営業マンの評価基準はどこ?営業の評価基準を徹底解説

【最終更新日:2022年1月3日】

「評価制度」を導入すると、成果主義になり社内の雰囲気が悪くなりそうと考えている方は多いのではないでしょうか。

何をもって良い会社というべきかは、さまざまな考えがあると思いますが、売上を上げていかなければ存続していくことはできません。

実は、評価制度というものは、社員のモチベーションを上げる為だけではなく、企業に大きなメリットもあるのです。

社内の団結力を強め、働きやすくなる評価制度とは、どのようなものなのでしょう。

評価制度があることによる企業側のメリット

社員の評価基準を明確にしていない企業は多いです。社員の頑張る目安を明確にしておかなければ、せっかくの優秀な人材の能力を生かすことはできません。

社員は自分の頑張りの分だけ、会社が評価してくれることを望んでいます。さまざまな人材が働く組織の中では、営業の評価制度は不可欠です。

また、企業側のメリットも大きいのです。

優秀な人材の流出を防ぐことができる

いくら仕事で成果を上げても、成果を挙げていない人と同じ待遇では、納得がいかないのは当然です。

自社が評価してくれなくても、他社が自分を高く評価してくれるのならば、そちらに流れて行ってしまいます。

優秀な人材を留めておくためには「優秀な人材が働きやすい制度」を整えることです。

評価は給料につながり、社員の関心が強い

仕事の成果をいくら言葉だけで「良くやった!」と褒めてもらっても、毎回それだけでは社員は満足ではありません。

仕事の評価は報酬で示すべきです。わかりやすい評価であり、モチベーションも上がります。

評価制度があることで仕事の成果が明確に見えることに社員も強い関心を持っています。

社員は評価されたがっている

人は誰しも頑張ったことに対して、褒められたり、ご褒美をもらえることが大好きです。それは子供だけでなく、大人だって同じこと。

自分は会社からどういう評価をされているのか、会社側から見て良いのか悪いのか、具体的にどうすれば良くなるのかなど、評価があることは社員の仕事の道標にもなるのです。

営業職の3つの評価基準

評価基準を整えたところで、それが社員にとって複雑でわかりにくいものであれば、意味がありません。

大切なポイントは「基準がわかりやすい」ということです。不明確になってしまうと、社員の納得感が低くなってしまいますし、モチベーションも下がってしまいます。営業職の評価基準として大切な3つをご紹介します。

成果

成果は数字に現れやすいので、わかりやすいものです。

しかし、短期的な目の前の成果だけが評価対象ではありません。大きな目標達成のためには長期的成果も重要になってきます。

短期的成果と長期的成果の両方に視点を置き、バランスよく評価することが大切です。

能力

営業職において、顧客のニーズに応えるための幅広い職務の知識力は不可欠なスキルと言えるでしょう。いかなる状況でも最善の判断ができる判断力も必要です。

これらの能力が長けている場合、営業職にとって大きな評価ができるでしょう。

また、部下を指導できる力や、チームが円滑に業務を進めるための協調力も評価の大切なポイントです。

姿勢

結果だけではなく、結果を出すためにどのように取り組んできたのかという姿勢も評価対象です。

綿密に計画する力、それを意欲を持って実行できたか、そして最後まで責任感を持ってやり遂げることができたか等がポイントです。

一見当たり前のことのように感じますが、これらの一連の事をきちんとやれる社員は、優秀な人材と言えるでしょう。

評価基準となる営業実績項目

営業職は仕事に対する姿勢だけでなく、営業実績も重要な評価ポイントになります。

売り上げた金額や件数だけではなく、リピート率、業務の効率化など、全体の流れを見た上での評価も大切です。

幾つかの重要な項目をご紹介しますが、その時の営業戦略などを考慮したものを評価対象にすることをお勧めします。

金額

商談の金額の大きさ、また顧客が大口であったかなどが評価の基準です。

大きな商談を動かすことができるのは、その社員の営業能力の高さに他なりません。

金額は明確でわかりやすい項目なので、評価は比較的やりやすいものです。この評価は社員のモチベーションも上がりやすくなります。

件数

新商材を世間に広めるにあたり、多くの件数が取れたことに対する評価です。

取引の大きさよりも、より広く商材をアピールできたというところがポイントです。

テレアポ、メール営業など、導入時にアポイントが取れた件数等としても評価される項目です。

リピート率

既存の顧客に長期に渡って販売できる能力が評価されます。

アップセル、クロスセルを成功させるには、顧客のニーズを読み取る洞察力や信頼関係を築く能力が必要です。

新規の顧客を獲得することも大切ですが、現状から売上をアップさせる力は優れた能力と言えます。

業務の効率化

売り込むことに長けた能力の社員が大勢いたとしても、その組織の仕組みがスムーズに動けないと、作業効率は大幅にダウンしてしまいます。

業務の効率化は顧客へのサービス向上も期待でき顧客満足度が上るうえ、働く社員の残業時間減少などにも繋がるので、働く意欲も向上させることができます。

全体の流れを読み、問題点を改善できる能力を評価する項目です。

コストダウン・利益率の改善

大きな金額を生み出すことも大切ですが、現在の状態から無駄を削減しコストダウンすることも重要な項目です。大きな企業になる程、少しの効率化でも莫大な利益率に繋がることになります。

