を高めるノウハウが豊富で、業界特化の適用に適しています。
研究成果の公開が活発で、透明性の高い改善サイクルを回しやすいのも特徴です。
評価・監視まで含めた実運用支援も提供し、長期運用の品質維持を支えます。
口コミ |
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「金融分野向けのベンチマーク評価において、PLaMo‑100B が高度な精度を示し、supervised finetuning によってさらに性能が向上していると報告されています。」|引用元:Preferred Networks Blog |
「PFNの別技術記事でも、PLaMo‑13B が日本語・英語混載ベンチマークで世界トップ水準の性能とされ、高評価を得ています。」|引用元:Preferred Networks Blog |
ELYZA — ELYZA LLM & Summarizer

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 無料デモあり |
初期費用 | 要問い合わせ |
運営会社 | ELYZA 株式会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://elyza.ai/lp/elyza-llm |
ELYZAはニュース要約や議事録要約など日本語の要約分野に強みを持ち、即戦力のユースケースが多いです。
学術・公共データを活用した評価で安定した精度を示し、読みやすさと事実性の両立を目指した設計です。
APIとSaaSの両形態が用意され、既存ワークフローに組み込みやすい点が現場で評価されています。
固有名詞や長文処理への耐性が高く、社内文書の検索・要約の生産性を大きく引き上げます。
国内支援体制があり、ナレッジ移転やプロンプト運用の型化を支援してくれます。
口コミ |
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「note による試用報告では、「現時点の日本語LLMとしては最高レベルの性能」という高評価があり、7Bモデルでも十分高品質としています。」|引用元:note |
「ELYZA独自の追加学習メソッドにより、「Llama‑3 への日本語事前/事後学習により高性能な日本語モデルを継続的に開発している」と技術的に評価されています。」|引用元:note |
rinna — rinna Japanese

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 9,600 円 / 月 |
初期費用 | 0円 |
運営会社 | rinna株式会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://rinna.co.jp/ |
rinnaは会話特化の日本語モデルで、キャラクター性や文体コントロールに強い生成が可能です。
SNSオペレーションや顧客対応ボットで“自然で崩れない口調”を実現し、離脱率低減に寄与します。
音声合成や感情表現との連携も視野に入っており、対話体験の設計幅が広い点が魅力です。
学習・安全性ポリシーを公開し、倫理的リスクを低減する仕組みづくりを支援します。
軽量モデルの提供もあり、コスト制約のある現場でも導入しやすいです。
口コミ |
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「note や Zenn による試用レポートでは、rinna/japanese-gpt-neox‑3.6B が日本語特化型LLMとして使いやすく評価されており、非エンジニアにも扱いやすいとの声があります。」|引用元:Zenn |
「13B モデルの推論体験では、「ちゃんと日本語の意味を理解している」「応答が自然で実用的」との評価があり、日本語LLMとして実用性が高いとされます。」|引用元:note |
ABEJA — ABEJA Insight for Retail

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 月額 16,000円(カメラ1台あたり) |
初期費用 | 別途、施工費や初期設定費が必要(実費) |
運営会社 | 株式会社ABEJA |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.abejainc.com/insight-retail-main |
ABEJAは小売・ECの現場データに強く、商品説明生成やFAQ自動応答、需要予測といった実務直結の用途を得意とします。
自社のデータパイプライン基盤とRAGを組み合わせ、在庫・顧客・FAQのデータ活用を自動化できます。
ダッシュボードでKPIを可視化し、運用の歩留まり改善を定例的にレビューする体制が整っています。
API連携や既存MA/CRMとの接続も柔軟で、既存システムを置き換えずに価値を出せます。
伴走型の導入支援により、現場への定着まで責任を持ってサポートします。
口コミ |
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「データに基づきどこに課題があるかがひと目で分かるダッシュボード機能とコンサルティングメールが非常に業務の強い味方になってくれた。」|引用元:ITreview |
「ABEJA Insight for Retailを活用した新サービス開発において、開発期間が『1/4 に短縮され、テストマーケティングのコンバージョン率が30%超』に達したという圧倒的成果を生んだ。」|引用元:CS Harmony |
>> ABEJA Insight for Retailを見てみる
BrainPad — Rtoaster GenAI

