オンライン商談で「伝わる」資料の見せ方作り方

【最終更新日:2022年1月3日】

昨今、働き方改革や災害対策などの影響でリモートワークという働き方が急増しており、本来、相手先まで足を運んで商談をしていた営業マンも「オンライン商談」へと切り替えて業務を行うケースが増えています。

ところで最近オンライン商談に切り替えたという皆様は、商談で使用する「資料」の内容は変更済みですか?

例え同じ商材を扱っているとしても、「実際に会う商談」と「オンライン商談」とでは、相手への伝わり方が全く異なってくるので、資料内容を変更する必要があるのです。

今回は、オンライン商談で「伝わる」資料の見せ方や作り方をご紹介します。

オンライン商談用に資料を作り直そう

オンライン商談を行う際、これまで対面用で使用していたものと同じ資料をつかっていたのでは、その商談は上手くいかない可能性があります。対面であれば、身振り手振りを付けながら相手のペースに合わせて説明をすることができますが、オンライン商談では相手のペースを読み取ることが難しいからです。

オンライン商談をするのであれば、オンライン専用の資料をいくつかのポイントを元に作り直してみましょう。

ビジュアルメインで分かりやすく

人間が「同時に2つの事を行う」のは難しい事だと言われています。もし表示された資料が文字でびっしり占領されているようであれば、相手はその資料の内容を読みながら、こちら側が話す説明を同時に聞かなければなりません。

相手にしっかりと内容を把握してもらう為には、資料は「ビジュアルメイン」で分かりやすく作る事を心がけましょう。文章は端的に、一目で理解できる資料が、オンライン商談用には必要なのです。

1スライド1メッセージが基本

相手にプレゼンをする時に、伝えたい事はたくさんあるのでしょうが、それらを全て資料に詰め込んでしまうと「本当に伝えたい部分」が伝わらなくなってしまいます。

「1スライド1メッセージ」もオンライン商談用資料の基本です。補足の部分は自分自身の言葉で説明をしながら、重要なメッセージだけを記載しましょう。その際には、単色ではなく色を変えてみたり、文字の大きさに変化を付けてみたりする事も大切です。

フォントサイズを小さくしすぎない(文字中心の資料はNG)

詳細を全て文字にして資料を作りプレゼンをしても、それは商談中に資料を読み上げているだけにすぎません。

せっかくオンラインで相手と対面しながらプレゼンするのですから、フォントサイズの小さい文字ばかりの資料ではなく、相手の見やすさを考えた大きな文字の資料を作る事をお勧めします。

営業資料に盛り込む要素

現在使用している営業資料は、どのような内容になっているでしょうか。自社の詳細や、新商材についてはもちろん書かれていると思いますが、それだけで終わってはいませんか。

営業資料を作成する際に大切なことは「いかに相手の興味を引くことができるか」です。とても魅力的な商材であっても、自分には関係ないと相手が感じれば興味を持つことはないのです。

相手を引きつける営業資料を作る為に盛り込むべき要素をご紹介します。

商談相手のメリットを盛り込む

まずは商談相手の「メリット」を盛り込むようにしましょう。

例えば、相手に車を売りたいと思っている場合に「金額」や「車の装備」ばかりの資料を見せても、それだけを見て「良いな」と感じる人は少ないでしょう。「燃費が良いのでガソリン代が浮く」や「安全装置がついているので事故を未然に防ぐことができて安心」など、相手がメリットを感じることができる要素を入れることが大切です。

そしてこれらのメリットはプレゼンの最初に盛り込む事で、相手の興味を引き、その後も詳細を積極的に聞いてもらうことができます。

商談相手の信頼を得る情報を盛り込む

初めて会った人から、自分にとって大きなメリットになりそうな商材を見せられても、条件が良ければ良いほど、なんだか怪しいと感じたことはありませんか。どれだけ商材が素晴らしいものであっても、相手からの信用がゼロの状態では契約に結びつけることはできません。

近年、生活の一部となっているネットショップなどは、相手の事を全く知らなくても売買が成立しています。これは、購入者が予めレビュー等を読み「信用できる取引相手なのか」を確認しているからです。

相手の信頼を得る為には、資料に「実績」や「お客様の声」を盛り込みましょう。その際には「1000人以上のお客様が」という表現ではなく、「◯月◯日時点で1233人のお客様が」というような、より具体的な内容を伝えるようにしましょう。

商談相手の共感を得るストーリーを盛り込む

より深く商材のことを知ってもらう為には、それらの機能などの詳細の他に「ストーリー」を盛り込みましょう。このストーリーとは、商材を開発するに至った経緯や、どのような思いが詰まったものなのかなどの「背景」を紹介するということです。

