新規開拓営業には戦略が重要、仕組みや手法を知れば成果が上がる

成功する新規開拓営業

新規開拓を理解する上で必要な情報は?

まず新規開拓には様々な方法があります。一般的に新規開拓というと飛び込み営業やテレアポのイメージがありますが、もっと効率よく効果的な手法もあります。新規開拓は事業の継続的成長のためになくてはならない仕事です。具体的な営業手法やコツ、そして何よりもその重要性を理解して、新規開拓営業を成功させましょう。

新規開拓とは

ビジネスの用語として「1:5の法則」といわれるものがあります。新規開拓には既存顧客との関係維持の5倍のコストがかかるという意味です。たとえ5倍の予算と労力がかかっても新規開拓を続けなくてはならないのは、新規開拓が企業の生命線ともいえる業務だからです。

2019年12月日本政策金融公庫「2020年の中小企業の景況実通し」では、経営基盤の強化に向けて注力するべき分野は何かという質問に対し「営業・販売力の強化」という回答が66.3%を占めました。中小企業の経営者たちが口をそろえて強化したいと言う営業・販売力こそ、まさに新規開拓に他なりません。

現在の目まぐるしく変化する産業界において、既存の取引からの利益だけに依存するのは大変なリスクです。新規開拓に力を入れ、常に状況の変化に対応できるようにしなくてはなりません。また新規開拓営業の現場からは、新しいニーズを掘り起こすチャンスが生まれます。現状を維持するだけでなく、新規開拓は事業をさらに飛躍させることができるのです。

新規開拓の方法

新規顧客の開拓によって事業を成功に導くには、まずは営業手法について理解しなくてはなりません。効果的な営業手法は、自社の置かれた状況やターゲットによって変わります。そのため、いざ新規開拓を行う際には、より多くの営業手法を使えるようにしておくほうが有利です。ここでは具体的な営業手法とその特性についてそれぞれ解説します。

飛び込み営業

飛び込み営業とは事前のアポイントはとらず、企業や店舗などに直接訪問するという営業スタイルです。訪問される側からすると、いきなり来られて営業をかけられるのですから、当然警戒心を抱きやすくなります。そのため飛び込み営業は断られる確率が高くなります。

けれど直接訪問することにより、電話やメールではアプローチできなかった担当者に会えるチャンスが生まれますし、対面で説明することで商品に興味を持ってもらえるかもしれません。思いがけない新規顧客が獲得できるというのが、飛び込み営業の利点なのです。

飛び込み営業のコツは、まずは相手と信頼関係を築くことに注力することです。初回の訪問は次の訪問をとりつけるためのきっかけ作りと心得ましょう。

電話営業

電話営業は、その目的によって2つの種類に分けられます。1つがテレフォンアポイントメント、略してテレアポと呼ばれる手法で、商談のアポイントをとることを目的に未だ取引の無い相手に電話をかけます。移動の手間が無いので飛び込み営業より効率的な手法といえるでしょう。

もう1つ、インサイドセールスと呼ばれる電話営業があり、こちらは見込み客との関係構築が目的になっています。とにかくまず訪問のアポイントをとることを目的としたテレアポとは違い、電話でゆっくりとターゲットの購入意欲を高めていきます。相手側が商品に十分興味を持ったところではじめて本格的な営業をかけるので、成功の確率は高くなります。電話で済む分、実際に何度もターゲットのところに足を運んで関係構築に努めるフィールドセールスより効率がよいとされています。

メール営業

メールを使った営業手法もあります。HP上で公開されているアドレスにメールを送るのですが、そうしたアドレスには常に多くのメールが送られてくるため、見出しや冒頭文に訴求力がないと相手の目に留まらず埋もれてしまいます。

またメール営業を送る際には、特定電子メール法に注意しなくてはなりません。特定電子メール法とは営利目的で送られる広告や宣伝のメールを規制する法律で、受信する側の事前の同意を得ない広告宣伝メールを原則禁止しています。

