営業ヒアリングシートの作り方と入れるべき項目

【最終更新日:2022年1月3日】

顧客から基本の情報を聞き出すための「ヒアリングシート」というものがあります。事前に顧客から何を聞き出すかを記したチェックシートのようなものですが、これが商談を進める上で、とても役に立つのです。

営業マンになって日が浅い人は、緊張で頭が真っ白になりながらも必要項目を確認することができますし、ベテランは、違う話で盛り上がってしまって聞きそびれるという事もなくなります。

今回は「営業ヒアリングシートの作り方と入れるべき項目」のご紹介です。より効率的で具体的な商談を進める為にも、ヒアリングシートを用意してみませんか。

営業ヒアリングシートを作る意味

ヒアリングシートとはいわゆる「質問シート」です。相手が何を求めているのかを正確に聞き出すために存在します。家や車など大きな買い物をする時に、営業担当を待つ時間で、このようなシートに記入をしたこともあるのではないでしょうか。

では、なぜこのような「ヒアリングシート」は必要なのでしょうか。

営業情報を抜け漏れなく掴むため

商談中によくありがちな事として、必要な情報を聞き忘れるということがあります。つい商談とは関係のない話が長くなってしまって、聞きそびれることもあるでしょう。

そんな時に役に立つのがヒアリングシートです。あらかじめ顧客から聞いておきたい情報のリストを用意しておくことで、うっかり忘れることも防ぐことができますし、時間を有効に使うこともできます。

他の商談でも使い回すことができるため

ヒアリングシートに必要な項目を書き込み、あらかじめ作成しておけば他の商談で使い回すことができます。どのような顧客であっても、手に入れたい情報は基本的に同じですから、テンプレート化する事をおすすめします。

商談後には、顧客情報の管理も簡単に行うことができますし、リスト化しておけば担当以外のメンバーと共有できるので、もし担当不在時でも対応することができます。

顧客理解を深めるため

顧客情報であれば、商談中に話しながら得ることもできますが、スタート時点からある程度の情報を掴むことができれば、限られた時間内でより顧客を深く理解するための時間を確保することができます。契約締結のためには顧客の隠れたニーズを探すことが、とても重要になってきます。

ヒアリングシートの基本情報を手に入れれば、それを元に営業側がトークを誘導することも簡単にできます。

営業ヒアリングシートに入れるべき項目

実際にヒアリングシートを作成することになった場合に、どのような項目を盛り込めば良いのでしょうか。ヒアリングシートで手に入れておくと、商談がスムーズに進みやすい項目をご紹介します。

これらの項目は必要最低限のものになりますので、その他にも自社商材の特徴に合わせた項目も併せて盛り込む事をおすすめします。

現状・課題

現在どのようなものを利用しているのか、もしくはそれが無いことによって、そのような不利益が生じているのかなど、「現状や課題」の項目が必要となります。

最初の時点では、顧客がまだ課題に気がついていない事もありますが、現状を見ればある程度の課題を見つけるヒントになります。

商品の印象・疑問点

自社商材にどのようなイメージを持っているのか「印象」や「疑問点」を盛り込みましょう。特に「印象」の部分は大切です。感じ方というものは人それぞれですから、自分が持っている印象を元にトークを進めると、顧客はあまりしっくりこないと感じるでしょう。相手のイメージに合わせることがポイントです。

また、疑問点は早いうちから解消しておきましょう。そこをクリアにすると、顧客は商材に対するイメージを一歩前に進めることができます。

希望納期・スケジュール

顧客も予定やスケジュールがありますから、いつまでに納品して欲しいという「希望納期」や「スケジュール」情報は最初に聞いておきましょう。話を詰めた段階で納期に間に合わないことが判明すると、全てが無駄になってしまう事もあります。

納期は物理的にどう努力をしても難しい事も多々あります。初めから無理だと分かれば、顧客も営業側も時間や労力の非効率化を避けることができます。

予算・希望価格

金額は口に出して言いづらい事でもありますから、「予算」や「希望価格」はヒアリングシートで入手しましょう。

商材にプランやランクがある場合は、どのあたりを希望しているのかも分かりやすく、商談をスムーズに進めることができます。重点をおくべきポイントがわかると、効率的に情報を深く掘り上げることができます。

