廃業寸前からV字回復へ。50年企業が挑む“攻めの法人営業”と管理革命
井上クリーニング株式会社
統括部長 井上 文孝 様ご利用中のサービス
Sales Platform
- 課題
現場業務と兼務で営業に時間を割けず、新規法人開拓が進まなかった
- 解決策
「Sales Platform」を導入し、ターゲット選定を見直し。管理の効率化を軸に提案型営業へ転換
- 成果
200人規模の製造業との契約を獲得。営業工数削減とノウハウ蓄積にもつながった
神奈川県川崎市に本社を構える井上クリーニング株式会社は、1976年創業、今年で50周年を迎える地域密着型の企業である。個人向けホームクリーニングと法人向けユニフォームクリーニングを両輪に展開し、直営4店舗を運営。従業員約30名を擁する同社で統括部長を務める井上氏に、「Sales Platform」導入の背景と現在の取り組みについて話を伺った。
ホームクリーニング品質を武器に、法人市場へ挑む50年企業の転換期

井上クリーニング株式会社は、川崎市内を中心に店舗展開を行う老舗企業である。祖父の代から続く家業として地域に根差してきたが、業界を取り巻く環境は年々厳しさを増している。
「クリーニング業界は、全体として“待ち”の姿勢が多いと感じています。呼び込む作業は大変ですが、そこを一生懸命やっている会社は少ない。だからこそ、攻めの姿勢で差別化できると思っています」(井上氏)
同社はBtoCの個人向けとBtoBの法人向け、両方を展開している点が特徴だ。多くの企業がどちらかに特化する中、同社はホームクリーニングからスタートした強みを法人領域にも応用している。
「法人特化の会社は単価を下げて大量処理するスタイルが多いですが、うちはホーム品質で一着ずつ丁寧に仕上げます。その仕上がりの良さが評価され、アパレル関係などから支持をいただいています」(井上氏)
井上氏自身は異色の経歴を持つ。建築業、キックボクシング、海外留学などを経て家業に戻った。当時は業績悪化により廃業寸前の状態だったという。
「入社した時点で“3月には会社を畳む”という話が出ていました。父も半年間、役員報酬を返上している状況でした」(井上氏)
コロナ禍という逆風の中、徹底したコスト改革と体制見直しを実施。従業員との衝突も経験しながら経営を立て直し、次なる成長戦略として法人営業強化に踏み出した。
営業に割ける時間ゼロからの挑戦。「Sales Platform」導入で生まれた“攻めの仕組み”

法人営業を本格的に強化しようと考えた背景には、明確な課題があった。
「自分が現場を離れられず、営業に行く時間がまったくなかったんです。最初はGoogle マップで製造業を一社ずつ調べてリストを作り、DMを送るなどしていましたが、完全に限界でした」(井上氏)
限られた人員で日々の業務を回す中、ゼロから営業基盤を構築することの難しさを痛感した同社。そこで営業代行会社を5社比較検討し、最終的にアイドマ・ホールディングスへの依頼を決断した。決め手は「スピード感」だったという。
「会社の規模や上場企業という信用度もありましたが、何よりレスポンスが一番速かった。詳細を詰めるスピードが群を抜いていたので、自然と話が進んでいきました」(井上氏)
「Sales Platform」導入当初は、決裁者に直接アプローチできるよう50名未満の企業を中心に戦略設計しリストを作成。しかし実際には、「自社で洗っている」「経費はかけられない」と断られるケースが多く、成果につながりにくかった。
そこでターゲットを50名〜300名規模へとシフト。部署直通のリストを活用し、管理職層との接点を増やす戦略へ変更した。この戦略転換が、初の大口契約獲得へとつながる。
契約に至ったのは、200名規模の製造業企業。当初は既存業者との価格競争に持ち込まれそうになったが、井上氏は価格で戦わなかった。
「価格競争はしたくなかった。そこで“管理の効率化”を提案しました」(井上氏)
その企業では、洗い上がった大量のユニフォームから従業員が自分の名札を探す作業が負担となっていた。そこで、マンションコンシェルジュサービスで使用している個別バッグを応用し、「一人一バッグ」での納品を提案。ハンガー仕上げも個別に不織布バッグへ入れ、名札が見える状態で納品する仕組みを構築した。
結果、現場から高評価を得て受注に成功。単なるクリーニングではなく、業務改善提案として価値を認められた瞬間だった。
「社長だけでなく、現場の人が“やりやすい”と思えるかどうかが重要。何度もヒアリングを重ねた結果です」(井上氏)
また、定量的成果以上に大きかったのは営業基盤の構築だったという。
「ゼロからリストを作る労力がなくなったのは大きかったです。“このビルの会社を全部攻めたい”と言えば、すぐリストとトークスクリプトが出てくる。データとスピードは、自分一人では絶対に手に入らなかった武器です」(井上氏)
1年間で月平均2件のアポイントという決して派手ではない数字。しかし、その裏側には戦略検証と改善を繰り返すプロセスがあり、井上氏はそこに価値を見出している。
「たとえ13か月で1件でも、それは“気づき”。失敗もマイナスではありません。毎月違う施策を試せること自体が財産だと思っています」(井上氏)
「衰退産業だからこそ、やり抜きたい」。地元で“目に見える成長”を証明する

現在、井上クリーニング株式会社は新たな成長フェーズに入っている。法人営業で得たキャッシュを設備投資や新規出店へ回し、店舗規模の拡大を目指す方針だ。
「今は少人数で効率よく稼ぐ会社が評価される時代ですが、僕は性格的に“目に見える成長”をしたい。地元の同級生に『あいつ、あんなに店を出してがんばってるな』と思われたいんです」(井上氏)
クリーニング業界は市場縮小が続き、大手企業でさえ閉店が相次ぐ厳しい環境にある。だが、井上氏はそれを理由に守りに入るつもりはない。
「衰退産業と言われるからこそ、やり抜きたい。法人営業で安定的にキャッシュを生み出し、その資金を設備投資や出店に回していく。それが今のフェーズです」(井上氏)
今後は経理や勤怠管理などのバックオフィス業務のアウトソーシングも視野に入れ、より“筋肉質”な経営体制を構築していく構想だ。最後に、「Sales Platform」導入を検討している経営者へのメッセージを尋ねると、井上氏は即答した。
「何事もやってみなきゃわからない。それが僕の持論です」(井上氏)
短期的な費用対効果だけを見れば、判断は難しいかもしれない。しかし、同社が得たのはアポイントや受注だけではない。アイドマ・ホールディングスが保有する法人リスト、他業種の成功事例、戦略検証の機会。それらはすべて、将来の資産になるという。
「一度でも接点を持った企業は“リスト”として残る。契約が終わった後に花が咲くことだってある。結局、その機会を活かせるかどうかは自分次第です。迷っているなら、まずやってみたほうがいい。少なくとも僕は、やって良かったと思っています」(井上氏)
50年の歴史を持つ老舗企業が、守るためではなく“攻めるため”に営業を仕組み化する。その挑戦は、衰退産業の常識を塗り替える一歩になるかもしれない。
井上クリーニング株式会社
事業内容
一般衣類クリーニング、法人向けユニフォーム・リネン類等クリーニング
