業務を切り分けたことで経営判断が加速。「ママワークス」活用で見えた新しい組織のかたち
エイチキューブ株式会社
代表取締役 堀部 謙ニ 様/役員 林 恭子 様ご利用中のサービス
Crowd Members
- 課題
定型業務の増加により、社員が本来注力すべき判断・改善業務に時間を割けなくなっていた
- 解決策
「ママワークス」を活用し、業務単位で外部人材とリーダー層を組織化
- 成果
業務の切り分けが明確になり、経営判断と事業立ち上げのスピードが大きく向上した
エイチキューブ株式会社は、愛知県名古屋市に本社を構え、システム開発とIT技術を強みとしながら、中小企業や個人事業主のECビジネスを支援してきた企業である。従業員は22名、在宅ワーカーは約13名が活躍中。今回お話を伺ったのは、同社代表取締役の堀部謙ニ氏と、創業メンバーでもある役員の林恭子氏。業務拡大の中で直面した人材・運用の課題に対し、「ママワークス」をどのように活用し、経営判断や組織のあり方をどう変えていったのか。その実践について詳しく聞いた。
創業の原点と事業転換。ITで中小事業者を支えるという選択

エイチキューブ株式会社は2011年、堀部氏・林氏・埴岡氏の3名で創業された。いずれもIT業界でシステム開発に携わってきた同僚であり、「ITを使って、もっと世の中の役に立てることがあるのではないか」という問題意識が出発点だった。
「IT業界にいると当たり前になっていることが、外に目を向けると全然IT化されていないと感じる場面が多くて。ITを使って何かできないかと考えたのが始まりです」(堀部氏)
創業当初は、自社で商品を開発・販売するメーカー型のビジネスにも取り組んでいた。しかし思うような成長は見込めず、試行錯誤の末に大きな方向転換を決断する。それが2018年にスタートした「セールモンスター」である。Amazonで販売している商品を、楽天市場やYahoo!ショッピングなど複数のモールへ自動出品できる仕組みを提供し、物販事業者の販路拡大を支援するサービスだ。
「自分たちで商品を売るよりも、皆さんの商品の販路を広げる方が価値があると思ったんです。そこから会員ビジネスに大きく舵を切りました」(堀部氏)
この転換は、事業モデルだけでなく組織のあり方にも影響を与えた。会員数が増え、取り扱う業務が拡大するにつれ、問い合わせ対応やモール掲載前の審査業務など、定型的だが量の多い作業が急増していった。社員やアルバイトで対応していたものの、業務の単調さや人の入れ替わりによる教育コストが課題となっていく。
「毎日同じ作業なので、向いている人とそうでない人がはっきり分かれるんです。辞めてしまうと、また一から教え直し。その繰り返しが正直きつかったですね」(堀部氏)
一方で、同社はシステム開発力を武器に、在庫管理や受注処理の自動化を進めてきた企業でもある。だからこそ「人がやらなくていい仕事」と「人が判断すべき仕事」の切り分けに、以前から強い問題意識を持っていた。
「システムで自動化できるところはほぼ切り替えていて、最後に残るのが人じゃないと判断できない部分なんです。そこをどう支えるかが、ずっと課題でした」(林氏)
こうした背景の中で、人材の確保や業務運用を“社内だけで完結させる”という考え方そのものを見直す必要性が高まっていった。その延長線上に、外部人材サービスの活用として「マネジメント代行ユニット」「ママワークス」の導入検討があったのである。
業務を丸ごと任せるという決断。「マネジメント代行ユニット」で見えた新しい運用モデル

