コロナ禍を転機に営業体制を再構築。「Sales Platform」活用で見えた経営の優先順位
株式会社アーク工業所
代表取締役社長 柏井 一博 様ご利用中のサービス
Sales Platform
- 課題
営業専任人材がおらず、新規開拓を代表一人で担っていたため、将来に向けた販路拡大が難しかった
- 解決策
「Sales Platform」を導入し、アポイント獲得や初期接点を外部に委ね、代表は商談と経営判断に集中できる体制を構築
- 成果
営業の負担が軽減され、注力すべき仕事と自社の制約条件が整理されるなど、経営判断の軸が明確になった
株式会社アーク工業所は、島根県松江市に拠点を置くアルミ・ステンレス加工の専門企業だ。従業員4名という少数精鋭体制で、レーザー加工、精密板金加工、溶接加工を手がけている。今回は、代表取締役社長の柏井一博氏に、「Sales Platform」を導入した経緯と、その成果について話を伺った。
異業種から家業へ。少数精鋭の現場を支えてきた代表の意思決定

株式会社アーク工業所は、1972年に溶接業として創業した。現在はアルミ・ステンレス加工を主軸に、レーザー加工、精密板金加工、溶接加工を組み合わせた柔軟な生産体制を築いている。県内メーカーとの長年の取引を基盤にしながらも、時代や顧客ニーズに応じて加工領域を広げてきた点が同社の特徴だ。
柏井氏が家業に戻ったのは、東京で異業種を経験した後のことだった。もともとは音響技術を学び、番組制作に携わるなど、ものづくりとは異なる世界に身を置いていたという。
「東京でメディア関係の仕事をしていましたが、当時会社が忙しくなってきたこともあって、こちらに戻ってやっていこうと思いました」(柏井氏)
帰郷後すぐに経営を担ったわけではない。まずは現場に入り、職人としての仕事を覚えながら、会社の内側を理解する期間が続いた。代表に就任したのは、戻ってから約15年後。現場と経営の両方を知る立場になってからも、「少数精鋭の職人集団」というスタンスは変わらない。
「最初から代表というわけではなく、現場に入って仕事をしていました。代表になったのは戻ってからだいぶ経ってからですね」(柏井氏)
事業面では、先代の代から続く転換も大きな意味を持っている。もともとは溶接を中心とした事業だったが、県内のシートシャッターメーカーとの取引をきっかけに板金加工へと領域を広げ、その後ステンレス加工を強化。他業種からの依頼にも対応できる体制を整えてきた。
「溶接だけでなく、板金加工やステンレス加工を取り入れることで、他の業種の仕事も受けられるようになりました」(柏井氏)
一方で、従業員4名という体制は、経営判断の難しさと常に隣り合わせでもある。営業専任の人材を置く余裕はなく、新規開拓は代表自らが担ってきた。特にコロナ禍では、既存取引先の仕事量が減少し、将来への不安が現実的な課題として浮かび上がった。
「コロナに入って仕事量が減ってきて、このままでは厳しいなと感じました」(柏井氏)
こうした背景の中で、「これからどう事業を続けていくか」「限られた人員で何に集中すべきか」という判断軸を整理する必要性が高まっていった。その一つの選択肢として浮上したのが、営業の在り方そのものを見直す取り組みだった。
コロナ禍で浮き彫りになった営業課題。「Sales Platform」を選んだ理由

「Sales Platform」を導入する直接的なきっかけは、コロナ禍による事業環境の変化だった。県内メーカーとの取引を中心に事業を展開してきた同社だが、社会情勢の影響を受け、受注量が徐々に減少。将来に対する不安が現実的な課題として浮かび上がった。
「コロナに入ってから仕事が減ってきて、このままで大丈夫かなという気持ちがありました」(柏井氏)
当時、新規開拓を担っていたのは柏井氏一人だった。商談会や紹介を中心に営業活動を行っていたものの、県外企業へのアプローチや、継続的な新規開拓に十分な時間を割くことは難しかったという。
「県外も広げていきたいとは思っていましたが、自分一人ではなかなかできなかったですね」(柏井氏)
そうした状況の中で、アイドマ・ホールディングスからの電話をきっかけに、「Sales Platform」の存在を知る。当初は情報収集のつもりだったが、営業活動を外部と分担するという考え方が、次第に現実的な選択肢として受け止められるようになった。
「何回か電話をもらっていて、ちょうど先が見えない時期だったので、話だけでも聞いてみようと思いました」(柏井氏)
導入の決め手となったのは、費用面と担当者の対応だった。営業専任の社員を新たに採用することを考えれば、外部サービスを活用する方が現実的で、リスクも抑えられると判断した。
「営業社員を1人を雇うよりは、全然現実的だと思いましたし、担当の方の印象も良かったですね」(柏井氏)
導入後の運用では、営業活動を一括して外部に任せるのではなく、業種やエリアなどの条件をすり合わせながら初期アプローチを進めてきた。得られた接点をもとに、柏井氏が商談や受注判断を行っている。
「基本はオンライン商談から始まって、必要なときは訪問する形です」(柏井氏)
アプローチ先は、西日本エリアを中心とした食品加工機械メーカーなど、これまで十分に開拓できていなかった領域へと広がった。自社だけでは難しかった継続的なアプローチを外部に任せることで、新規接点を持ち続けられる体制が整った。
「県外の企業に対して継続してアプローチできるようになったのは、本当に大きかったですね」(柏井氏)
こうして営業の初動部分を外部と分担する体制が構築され、同社の営業活動は新たなフェーズへと進んでいった。
営業を任せたことで見えた判断軸の変化と今後の成長イメージ

「Sales Platform」を活用した取り組みを通じて、株式会社アーク工業所が得た成果は、単なる受注の増減ではない。営業活動を外部と分担したことで、自社がどこで価値を発揮でき、どこに限界があるのかを、冷静に捉えられるようになった点にある。
「やってみて、自分たちができることと、難しいことがはっきり見えてきました」(柏井氏)
新規案件に向き合う中で、設備や人員、価格面など、自社の制約条件がより明確になった。これまでは「やってみないと分からない」と感じていた部分も、判断材料が揃うことで、無理のない選択ができるようになってきたという。
「自社で対応できない案件があるというのも、改めて分かりましたし、そこも含めて整理できてきたと思っています」(柏井氏)
また、営業活動を可視化できたことで、「なぜ難しかったのか」を感覚ではなく構造として考えられるようになった点も大きい。結果が出なかった場合でも、その要因を振り返り、次にどう活かすかを考える土台が整ってきた。
「うちの場合、どこを狙うべきで、どこは無理をしない方がいいのか、前より考えやすくなりました」(柏井氏)
現在、同社は従業員4名体制で、年商1億円の達成を目標に掲げている。人員を増やすのではなく、限られた人数でどう生産性を高めていくか。その前提として、営業と現場の役割を切り分ける判断は、今後の成長を支える重要な基盤になりつつある。
「人数は今のままで、売り上げを伸ばしていきたいと考えています」(柏井氏)
今後は、これまでの取り組みを踏まえ、ターゲット業種やエリアの再設計にも取り組む予定だ。営業支援を活用することで得られたのは、売上そのもの以上に、自社の現在地を把握するための判断材料だった。
「プロの仕事はプロに任せて、自分たちはものづくりに集中する。その形を続けていきたいですね」(柏井氏)
株式会社アーク工業所
事業内容
レーザー加工、精密板金加工、溶接加工など
