自社の入居者サポート事業を加速させる新規事業を獲得。買い手のビジョンに伴走する「M&A支援」が、自治体向けLINE事業の譲受と人材確保を導く
株式会社スマサポ
代表取締役副社長COO 藤井 裕介 様ご利用中のサービス
M&A仲介の窓口
- 課題
自社の入居者サポート事業を加速度的に伸ばすため、シナジーを生む新規事業を獲得したかった
- 解決策
「M&A支援」を活用し、自社の事業ビジョンに合致する案件の探索と交渉を実施した
- 成果
自治体向け公式LINE事業を無事に譲受し、優秀な人材とともに新たな領域への事業展開をスタートさせた
株式会社スマサポは、「不動産とIT技術を融合させて“smart”なくらしを“support”する」を企業コンセプトに掲げ、不動産テック事業を展開している。入居者アプリ「totono」や新生活サポート「スマサポサンキューコール」などを通じ、入居者や不動産管理会社に新しい価値を提供している。同社は、テクノロジーとアイデアによって不動産業界に新しい価値を生み出すことを目指し、全国に拠点を展開している。今回は、代表取締役副社長COOである藤井裕介氏に、入居者サポート事業をさらに加速させるための新規事業展開を背景に「M&A支援」を導入した経緯と、その後の成果や今後の展望について話を伺った。
入居者アプリの展開を加速させるため、M&Aによる新規事業獲得を模索

株式会社スマサポは、2012年の設立当初は不動産管理を行う企業の子会社として東京や大阪を中心に展開していた。当時の不動産マーケットでは、物件のオーナーや部屋を探す仲介会社に対するサービスは充実していたものの、実際に家賃を支払って生活している入居者に向けた手厚いサービスが不足しているという課題感があった。そこで同社は「すべての入居者に快適な暮らしを届ける」という使命を再定義した。2016年には、その決意を英語で表した「スマートライフサポート」に由来し、略称とした「スマサポ」へと社名を変更。同社はこの時期を第2創業と位置づけ、現在の入居者サポート事業を本格化させた。
その後、2019年の単体独立を経て2022年12月には東証グロース市場への上場を果たした。同社の主力事業の1つである入居者アプリ「totono」は、管理会社から入居者への情報発信やチャット機能を備えたスマートIoTツールとして順調に拡大を続けてきた。数年の運用を経てこの基盤事業のさらなる成長と加速度的な展開を見据え、同社は新たな施策を模索し始める。藤井氏は、当時の背景を次のように振り返る。
「『totono』を通じた情報発信ビジネスが市場に広がってきたため、これをさらに伸ばす意味でも、既存事業に紐づくような領域で新規事業を展開していかなければならないと考えていました。その選択肢の1つとしてM&Aを検討しており、さまざまな情報を収集していました」(藤井氏)
情報収集を進める中で藤井氏が着目したのは、自治体と住民の関係性であった。近年、災害情報の配信や避難情報の伝達など、自治体が住民に対して情報を発信する重要性が高まっている。この構図は、管理会社が複数の入居者に対して情報発信する「1対N」の関係に極めて類似している。
「現代はSNSやニュースなど多角的な発信が求められる時代です。自治体が発信する公式LINE事業の知見と、我々の『totono』の技術を組み合わせることで、大きな相乗効果が生まれると考えました。情報が届きにくい人たちへ確実に届けることは我々の得意領域です」(藤井氏)
自社の強みを活かしつつ、明確なシナジーが見込める新規事業として、自治体向け公式LINE事業の譲受という方針が固まっていった。
単なる仲介ではなく、買い手の事業ビジョンに寄り添う「エージェント」としての姿勢

M&Aのマッチングプラットフォームを通じてアイドマ・ホールディングスと接点を持った同社が、パートナーとして信頼を寄せた理由は、その迅速なスピードと、事業理解への深い探求心にあった。
「まず、初期の動きがスピーディでした。案件が上手くいくか否かは別として、初期対応が早いことは信頼に直結します。さらに、とにかく売れれば良いと考える一般的な仲介会社とは異なり、アイドマの担当者の方は『なぜ買うのか』『買ってからどう事業を展開していくのか』という点に強い関心を持ってくれました。我々にとって、買うことはゴールではなくスタートです。そのビジョンを深く聞いてくれたため、初めてお会いしてから数週間とは思えないほど腹を割って話すことができました」(藤井氏)
実際の交渉プロセスにおいても、その誠実な姿勢は一貫していた。トップ面談の際、藤井氏は売り手側の親会社と子会社の連携について若干の違和感を覚えたという。一般的な仲介会社であれば、その場を丸く収めて無理に話を進めようとするところだが、アイドマ・ホールディングスの担当者は違った。藤井氏の違和感を正直に売り手側に伝え、その背景を整理することで、納得のいく形でプロセスを進めることができた。結果として、クロージング後にはお互いの苦労を称え合って食事に行くほどの良好な関係性を築くことができたという。
また、終盤に生じた厳しい条件交渉の際にも、担当者は真のエージェントとして機能した。
「買収直前に不測の事象が発見され、大幅な価格調整を依頼するというハードな局面がありました。しかし、彼らは逃げずに我々のロジックを聞いてくれました。単なる伝書鳩ではなく、こちらの根拠に納得した上で意思を持って売り手側と交渉してくれたのです。振り返ってみて、ここまで対応してくれるのであれば、『M&A支援』の手数料は安かったとすら感じています。私たちの発展を第一に考えてくれる姿勢に、強い信頼関係が生まれました」(藤井氏)
自治体向けLINE事業の譲受が完了。新たな人材とともにシェア拡大へ挑む

アイドマ・ホールディングスの伴走支援のもと、株式会社スマサポは自治体向け公式LINE事業の譲受を無事に完了させた。現在は買収後の統合プロセスであるPMIを進めている段階であるが、藤井氏は事業の将来性に大きな手応えを感じている。
「譲受した事業はポテンシャルが高いと確信しています。これまでは良い商品でありながら拡散する力が不足していた部分もありましたが、我々が不動産業で培ってきた技術やノウハウを掛け合わせることで、このビジネスはさらに大きく伸びる余地があります。ちょうど3ヵ月が経過し試運転は終えたので、ここからは攻撃的にアクションを起こしていきます」(藤井氏)
M&Aにおいては事業そのものだけでなく、人材の引き継ぎも重要な要素となる。今回の事業譲受に伴い、元の企業から2名の従業員が同社に加わった。環境の変化に対する不安を抱えながらも、彼らはお客様に迷惑をかけないという強い責任感を持って日々の業務に取り組んでいるという。同社はその真摯な姿勢を高く評価し、待遇面を向上させることで、その貢献に報いる体制を整えている。
また、組織の文化を統一していく過程でも、前向きな変化が見られた。先日行われた同社の社員旅行において、新しく加わった従業員たちも参加し、ともに親睦を深める姿が見られたのだ。
「当初は『イベント事にはあまり行きたくない』と話していたのですが、実際に参加してポジティブに楽しんでいる姿を見ることができました。M&Aによって環境が変わる中で、それをいかに前向きに捉えられるかが重要です。不安の中で一歩を踏み出してくれた彼らに感謝していますし、そうした良い関係性を築けたのも、仲介に入っていただいた方々が良い影響を周囲に与えてくれたからだと思います」(藤井氏)
良い事業と優秀な人材を迎え入れることができた株式会社スマサポ。今後は自治体向け公式LINE事業のシェア拡大に向けて、力強い一歩を踏み出している。
株式会社スマサポ
事業内容
不動産管理業界に向けた複数ソリューション提供と入居者アプリ「totono」を活用したDX推進事業