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 無料トライアルあり |
初期費用 | 要問い合わせ |
運営会社 | 株式会社 ブレインパッド |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.brainpad.co.jp/rtoaster/genai/ |
BrainPadはマーケ・アナリティクスのコンサル力を生かし、生成AIを広告運用やCRMに密接に組み込むのが得意です。
コピー生成→A/Bテスト→レポーティングの自動化パイプラインを構築し、CPA改善の実績が豊富です。
RAGによる社内FAQの正答率向上や、営業向け提案文の自動生成など業務横断の適用事例が増えています。
ダッシュボード化により経営層への“見える化”を重視し、投資判断を支援します。
研修・内製化支援もセット化され、チームの自走を後押しします。
口コミ |
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「500件以上の記事を学習したLLM搭載チャットボットを自社オウンドメディアに実装し、情報検索や要約紹介が瞬時にできるようになるなど、新しい情報体験を提供しています。」|引用元:ブレインパッド |
「Google Cloudと共に企業DX立ち上げに取り組む中で、生成AI時代における社会実装のヒントを共有するなど、LLM導入をビジネス視点で推進している姿勢が評価されています。」|引用元:ブレインパッド |
さくらインターネット — Sakura AI LLM & API

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 要問い合わせ |
初期費用 | 要問い合わせ |
運営会社 | さくらインターネット株式会社 |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.sakura.ad.jp/aipf/ |
さくらは国内データセンターを活用した低レイテンシ環境で、APIや推論基盤を提供します。
法規制や個人情報保護の国内要件に適合しやすく、データ主権の観点で安心感があります。
クラウド/専有/ハイブリッドの構成を柔軟に選べ、段階導入やコスト最適化がしやすいです。
ログ保管やアクセス制御など運用に必要な管理機能も取り揃え、監査対応を支援します。
パートナーとの連携により、導入から運用まで一気通貫の支援が受けられます。
口コミ |
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「低コストでの生成AI開発環境構築を目指す姿勢が高く評価されており、特に GPU クラウド基盤との連携力が注目されています。」|引用元:FIXSTARS |
「高い技術透明性と迅速なトラブル対応体制が企業から信頼されているとの報告もあります。」|引用元:さくらインターネット |
ソフトバンク — Generative AI