目の前の問題だけに固執せずに、様々なアイデアを駆使し実現することができる能力も評価基準に値します。

営業職の能力評価基準の例

能力評価基準を作ることになると、どのようなものになるのでしょうか。

実際に幾つかの例を見てみましょう。細かな評価基準が定められています。

社風や事業計画に合わせ、自社にピッタリの基準で評価する事をお勧めします。

課題設計と計画能力

営業のスタート段階で最も重要なことは「計画する力」です。市場を調査、予測し営業方針を緻密に作り上げることは、成功への大きなカギとなります。

・市場の動きを予測し長期の売上予測をしながら計画をたてることができる
・顧客情報を分析し、営業アプローチの方法を作ることができる
・顧客のニーズや課題を予測できる
・年間、月間など細かな販売予測を組み上げることができる

顧客との関係を構築する能力

営業のスタート段階で最も重要なことは「計画する力」です。市場を調査、予測し営業方針を緻密に作り上げることは、成功への大きなカギとなります。

・市場の動きを予測し長期の売上予測をしながら計画をたてることができる
・顧客情報を分析し、営業アプローチの方法を作ることができる
・顧客のニーズや課題を予測できる
・年間、月間など細かな販売予測を組み上げることができる

顧客との関係を構築する能力

営業マンの基礎とも言える「関係を構築する力」です。顧客と良好な関係を長期に渡り築いていく上で必要不可欠な能力となります。

・第一印象で顧客に好感を持ってもらうことができる
・顧客の会話の内容を理解し、共感しながら話すことができる
・顧客に親近感を持ってもらい、お互いが協力する雰囲気を作ることができる
・顧客の心理状況を読み取り、対応することができる

顧客の抱える課題などを把握する能力

商談をする上で重要な「顧客の課題を把握する力」です。顧客の取り巻く環境を正確に把握し的確な提案ができるかにかかわる能力です。

・顧客の環境や業績を把握するとともに、他部門の状況も把握できている
・顧客の企業の組織図を把握し、決定権のある人物がわかっている
・こちらからの提案により相手のニーズを引き出すことができる
・重要な情報かどうかを選別でき、顧客の課題を見つけることができる

関係する人との交渉を行う能力

顧客の心を引き付けて交渉できる「交渉力」です。この能力が高いとスムーズに商談を進めることができます。

・提案内容を顧客に納得させることができる
・条件が対立してしまった場合でも、譲歩したり代替案を提案し解消することができる
・わかりやすい表現や説明で相手を引きつけることができる
・計画を実行するにあたり社内から協力的な支援を受けることができる

営業の使命・責任をもって行動できる能力

成功の為、「責任感」を持って行動できる能力です。積極的にチャレンジし、最後までやり切る力です。

・常に向上する気持ちを持ち、目標達成に努めている
・行動力があり、有言実行できる
・仕事以外にも自己実現の高い目標を持っている
・自己の役割と責任を明確に理解し最善を尽くしている

営業マンに必要な知識

営業マンにとって重要な「知識力」です。商材や自社のことはもちろんのこと、円滑に事業を進めるために必要な能力です。

・その市場の商材は自社だけでなく他社のものに関しても概要を把握している
・顧客とのコミュニケーションの為に一般常識などに情報収集を欠かさない
・競合他社の戦略を予測することができる
・契約時には丁寧な内容で相手の理解を得ることができる

正しい評価にはコミュニケーションが重要

営業マンを評価する際のポイントを幾つかご紹介しましたが、評価する側とされる側のコミュニケーションが取れていないと、評価制度も意味を成しません。

お互いの信頼関係がなければ、自分を適正に評価してくれているという気持ちも生まれません。

信頼関係があれば、評価が高くても低くても、「よし、次がんばろう」という気持ちになるものです。業務を遂行する上で「成果主義」のようにも見える評価制度ですが、実は「自分のやるべきことがわかる」道標になるのです。

目標を明確にすると、社員の目指すべき地点もおのずと見えてきます。全員の向かうべきとことが一致していないと足並みが揃わず効率も悪くなってしまいます。

的確な評価を行うことは社員のモチベーションアップ以外にも、企業の得るものは大きなものになります。

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