在宅ワーカーとともに体制を強化し、中小企業のPRコスト削減の支援にあたる

合同会社スタジオポリゴンは代表の井上研二氏が2017年4月に設立した。同社は「リアルトーク3D」というアバターをリアルタイムで動かし対話するサービスを展開し、これを活用したキャラクターマーケティングを中小企業向けに提供している。従業員は井上氏１人で、在宅ワーカー３人と契約中。今回は井上氏に、在宅ワーカー導入のきっかけや成果について話を聞いた。

新規事業の推進を目指してスキルの高い人材を確保

まずは井上氏から、合同会社スタジオポリゴンの事業内容を教えてもらう。

「これまでデザイン事業を主に進めていましたが、現在は、中小企業に向けたアバターの制作や、イベント向けのパッケージシステムのレンタル事業に注力しています。 その他にポリゴンアクターというCG俳優を利用したコンテンツ制作も行なっており、これを企業のキャラクターとして活用することで企業側はPRにかかるコストを大幅に削減することができます。

この事業を始めたきっかけは、中小企業にPRやデザインの営業をかけていたときに、『タレントを起用したい』という声がありました。ですが、実際に俳優やタレントを起用して撮影すると多額の費用が発生しますから、中小企業では難しいだろうと思い、CGタレントを考案したというわけです。ポリゴンとは多面的という意味で、CGキャラクター制作のイメージそのものなのでこのネーミングにしました。それと同時に現在はアバター（VTuber）の企業向けサービスとして『リアルトーク3D』を本格的に事業としてスタートさせています」（井上氏）

在宅ワーカーの導入に至ったきっかけは何だったのだろうか。

「アイドマ・ホールディングスの営業担当からの電話がきっかけです。2024年6月頃に契約し、その当時、キャラクターマーケティング戦略を強化していこうとしていた時期だったので当初は営業チームをつくろうかと考えていました。『ママワークス』の支援スタッフといろいろ検討した結果、まずは生産体制を強化したほうが良いだろうという方向になり、2024年9月に募集を開始しました」（井上氏）

在宅ワーカーの募集から導入にあたってはどのように対応したのだろうか。

「書類選考から面接まですべて対応しました。応募数が増えすぎると対応しきれなくなるので、応募が増えたら一度止めていました。面接の際に見ていたポイントは、技術力と真面目そうかなどの人柄ですね。面接での受け答えが理路整然としていて、こちらの要求に対して的確な質問が来ていた方は頼りになりそうと感じたので、契約しました」（井上氏）

質・量ともに依頼したレベル以上のアウトプット

同社では現在3人の在宅ワーカーが活躍している。どのような業務を依頼しているのだろうか。

「HP制作のためのWebデザイナー１人、電話営業１人、マニュアル作成・動画編集１人です。電話営業の方にはリアルトーク3Dのご案内、イベントの告知などをしてもらっていて、毎日何百件も架電してくれています。

マニュアル・動画編集の方には、リアルトーク3Dの利用マニュアル、設置・メンテナンス用のマニュアル作成を頼んでいます。物事をまとめる力、資料作成力がある方で、動画編集スキルも高く、AIで生成したキャラクターを取り入れるなどしてもらっています」（井上氏）

在宅ワーカーとは大事なポイントでオンラインミーティングも行うが、基本的にはチャットでやり取りしているという。大変だったことについて聞くと、困った事態があったことを教えてくれた。

「途中で忙しくなったという理由から、連絡が取れなくなった方がいて、私がずっと連絡を取り続けなければいけなかったことがありました。代わりとなる新しい在宅ワーカーが決まるまでの間は、私自身が稼働しなくてはならなかったので困りましたね。業務の進捗にもタイムラグが生じてしまいました」（井上氏）

圧倒的なコストパフォーマンスでWin-Winの関係が実現

「ママワークスサイト」の導入効果や良かったことを聞くと「業務スピードの向上」と「コストパフォーマンスの良さ」を挙げる。

「スキルが高く一生懸命働いてくれる方々に出会えて、業務が進んでいるという実感があることです。本当に感謝しています。また、これまでもデザイナーに案件単価制で業務委託したことがありますが、時間単価制での委託は初めてで、どちらも一長一短はありますが、将来的には月額固定でしっかり定着してくれるスタッフがいてくれたらありがたいですね」（井上氏）

最後に井上氏から、在宅ワーカーの導入を検討している企業へメッセージをもらった。

「導入に向いているかどうかは業種にもよると思いますが、対面で仕事を確認しなければいけない仕事でなければ、圧倒的にコストパフォーマンスは優れていると感じます。在宅ワーカーの都合の良い時間で稼働してもらえるのはその方にとってもメリットが高いですし、お互いWin-Winの関係なのは理想ですよね」（井上氏）