項目 | 内容 |
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プラン/料金 | 要問い合わせ(個別見積もり) |
初期費用 | 要問い合わせ |
運営会社 | 株式会社ソフトバンク |
日本語対応 | あり |
公式ページ | https://www.softbank.jp/biz/solutions/generative-ai/ |
ソフトバンクは通信・クラウド・アプリ開発を束ね、企業向けに生成AIを高速展開する体制を整えています。
モバイル回線や5Gエッジと連携した低遅延の生成体験を設計でき、現場オペレーションの自動化に強みがあります。
海外LLMと国産LLMのハイブリッド構成にも対応し、コストと精度を両立させた設計が可能です。
運用では監視・コスト最適化レポートを提供し、継続的な改善サイクルを標準化します。
大規模導入のPM体制が厚く、スピード感のあるロールアウトを支援します。
口コミ |
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「生成AIチャットを全社約2万人に展開し、社内の資料作成・翻訳・企画アイデア出しが数分単位でできるようになり、現場の生産性が格段に向上した。」|引用元:ニューラルオプト |
「自然言語で使え、専門知識やプログラミング不要で現場活用が容易。現場担当者からの活用アイデアも活発に出ており、現場との親和性が非常に高い。」|引用元:Web担当者Forum |
日本企業における生成AI活用率と最新トレンド
2025年時点での導入率調査結果
国内ではPoC経験企業が増加し、実運用への移行が加速しています。
部門単位の導入から全社展開へスケールする企業が増え、統制とROIの両立がテーマになっています。
チャット型アシスタントだけでなく、文書要約、翻訳、検索連携の“業務組み込み型”が主流化しました。
費用管理では従量課金の最適化が課題となり、プロンプト設計やキャッシュ戦略が重視されています。
国産LLM採用の比率も上昇し、データ主権や日本語品質を理由とするケースが多いです。
業界別(製造・金融・小売・公共)採用の広がり
製造は設計書・手順書の検索要約と現場点検の支援が進み、業務の停滞時間が短縮されています。
金融はガバナンス下での文書要約・FAQ自動化が中心で、監査対応の仕組み化が進みました。
小売は商品説明生成と需要予測、顧客対応ボットの組み合わせで売上と業務効率の両立を狙います。
公共は問い合わせ対応や文書作成の補助で、職員の事務負荷を軽減しています。
共通してRAGの活用が鍵となり、社内文書を安全に活かす設計が普及しています。
生成AI×RAGで進む自社データ活用事例
社内規程・手順書・FAQをベクトル化し、自然文で検索→要約できる社内ポータルが増えています。
営業では見積・提案のたたき台を自動生成し、属人化の解消とスピード向上に寄与します。
コールセンターは対話履歴から要点抽出とナレッジ補充を自動化し、応答品質を均一化しています。
バックオフィスでは請求書や議事録の処理自動化と連携し、記録の整合性向上に効果を上げています。
これらはLLMOpsの監視と合わせて継続改善し、精度とコストのバランスを最適化しています。
国産生成AIを選ぶメリット ― 海外ツールとの違い
日本語ネイティブ最適化による高精度生成
国産モデルは固有名詞や文脈の微妙な違いを捉えやすく、誤訳や不自然さが少ない出力が得られます。
長文の敬語表現や社内語も扱いやすく、現場でそのまま使えるテキスト品質に寄与します。
対話シナリオの自然さが向上し、顧客対応ボットのCX改善に直結します。
教育データや評価指標も日本語前提で設計されるため、継続改善がスムーズです。
結果として、編集・手戻り工数の削減につながります。
国内データセンター運用でのセキュリティ優位性
国内リージョンやオンプレ構成を選べるため、データ持ち出し制約が強い業界でも導入可能です。
監査ログ、アクセス制御、暗号化要件などを国内基準で満たしやすい点が評価されています。
法務・監査部門との連携が取りやすく、審査のスピードが上がります。
トラブル時の復旧や報告も国内窓口で迅速に行えます。
内部統制の証跡作りも進めやすくなります。
法規制・個人情報保護法への対応容易さ
国内法の解釈に基づく運用設計を提案してもらえ、運用ルールを標準化しやすいです。
最新のガイドライン動向を反映したテンプレートを活用し、導入スピードを落としません。
データ匿名化やマスキングの運用も国内基準で整備できます。
コンプライアンス文書の日本語対応により、現場への周知も円滑です。
結果として、リスクとスピードの両立が図れます。
サポート・契約交渉を日本語で一括対応
要件定義、SLA、障害対応、変更管理など、重要ドキュメントを日本語で正確に詰められます。
仕様の齟齬を減らし、開発・運用の手戻りを抑制します。
導入後のアップデートやエスカレーションもスムーズです。
現場向けの教育・FAQも日本語で提供され、定着が早まります。
意思疎通コストの低減が、総コスト削減に直結します。
国産生成AI選定チェックリスト
モデル性能(日本語BLEU/ROUGEスコア)
公開ベンチだけでなく、自社コーパスでの精度検証を実施しましょう。
業務に近い評価セットを作り、改善の余地を把握します。
長文・固有名詞・敬語など実務で重要な観点を含めます。
更新頻度と改善計画の開示も確認しましょう。
API・オンプレ対応範囲
SaaS、VPC、オンプレの選択肢と切り替えの容易さを確認します。
推論エンドポイントのSLAやスケーリング要件も重要です。
ベクトルDB、監視、ログ基盤との親和性を見ます。
ネットワーク要件や認証方式も事前に詰めましょう。
将来の構成変更に耐えられるかが鍵です。
料金体系と従量課金モデル
トークン単価だけでなく、監視・ストレージ・ネットワークなどの周辺コストも算入します。
ボリュームディスカウントや長期契約の条件を比較します。
ピーク時のコスト上振れ対策としてキャッシュ戦略を検討します。
費用と品質のトレードオフを可視化し、KPIと連動させましょう。
総保有コストで評価するのが重要です。
導入支援・PoCサポートの有無
ユースケースのテンプレ、成功事例、教育プログラムの充実度を確認します。
PoCから本番への移行計画が明示されているかが成否を分けます。
伴走体制や障害時のエスカレーションも事前合意が必要です。
社内人材の育成メニューがあると定着が進みます。
セキュリティ認証(ISO27001/ISMAP等)
取得状況と監査レポートの提供可否を確認します。
暗号化、鍵管理、アクセス制御、ログ保管期間などを比較します。
その他、データ所在と越境移転の方針も明確化しましょう。
脆弱性診断やペンテストの実績も重要ですが、規制業界の適合実績があれば安心です。