「HRユニット」導入で感覚採用から脱却。理念経営を支える人材戦略
M's relation
代表 宮本 崇弘 様ご利用中のサービス
Crowd Members
- 課題
地方建設業で採用が縁頼みに偏り、採用基準も曖昧であった
- 解決策
「HRユニット」を導入し、理念を軸にした採用基準を体系化
- 成果
採用が経営戦略の一部に。理念に基づく戦略採用へ転換し組織拡張を実現
M’s relationは、石川県金沢市に拠点を置く解体工事業者である。代表を務める宮本崇弘氏は、内装解体からスタートし、現在は住宅やビルなど幅広い解体工事を手掛けている。従業員は2名。「HRユニット」の実行体制として、アイドマ・ホールディングスからアサインされた在宅ワーカー3名が採用業務を担う。創業から5年目を迎える同社は、事業拡大に伴う人材確保を課題とし、「HRユニット」を導入した。今回は、創業の背景と現在の採用戦略、そして今後の展望について話を伺った。
解体業界のイメージを変える。綺麗な施工への理念

M’s relationは2022年に創立した解体工事業者である。石川県金沢市を拠点に、建物の取り壊しだけでなく、整地後の土地活用提案まで一貫して対応している。創業の原点には、業界のイメージを変えたいという強い思いがあった。
解体業は「汚い・危ない・荒い」という印象を持たれやすい。宮本崇弘氏は、その固定観念を覆すことが事業の存在意義であると位置づけた。工事の過程から完了後まで清潔さを保ち、近隣住民への配慮を徹底する。その積み重ねが企業価値をつくると考えている。
「解体工事は壊す仕事ですが、現場は常に綺麗であるべきだと考えています。近隣の方が安心できる環境をつくることが、弊社の責任です」(宮本氏)
創業当初は代表一人からのスタートであった。徐々に受注が安定し、現場体制も整い始めた。事業が軌道に乗るにつれ、次に見えてきたのは組織としての持続性である。
技術力だけでは、理念は浸透しない。綺麗な施工を実現するには、価値観を共有する人材の存在が不可欠である。宮本氏は、理念を軸にした組織づくりの必要性を強く認識していた。
「綺麗な施工を続けるためには、技術よりも考え方が重要です。同じ価値観を持つ仲間と組織をつくる必要があると感じました」(宮本氏)
採用を単なる人員補充ではなく、理念を実現するための経営戦略として再設計する必要がある。その認識が、同社の人材戦略を大きく転換させる起点となった。
採用の迷いを仕組みへ転換 「HRユニット」導入の背景と実行体制

創業から3年目を迎えた頃、M’s relationは事業拡大と人材確保の両立という壁に直面していた。受注は安定しつつあったが、代表自らが現場に立ち、営業と経営判断を担う体制では、採用活動に十分な時間を割くことができなかった。紹介や縁に頼る場面も多く、安定的な採用には至っていなかったという。
「縁だけでは限界があると感じていました。現場と経営を同時に回す中で、採用はどうしても後回しになっていました」(宮本氏)
さらに大きかったのは、採用基準の曖昧さである。応募者を前にしても、何をもって合否を判断すべきかが明確ではなく、感覚に頼る場面も少なくなかった。
「基準がはっきりしていないので、採用してよいのか迷うことが多かったです。正直、感覚で決めていた部分もありました」(宮本氏)
こうした状況を打開するために導入したのが「HRユニット」である。まず取り組んだのは、自社の理念や将来像の言語化だった。「綺麗な施工」「近隣への配慮」といった価値観を整理し、それを体現できる人物像を明確に定義。採用ターゲットの具体化、求人原稿の改善、面接評価項目の標準化へと落とし込んでいった。
「自分が話していることを、きちんと文字にして具現化してくれるのが大きかったです。頭の中が整理されました」(宮本氏)
また、HRユニットの実行体制として、アイドマから在宅ワーカー3人がアサインされた。求人媒体の管理、応募者対応、一次面談の日程調整、応募データの整理などを担う体制を構築。代表は最終面接と意思決定に集中できる環境が整った。
「在宅ワーカーの方に実務を担っていただくことで、私は最終判断に集中できるようになりました。役割が明確になり、採用が後手に回ることもなくなりました」(宮本氏)
さらに、外部の視点で自社の弱点を指摘してもらえることも価値だったという。
「相談相手がいることが大きいです。自分では気づかない弱い部分を指摘してもらえるので、判断に迷いが少なくなりました」(宮本氏)
HRユニットの導入は、単なる採用代行ではない。理念を軸に採用を再設計し、実行体制まで含めて構築することで、感覚に頼っていた採用を経営と直結した仕組みへと転換する取り組みであった。
採用を経営戦略へ昇華 組織づくりの軸が明確に

「HRユニット」の導入によって、同社の変化は採用活動の改善にとどまらなかった。最も大きな成果は、採用が経営判断の基準そのものになったことである。
これまで事業拡大の可否は、現場の忙しさや感覚的な余力で判断する場面もあった。しかし現在は、「どの役割を担う人材がいるのか」「理念を体現できる体制が整っているか」という視点で意思決定を行うようになった。人員の数ではなく、役割と質で判断する体制へと変化したのである。
「人が足りるかどうかではなく、役割が明確になっているかどうかで判断するようになりました。採用を軸に経営を考えるようになったことは大きな変化です」(宮本氏)
また、採用基準が明確になったことで、組織全体の責任範囲も整理された。現場の品質管理、近隣配慮、土地活用提案といった各機能を誰が担うのかを言語化できたことで、事業の拡張可能性を冷静に見極められるようになった。
「どこまで事業を広げられるのかを、感覚ではなく体制で判断できるようになりました。迷いが減ったことが一番の成果です」(宮本氏)
採用を仕組み化したことで、利益構造への意識もより明確になった。人材は最大の投資であり、同時に最大の責任でもある。だからこそ、理念に合う人材を見極めるプロセスが重要になる。採用は単なる人数補充ではなく、企業の未来を設計する行為であるという認識が社内に定着しつつある。
今後は、解体工事を起点に土地活用提案までを強化し、地域に根差した総合サービス体制を構築する方針だ。理念を軸とした採用戦略を継続しながら、無理な拡大ではなく、組織体制に裏付けられた成長を目指す。
最後に宮本氏は、次のように語った。
「採用を仕組みとして整えたことで、経営判断に迷いが少なくなりました。これからも理念を軸に、持続的に成長できる組織をつくっていきます」(宮本氏)
M's relation
事業内容
解体工事業
