コロナ禍の売り上げゼロから三本柱の事業構造へ転換。「クラプロ」と「Sales Platform」を活用し、EC強化とオリジナル商品の受注を実現
辰巳屋食品株式会社
代表取締役 田中 民夫 様ご利用中のサービス
Sales Platformクラプロ
- 課題
社長一人が営業を兼任しており、新たな販路開拓に割くリソースとノウハウが不足していた
- 解決策
「クラプロ」と「Sales Platform」を導入し、EC強化と電話営業による新規開拓を実施
- 成果
Amazonでの主力商品ヒットに加え、電話営業をきっかけとした新規取引先からのオリジナル商品の製造受注が実現
辰巳屋食品株式会社は、奈良漬の生産量において日本一を誇る徳島県板野郡藍住町に拠点を置き、1935年の創業以来、奈良漬をはじめとする漬物の製造・販売を手がけている。同社は農業生産法人としての顔も持ち、自社農場での栽培に加え、約40軒の契約農家と連携。「安全・安心・健康」を基本理念とし、自然の恵みを最大限に活かした製品づくりを行っている。近年では伝統的な漬物だけでなく、「にんじんスナック」のような新規カテゴリーへの進出や、自社ECサイト、YouTube、SNSを活用した情報発信にも注力。伝統産業と現代の消費者ニーズの融合を図りながら、地域資源を活かした事業展開を進めている。今回は、代表取締役の田中民夫氏に、コロナ禍をきっかけとした事業構造の転換において、「クラプロ」と「Sales Platform」を導入した背景や、その後の成果と今後の展望について話を伺った。
コンビニ市場での経験とコロナ禍の危機。自社の「あるべき姿」と販路分散の決意

辰巳屋食品の事業基盤の背景には、代表の田中氏が青年期に経験した流通業界の激動が影響している。田中氏は家業を継ぐ前、東京の漬物メーカーへ就職し、急成長していたコンビニエンスストア向けにサラダや惣菜を製造する工場で大量生産の最前線を学んだ。徳島に戻った後、その経験を活かして自社でもコンビニエンスストア向けの商品開発に挑戦したが、やがてそのビジネスモデルに違和感を覚えたという。
「コンビニエンスストア向けの商品は入れ替わりが激しく、売上規模を作ることが主眼に置かれます。しかし我々には『農業生産法人として、いかに農業を応援するか』というスタンスがあります。農家さんが安心して野菜を作り、我々がそれに付加価値をつけて高く買い取る。そして年間を通じて農家さんや自社の従業員に安定した収入と雇用をもたらす。そう考えた時、小回りを利かせ、同じ品質のものを季節問わず長く作り続けられる商品づくりの方が我々に合っていると判断しました」(田中氏)
こうして同社は、スーパーマーケット、外食産業、そしてECという三つの柱で主力商品を安定供給する体制へと舵を切った。しかし、順調に売り上げを伸ばしていた矢先、新型コロナウイルスの影響で外食向けの注文が突然ゼロになるという未曾有の危機に見舞われる。
「あの時期、屋台骨を支えてくれたのはスーパーマーケットでの好調な売り上げでした。一つの販路に偏ってはいけないと痛感するとともに、自分たちの手でエンドユーザーまで商品を届ける小売り分野の強化が急務だと強く感じるようになりました」(田中氏)
しかし、同社で営業を担当しているのは田中氏一人。多岐にわたる経営業務に忙殺される中、新たな販路開拓に割くリソースもノウハウも不足していた。そんな時期にアイドマ・ホールディングスからの案内を受け、月額の費用感の手頃さと、自社にないWebマーケティングの知識を提供してくれる担当者の姿勢に惹かれ、支援の導入を決意した。
「クラプロ」でEC強化、「Sales Platform」で新規開拓。両輪で進める販路拡大

エンドユーザーへの直接販売を強化すべく、辰巳屋食品はまず「クラプロ」を導入。自社ホームページのリニューアルやECサイトの構築を進めるとともに、Amazonへの出品にも挑戦した。
「過去に別のECモールに出店した際、固定費ばかりかかって全く売れなかった苦い経験があり、最初はモール出品に後ろ向きでした。しかし、試しに年末の繁忙期前にAmazonのページをオープンさせたところ、迎春商品の『千枚漬』がまたたく間に売れ始めたのです。12月は工場がパンク寸前になり、慌てて広告を取り下げて販売を抑えなければならないほどの盛況ぶりでした。巨大なモールに出店したことで、確実にお客様の目にとまる回数が増えたと実感しています」(田中氏)
Web施策に手応えを感じた田中氏は、続いてBtoB向けの新規卸売先を開拓するため、「Sales Platform」を追加導入した。ターゲット選定から電話営業でのアプローチまでをアイドマ・ホールディングスが代行し、田中氏はアポイントを獲得した商談に集中する体制を構築した。
「自分一人では、到底そこまで電話営業を行うことはできません。アプローチを代行してもらい、反応があったところとだけ話を詰めていくやり方は非常に効率的です。実際に全国の物産店やお土産物屋さんから問い合わせが入り、テスト販売へと繋がっています」(田中氏)
中でも特筆すべきは、京都の企業から舞い込んだオリジナル商品の製造依頼だ。京都のお土産物屋から「現地の瓜を使って、地元にこだわった奈良漬を作ってほしい」という相談があったのだ。夏の間に京都で瓜を塩漬けにし、それを徳島へ送って同社が1年かけて奈良漬に仕上げるという、通常では考えられない独自の取り組みがスタートした。そして、田中氏は確かな成果を実感している。
「アイドマさんにお願いしていなければ、このようなご縁は絶対に生まれていませんでした」(田中氏)
地域資源を活かした事業展開と、100年企業への挑戦

「クラプロ」と「Sales Platform」の導入により、営業活動の一部を仕組み化することに成功した辰巳屋食品。田中氏は今後の会社の展望として、自社単独の成長にとどまらず、地域全体を巻き込んだ大きなビジョンを描いている。
「徳島県は奈良漬の原料である『白瓜』の生産量がぶっちぎりの日本一です。この白瓜にスポットライトを当て、地元の漬物屋、ラーメン屋、居酒屋等の外食店舗様などと共同で地域のB級グルメのようなものを開発したいと企画しています。こうした新しい取り組みを発信する際にも、ECやSNSは強力な武器になるはずです」(田中氏)
さらに田中氏は、農家出身ではない若者たちが農業の魅力に惹かれて集まっている現状に触れ、次のように語る。
「彼らが作ったものを我々が高く買い取り、きちんとお金に変えるシステムを作りたいと思っています。農業を若者が自ら選ぶ魅力的な職業にしていきたいですね」(田中氏)
同社が目指すのは、いたずらに規模を追うことではなく、お客さんや地域に受け入れられ共に歩む「100年続く会社」だ。
最後に、同じように課題を抱える経営者へ向けて、田中氏から力強いメッセージをいただいた。
「日本人のルーツはものづくりにありますが、『良いものを作る』だけで満足してしまっている人が少なくありません。物を作って、販売し、きちんとお金として回収して、仕入れ先や従業員に還元する。そこまでやって初めて一つの仕事です。既存の商売だけでは足りないと感じている方は、ぜひ自分が見たことのない領域、例えばWebマーケティングや営業支援といった新しい手法に目を向けてみてください。まずは恐れずに、いろいろなことに挑戦してみてほしいと思います」(田中氏)
辰巳屋食品株式会社
事業内容
漬物製造、販売