お米や野菜などの農産物も、生産者の「自分の子供たちも食べるものだから、本当に体に良いものだけを作りたいと思った」といったようなきっかけや、「何度も挫折しそうになったけれど、ようやく納得できるトマトができた」などの苦労や経緯の詳細を伝える事で、その野菜の価値を高めることができるのです。それらの野菜は、食べるとより一層美味しいものに感じらますよね。

 

営業資料作成のステップ

営業は「営業マンのトーク」が全てではありません。もちろん、相手の様子を見ながら臨機応変に対応することで契約締結に繋がる事も多くありますが、実は重要なのは「資料」の方なのです。

相手を引きつけることができる営業の資料を作成する時には、幾つかのポイントがあります。実際にどのような事を考えながら作成すべきなのか「作成のステップ」をご紹介します。

ステップ①:ターゲットを明確にする

まず、自分が「ターゲット」とする相手は誰なのでしょうか。なんとなく、自分がプレゼンをする相手だけだと考えがちですが、ターゲットにはその背後にいる「決定権のある人物」も含まれる事を覚えておきましょう。

商談に行き、その日のうちに契約締結することは稀です。なぜならば、大半の人はプレゼンを受けたら一度自社に持ち帰り検討するからです。社内で上司やチームのメンバーなど「決定権のある人物」と検討する際に使用されるのは、その「資料」なのです。

商談の場に居なかった人でも、その資料を見れば商材の魅力が充分に伝わるように作成しておく必要があります。

ステップ②:資料で一番伝えたいことは何かを明確にする

プレゼンの際に伝えたいことはたくさんあるでしょう。しかし、それらを全部伝えてしまうと、大切なところが相手に伝わりづらくなってしまいます。

まずは、資料の中で「一番伝えたいこと」は何なのかを明確にしましょう。この伝えたいことをいかに印象的に相手に伝えるかを考えていけば、メリハリのある分かりやすい資料を作ることができるのです。

また、選ぶメッセージは「相手にとってメリットのある」言葉を使いましょう。例えば「どうしても早めに契約締結したい」と思っている場合「今月中に契約すれば、半年間サポート無料」や「今日なら50%OFF」など、相手側から見て「欲しいな」と思えるメッセージにします。

ステップ③:資料を読む理由を作る

せっかく作った資料も読んでもらえないのならば話になりません。相手は数ある資料の全てに目を通してくれるのでしょうか。商材の詳細が書かれた似たり寄ったりの資料では、相手が「読んでみよう」という気持ちになることはないでしょう。

まず目を通してもらいたいのであれば、「相手が共感してくれそうなストーリー」を作り最初に盛り込みましょう。自分と似たような境遇や内容であれば「読んでみたい」と考えるものです。

ステップ④:商談相手があなたの商品・サービスを使う理由を明確にする

本当は相手にとって大きなメリットを生み出すことができる商材であっても、相手がそのことに気が付かなければ、その魅力に気がつくことはありません。

「相手がこの商材を使うべき理由」を明確に盛り込みましょう。「使う価値がある」と相手が判断してもらえれば、より積極的に話を聞いてくれるでしょう。

ステップ⑤:事例を盛り込む

商材の魅力だけでは契約締結には結びつきません。企業や商材に対する「信頼」を伴わせることが大切なのです。

相手が分かりやすい方法として、「事例」を盛り込むことを忘れないようにしましょう。実際に商材を導入した企業の数だけでなく、その結果として「30%の利益増」「5割のコスト削減に成功した」など、より具体的な事例を掲示しましょう。

ステップ⑥:CTA(Call To Action)を明確にする

相手側が資料を読み、社内で検討した結果「よし、導入しよう」となっても、肝心の「申し込み方法」などが書かれていないというパターンは、たまに聞かれます。

「CTA」と言われる「行動喚起」をしっかり明記しておきましょう。せっかく相手の気持ちが導入に向けて昂っていても、その後どうすれば良いのかが明確でなければ、時間が経つごとに相手の気持ちは萎んでしまいます。

まとめ

営業の基本は「相手側の立場に立って考えること」です。そうすることで、どんな資料を作れば理解して貰えるのか、どんなトークをすれば相手の気持ちを引きつけられるのかが見えてくるものです。

営業は「相手の元に足を運ぶのが営業」という時代から、現在は「離れていながらでも商材の魅力を伝え、相手のニーズに応えるのが営業」の時代が始まったと言っても過言ではありません。

時代の流れに合わせながら柔軟に対応できる営業マンでありたいですね。

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