意思決定の流れ・検討に関わる部門

最終的な購入の決定権があるキーマンを聞き出すことは、なかなか難しいことです。あらかじめ「意思決定の流れ」や「検討に関わる部門」を手に入れておきましょう。

身近な例として、家電を購入しに家電量販店に訪れた際に、店員が旦那さんばかりに機能や性能を説明しても実際使用する奥様が決定権を持つキーマンであれば、その説明に費やした時間は効果的では無いかもしれません。

ターゲットを絞った内容で「燃費が安くなる」「家事の時間が半分になる」など、キーマンに合わせたプレゼンをすることができます。

他社の検討状況

より顧客を深く知るために「他社の検討状況」項目も作っておきましょう。競合他社と金額面で比べている可能性だけでなく、他社のどのような商材と比べているのかを把握することは重要です。

比べる商材で、顧客が求めているものはどのようなものなのかが見えてきます。また、比較しているものが分かると、商談前に他社商材の情報収集をする事もできるので、比較しながら自社のメリットを説明する事もできます。

営業ヒアリングの効果を高めるためのポイント

ヒアリングシートで基本の項目を入手できたからといって、安心していてはいけません。あくまでこれらは、必要最低限の項目なので、入手してからが本当に知りたい情報を得る商談のスタートなのです。

営業ヒアリングの効果を高めるためのポイントをご紹介します。

情報収集を怠らない

基本の情報だけでは、まだ曖昧な部分も多く、話を深く掘り下げるには至りません。顧客が参入している市場の状況や、経営状態なども調べておきましょう。顧客の業種の内容なども入手しておくと、自社商材を導入した後の状況もイメージしやすくなります。

ヒアリングシートの項目だけで満足せず、常に自ら情報収集を続けていきましょう。

ニーズの仮説をたてる

ヒアリングシートの現状や課題などを元に、顧客の「ニーズの仮説」をたてましょう。

「このような利用方法なら、さらに効率アップするのではないか」や「このような状況の時に、困ることはないか」など、仮説を顧客に話してみると、心当たりがあるものを見つけることができます。

「現在・過去・未来」の順にヒアリング

商談のはじめから「自社商材を導入すれば」といったような未来の話をしても、顧客はなかなかイメージを掴むことはできませんし、営業側も時系列は把握できません。

「現在」「過去」「未来」の順番でヒアリングすることがポイントです。顧客が今どうして導入を検討しているのかは、全体の流れを読むことで理由が明確に見えてきます。

4W2Hを意識する

もし商談中に質問項目に迷った時には「4W2H」を意識しましょう。「Why、When、Where、What、How、How much」の6つの項目があります。

・悩みは何か、何が欲しいのか
・決定権は誰にあるのか
・時期はいつなのか、なぜその時期なのか
・どこで必要なのか
・どのように使うのか
・いくらで使いたいのか

基本の項目に併せて、これらの情報も聞き出すことができれば、顧客のニーズを掴みやすくなります。

項目を漏れなくチェックする

基本の項目は「できれば」ではなく「漏れなく」チェックする事を心がけましょう。おおよその金額であっても、トークで引き出しながら把握する必要があります。

もし、「金額はまだわからない」という事で白紙のままの場合、どのランクから説明しますか。相手がなんとなくイメージしていた金額とかけ離れていた場合、商談を進めることが難しくなります。

使いやすいチェック方法を選択する

一般的には紙のヒアリングシートを使い、顧客の話を記入する場合が多ようですが、顧客に記入してもらうパターンもあります。また、PCに直接入力する事もあるでしょう。いずれにしても、自分自身が使いやすい方法がベストです。

また、顧客に記入してもらう場合もあるので、チェック項目は「確認しやすく」「分かりやすいもの」にしておきましょう。あくまで商談はトークがメインですから、記入や入力に時間を取られない方法を選択しましょう。

まとめ

顧客の情報は商談をする上で非常に重要なものです。ヒアリングシートがあれば、どんな状況であっても見落としたり、聴き忘れたりすることはありませんし、営業を初めて日が浅い営業マンでも、ある程度のトークをすることができるでしょう。

基本の項目を押さえながら、自社独自の項目も取り入れた、使いやすいヒアリングシートを作成してみてはいかがですか。

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