公式サイト

同じメールを用いて、公式サイトの問い合わせページからアプローチする方法もあります。企業の担当者も問い合わせページにきたメールは新規顧客の獲得チャンスとして捉えているので、しっかりと目を通すでしょう。

ですが特に大企業の場合、問い合わせページからのメールをチェックするのが、こちらが期待している担当者とは限りません。また相手側は見込み客からの問い合わせと思ってメールを開いたのに、実際には営業メールだと分かったとき、心象を悪くするリスクもあります。

新規開拓が得意な人

新規開拓で成果が出せない時、自分は営業に向いていないと思い詰めてしまう人がいます。ですが新規開拓は相手とゼロから信頼関係を築き上げていく、とても難易度の高い営業なのです。商談というスタートラインに立つことすら容易ではありません。100件アプローチしても1件も受注につながらないことも当たり前ですから、すぐに成果が出ないから向いていないと考える必要はありません。

では実際のところ新規開拓に向いているのは、どのような人でしょうか。一言でいうと、新規開拓の営業をポジティブに捉えられる人です。100件アプローチしても受注に至らなかったとき、それでも行動した分だけ成果に近づいていると思える人は新規開拓の適性があります。

優秀な営業パーソンというと、話術に長けたスマートな人物像をイメージしがちです。ですが新規開拓に向いているのは、成長したいという意志の下、泥臭い努力を続けられる打たれ強い人なのです。

新規開拓がうまくいかない理由

新規開拓がうまくいかない理由

新規開拓の成果が出ない理由を、全て営業パーソンのスキル不足のせいだと考えていないでしょうか。もちろん現場のメンバーのスキルアップも大切ですが、もしその前段階でつまずいているとしたら、どれだけ個人の営業力を上げたところで効果を発揮することはできません。ここでは組織としての戦略的な問題点について解説します。

戦略を考えていない

そもそもの営業戦略を考えていないという会社は意外と多く存在します。というのも、経営陣が目標達成のための3つの段階、ゴール・戦略・戦術について正しく理解していないためです。新規顧客の50社獲得というゴールがあるとすれば、そのゴールを目指すための戦略をたてなくてはなりません。例えば飲食業界をターゲットにするなどが戦略にあたります。現場のメンバーは戦略に合わせて営業トークなど戦術を練るのです。まず正しい戦略があって次に戦術となるのですが、経営陣がこれらを混同してしまうと、結局のところ全て現場任せになってしまいます。

ターゲットを考えていない

ターゲットを明確化し、全員が共通認識を持つことも重要です。例えば漠然とサービス業界全般をターゲットと決めて動き始めたとします。すると個々のメンバーがサービス業界の中でも自分がアプローチしやすかったり、大きな受注が狙えそうなところを勝手に判断して営業をかけることになります。これは非常に非効率的です。新規開拓であっても、成功確率が高く確実な売上が見込めそうな層をトップの判断で見極め、そこに対して戦略的にアプローチをするべきなのです。そのためにはサービス業界の中でも今期はホテル業界に注力するといった明確な方針が必要です。

アプローチ方法を間違えている

営業パーソンはそれぞれに得意なアプローチのスタイルがあります。じっくり時間をかけて一人の顧客と信頼関係を築くのが得意な人もいれば、短時間で多くのターゲットに営業をかけることができる人もいるでしょう。トップの人間はメンバーの特性を理解し、個々のターゲットに適した営業パーソンを配置しなくてはなりません。継続的な取引が見込めない小口の顧客に、じっくりタイプの営業パーソンを配置するのは合理的ではありません。もちろん個々のメンバーも顧客に対して間違ったアプローチを行わないよう、柔軟に営業手法を変化させることが大切です。

新規開拓を成功させるコツ

ここまで説明してきたように、新規開拓を成功させるためには個人のパフォーマンスよりも、組織的な戦略や仕組み作りが重要となってきます。それでは具体的にどのような施策が必要なのでしょか。大まかに分けて以下の3つのポイントを抑えることで、新規開拓営業の成果を出すことが期待できます。

