市場崩壊からの再起—Instagram活用で集客10倍を実現
有限会社浩漁水産
代表取締役 天野 浩 様ご利用中のサービス
クラプロSales Platform
- 課題
業界で発生した産地偽装報道を機に市場が大幅に縮小。取引先が思うように伸びず、売上の急減と新工場稼働による固定費負担が増加
- 解決策
Instagram運用支援やECサイト構築の「クラプロ」を導入し、ブランド認知向上とオンラインでの販路開拓を推進
- 成果
潮干狩り来場者が前年比10倍に急増。新しい販売体制の整備で、事業の再成長に向けた基盤を確立中
愛知県田原市で貝類全般の水産加工を手掛ける有限会社浩漁水産。アサリを中心に、ミル貝や平貝、ムール貝など多彩な貝類を扱い、活貝の卸事業も展開している。今回は、代表取締役・天野浩氏に同社が抱えていた課題やサービス導入の経緯、そして挑戦について話を伺った。
市場の変化を乗り越え、地元漁師との歩み続ける

有限会社浩漁水産の歴史は、天野氏が20歳の時に立ち上げた個人商店に始まる。「自分で獲って自分で売る」スタイルを確立し、築地市場へ直接出荷を行うなど、若くして独立心にあふれた経営を展開してきた。
「最初の頃は5人の漁師仲間と一緒に海に出て、漁の仕方を教えながらチームで動いていました。アサリを本格的に扱い始めてからは、どんどん時間を取られるようになり、結果的に365日休みがない状態が続きました」(天野氏)
当初は月商200万円の売上を上げるほどの好調な時期もあったが、アサリ市場の拡大とともに競合も増え、安定供給のための仕組みづくりが求められた。そこで天野氏は畜養システムを導入し、出荷調整が可能な水槽設備を整備。さらに加工工場を設立し、アサリのむき身や冷凍加工製品の生産を行う関連会社「愛知フーズ」も立ち上げるなど、地元の漁師とともに産地力の強化を進めていった。
しかし、業界に大きな打撃を与えたのが、3年前に報道されたアサリの産地偽装事件だった。国産アサリへの消費者不信が一気に広がり、市場規模は従来の3分の1から5分の1にまで縮小。多くの水産加工業者や運送会社が撤退を余儀なくされる中、同社は新工場の建設を終えた直後で、撤退という選択肢を取ることができなかった。
「以前は年商10億円規模の事業者も多かったアサリ業界ですが、現在ではその3分の1から5分の1、2〜3億円規模にまで縮小しています。私たちもその影響を大きく受けました。やめるにやめられない状況の中で、『これはきっと意味のあることだ、やめちゃいかん』というメッセージだと受け止めました」(天野氏)
市場が縮小していく中でも「地元の漁業と共に生きる」という信念を貫き、持続可能な水産加工の形を模索し続ける浩漁水産の挑戦はここから新たな局面を迎えることになる。
全国6,000件に営業アタックも、見えてきた市場崩壊の現実と希望

新工場の稼働を控え、次の成長を見据えていた矢先、浩漁水産は突如として“販路の壁”に直面する。既存の取引先が減少し、営業活動を再構築せざるを得ない状況に追い込まれたのだ。そんな中で天野氏は、知人の紹介を通じてアイドマ・ホールディングスの営業支援サービス「Sales Platform」を知ることとなる。
「『営業支援で全国にアタックできるらしい』と聞いて、少しでも可能性があるならやってみようと思いました。最初はパソコン越しに紹介を受けて、説明を聞いたらすぐに導入を決めました」(天野氏)
導入後、アイドマ・ホールディングスのチームが浩漁水産として年間6,000件もの企業に対して電話営業を実施。1か月あたり500件という膨大なアプローチ数で、アサリを中心とした水産加工品の新規取引先開拓に挑んだ。結果として、短期的な新規取引の獲得には至らなかったが、天野氏にとっては「それ以上の収穫」があったという。
「300万円の投資でしたが、6,000件にアタックし、アポイントは取れたものの、最終的な取引成約にはいたりませんでした。ですが、この結果で初めて“市場が完全に壊れている”ことを実感できたんです。数字で示されたことで、今後どこに力を入れるべきかが明確になりました」(天野氏)
従来の販路に固執していては先がないと確信した天野氏は、既存市場に依存しない新たな戦略を構築する必要性を痛感。アイドマの担当者との打ち合わせを重ねる中で、次第に「ECを軸とした販売体制の再構築」へと舵を切っていく。営業支援によって得たデータが、浩漁水産にとって“次の一手”を見極める羅針盤となったのだ。
「アイドマさんの担当者はとにかく動きが早く、『素材さえあればすぐにできます』という姿勢で信頼できました。自分たちだけでは見えなかった道筋を、プロの視点で見せてくれたと感じています」(天野氏)
厳しい市場環境の中で、「Sales Platform」は単なる営業支援にとどまらず、浩漁水産が次のステージに進むための“転換点”をもたらした。
SNS活用で見出した“変化のチャンス”—地域とともに築く新たな販路戦略

「Sales Platform」で市場の現実を可視化した浩漁水産は、“自社ブランド再構築”のために、SNS運用やLP制作などを包括的に支援する「クラプロ」を次なる一手として採用した。その中心にあるのが、一般消費者との直接的な接点をつくる潮干狩り事業と、全国展開を見据えた冷凍アサリ商品の開発である。
こうした取り組みを進める中で、まず目に見える成果が現れたのが、SNSを活用した情報発信だった。2024年春、同社が運営する潮干狩り場がSNSで話題を呼び、結果的に来場者数は前年の100人から一気に1,000人へと急増。「Instagramを見て来ました」という家族連れが殺到し、地元・田原市の新たな観光スポットとして注目を集めた。
「1,000人の来場の内、ゴールデンウィークの3日間で500人が来場しました。99%の方が喜んで帰られるんです。安全に楽しめる環境を整えているので、小さな子ども連れの方に特に好評でした」(天野氏)
この成功が、冷凍アサリの販路拡大へ向けた弾みとなった。スーパーでの活アサリ販売が難しくなる中、同社は“愛知県産の冷凍アサリ”を開発。さらに大手流通への提案を進めるほか、冷凍加工設備を整備して安定供給体制を構築している。
「冷凍なら解凍表示で店頭に並べられ、賞味期限管理も容易です。愛知県産の品質を守りながら、全国に届ける仕組みを作りたいと考えています」(天野氏)
さらに、ECチャネル整備も始動。現在は、SNS運用の支援を受けながら、オンライン販売体制の構築やコンテンツ制作を進めている。
「とにかく動きが早い。こちらが『これできますか?』と聞くと、すぐに『できます』と返ってくる。そのスピード感が大変ありがたいです」(天野氏)
天野氏は今後、冷凍アサリを中心とした商品展開で年商50億円規模を目指すという。
「失った市場は残念ながらもう戻りません。だからこそ、これまでのノウハウを生かして“変化球”で挑むしかない。同じことを続けても生き残れない時代です。過去を嘆くよりも、新しい価値を作ること。それが自分たちの使命だと思っています」(天野氏)
地域漁業の再生と自社の成長、その両輪で未来を切り拓く浩漁水産。海とともに歩んできた挑戦の物語は、これからも進化を続けていく。
有限会社浩漁水産
事業内容
貝類全般の水産加工事業、アサリを主体とした活貝の卸売事業