エイチキューブ株式会社が外部人材活用を進めるうえで重視したのは、「誰が作業を担うか」ではなく、「誰が現場を安定して回すのか」という視点だった。業務量が増えるにつれ、定型業務そのものよりも、進行管理や判断の負担が経営側に集中していることが、次第に明確になっていったのである。
「作業だけを外に出しても、結局こちらで管理しないといけない。それだと負担はあまり変わらないなと感じていました」(堀部氏)
こう語る堀部氏が着目したのが、業務の実行だけでなく、現場を取りまとめる役割まで含めて委ねられる「マネジメント代行ユニット」だった。業務内容を理解したリーダー層が間に入り、進行や判断を担うことで、エイチキューブ側の関与を最小限に抑えられる点に可能性を感じたという。
「その業務を丸ごと引き受ける体制をつくれると聞いて、管理する人も含めて任せられるのは大きいと思いました。進捗だけを確認すればいいと言われて、これは楽だなと感じました」(林氏)
2023年8月「マネジメント代行ユニット」の活用を開始したエイチキューブ株式会社。アイドマ・ホールディングスからマネジメント経験のある在宅ワーカーがリーダーとしてアサインされ、実働を行うワーカーを「ママワークス」で募集・組織化する体制を構築した。これにより、個別の作業者を都度探すのではなく、チームとして業務を成立させる安定した運用体制の構築が進められた。
実際の運用は、審査業務からスタートし、その後、問い合わせ対応、コール業務へと段階的に拡張された。現在は、審査・問い合わせ・コールの3チーム体制で業務が運用されており、全体で約40名、そのうち約13名が「ママワークス」を通じて関わっている。
「最初は、在宅で本当に回るのかという不安は正直ありました。顔も合わせないですし、時間もバラバラなので」(堀部氏)
「フルリモートは正直難しいと思っていました。でも、結果的には全然問題なかったですね」(林氏)
不安を払拭したのは、現場判断を担うリーダー層の存在だった。人材の判断や業務の切り分けをリーダーが担うことで、エイチキューブ側は細かな指示や日常的な管理から距離を置けるようになった。
「合わないケースがあっても、次の判断にすぐ切り替えられる。自分たちで人を決めていた頃の『またはじめから』という感覚がなくなりました」(林氏)
さらに2025年8月からは、電話営業チームの本格運営も開始している。チーム全体を在宅ワーカーで構成するにあたり、リーダー層が人材の決定や体制づくりを進めやすいよう、「ママワークス」の仕組みや人材決定を支援するツールを組み合わせた運用が行われている。
「応募者への一次対応を在宅の方が担ってくれるだけでも、現場の負担はかなり軽くなっていると聞いています」(林氏)
この取り組みを通じてエイチキューブが得たのは、単なる人手の補完ではない。業務をどこまで外に委ね、社内はどこに集中すべきか。その判断軸が整理されたこと自体が、事業推進における大きな成果となっているのである。
判断軸が明確になり、経営のスピードが加速。「ママワークス」活用がもたらした成果と展望

「ママワークス」を活用した結果、エイチキューブ株式会社が得た最大の成果は、単なる業務効率化ではない。どの業務を社員が担い、どこを外部に任せるべきかという判断軸が明確になり、経営判断そのもののスピードと質が変わった点にある。
「問い合わせ対応や審査の人数が減った分、その人たちを別のチームに移して、会員さんのフォローや売り上げを伸ばす仕事に回せました」(堀部氏)
定型業務を外部に切り出したことで、社員はよりコアな業務に集中できるようになった。結果として、事業の幅が広がり、売り上げや利益も継続的に伸びているという。
「在宅ワーカーさんにお任せしたことで、社内の人間が別の仕事をできるようになったこと。その影響はすごく大きいです」(林氏)
また、組織の空気にも変化が生まれた。外部に優秀な人材がいることを実感したことで、社員の意識が「作業をこなす」から「改善や挑戦を考える」方向へとシフトしていった。
「時間の流れが明らかに早くなりましたね。意思決定してから動き出すまでのスピードが全然違います」(林氏)
こうした変化は、今後の事業展開にも直結している。エイチキューブ株式会社では、会員向けの新サービスやAIを活用したプロダクトの展開など、新たな取り組みを次々と構想している。その際に「誰がやるのか」をゼロから考える必要がなくなったことが、大きな安心材料になっている。
「新しい業務を思いついたときに、細かい作業は在宅ワーカーの方に任せればいいという前提で考えられる。だから立ち上げがすごく楽になりました」(堀部氏)
人材戦略についても考え方は変わった。新卒や正社員は、単純作業を担う存在ではなく、将来的にリーダーや中核人材となることを前提に採用・育成する方針へとシフトしている。
「業務委託やAIでできる仕事が増えているからこそ、社員には文化を理解して引っ張っていける存在になってほしい」(堀部氏)
最後に、同じように人材や業務運用に悩む経営者へのメッセージを尋ねると、二人は共通した視点を示した。
「顔を合わせて一緒に働かないと品質が保てない、という前提は一度疑ってみてほしいです。業務を切り分けて任せてみると、想像以上にスムーズに回ります。最初は小さく試すだけでも十分だと思います」(林氏)
「まずはリーダー候補を一人見つけること。そこから広げられれば、どんな事業でも形にできます。最初だけ大変ですが、やった方がいいです」(堀部氏)
外部人材を“補助”ではなく“戦力”として捉えたことで、エイチキューブは組織と経営のあり方そのものを進化させている。
エイチキューブ株式会社
事業内容
「セールモンスター」の運営、EC事業、フルフィルメント事業、IT・システム開発