営業の戦略

先述のとおり、営業には何よりも戦略が欠かせません。ゴールを設定し、そこに至るまでの道筋を明確にして全員の共通認識とすることが大切です。道筋を決めるためには、まずは自分たちの会社の立ち位置を知る必要があります。会社の特性を理解するには「SWOT分析」、競合他社や顧客も含めた分析には「3C分析」、経済や社会全体の状況を把握するには「PEST分析」を行います。これらの分析から導き出された自社の立ち位置がスタート地点になります。

スタート地点が決まれば、次はゴールまでの間に道しるべを置いていきます。新規顧客50社獲得という遠くのゴールに至るまでには、見込み客が100社、その見込み客を得るためにはアプローチ1000件といった中間的な目標が必要です。この中長期的目標の具体的な数値をKPIと呼び、営業メンバー全員がしっかりと把握しておかなくてはなりません。

顧客のターゲット

顧客のターゲティングはより具体的に行います。まずは顧客を明確にグループ分けすること。このとき顧客のニーズを軸として分類するようにしましょう。例えばサービス業界の中でもレストランやホテルといった分け方ではなく、「20代の若い層を呼び込みたい」と考えているグループというように分類します。訴求ポイントが明確であれば、どのグループを狙うべきかの判断も容易です。

次にその市場でどのようなポジションをとるかを決定します。顧客のニーズに応えるため、自社は競合他社にはないどんな強みがあるかを整理するのです。若年層に対するブランド力など、市場で価値を発揮するポイントがあれば全面的にアピールします。この方針を全員が共有することが大切です。

顧客の管理

ターゲティングした顧客へのアプローチが始まれば、次に重要になってくるのがそれらの顧客の管理です。それぞれの顧客は「電話で一度アプローチ済み」「担当者と商談済み」「受注見込み」など進捗によってグループ分けができます。そしてそれぞれのグループに、アポがとれない、前向きに検討してもらえないといった課題が見つかるはずです。新規開拓営業ではこうした課題を明確にし、それに対して何をすべきかの対策を考えて、実行に移していくという繰り返しになります。

新規開拓の注意点

新規開拓の注意点

実際に新規の顧客にアプローチするとき、何よりも大切なのは顧客の信頼を得るということです。これまで取引の無かった相手ですから、顧客は営業パーソンのアプローチの仕方から会社そのものを評価します。では会社の顔である営業パーソンは、具体的にどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

相手を不快にさせない

営業には売上目標がつきものです。ですが営業パーソンがその数字にばかり気をとられていると、顧客に不快感を与えてしまう可能性があります。今月あと1件売らなくてはいけないと焦って、顧客が忙しいときに押しかけていたとすると、顧客はどう感じるでしょう。その営業パーソンは自分のことしか考えていないと判断し、そんな人間とは取引をしたくないと思うはずです。新規顧客へのアプローチは、2回目以降の商談につなげることが大事だと心得、相手に次も会って話したいと思われるよう努めるべきです。

顧客体験を向上させる

新規開拓では、常に顧客体験を意識してアプローチすることも大切です。顧客体験とは実際に取引を行う前の最初のアプローチから、契約後までの顧客側の体験の全てを指します。新規開拓はこの顧客体験の重要な入口にあたるのです。顧客が今後も関係を続けたいと思うようなアプローチの仕方は何か、相手の視点に立って考えなくてはなりません。商談後に手書きのお礼状を書くなど、事務的ではない温かな心配りが顧客体験の向上につながります。

適した戦略と仕組み化で効率的で効果的な新規開拓をする

新規開拓においては、個々の営業パーソンが動き出す前の段階として、組織的な戦略が必要です。トップの考えた正しい戦略に基づいて仕組みを作り上げ、その中で営業パーソンがターゲットへの適切なアプローチを行います。この一連のサイクルを回していくためには、何よりもトップの人間から現場メンバーまでが、目標や営業戦略について共有していることが重要です。新規開拓はすぐに成果が出ない苦しい道のりですが、チームが共通認識をもって一丸となることで困難を乗り越えていけるでしょう。

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