子育てが教えてくれた、成長する組織への第一歩
株式会社フリーループ
代表取締役 池田 浩司 様ご利用中のサービス
クラプロCrowd Members
- 課題
子育てと仕事の両立に向き合う中で、“一人で抱える”働き方からの転換を決意
- 解決策
業務の棚卸を行い、在宅ワーカーを活用した適材適所の体制づくりを強化
- 成果
コア業務に専念できる環境を実現し、将来の内製化に向けた事業基盤を構築
株式会社フリーループは、愛知県を拠点に、製菓・製パン業界をはじめとする各種機器の導入・撤去作業、設計、メンテナンス事業を展開している2022年創業の企業だ。創業者であり代表取締役の池田浩司氏が前職の企業と協力し、少数精鋭ながら幅広いサービスを提供している。現在では、在宅ワーカー6名を活用しながら、会社運営を行っている代表取締役の池田浩司氏に、在宅ワーカー導入のきっかけや成果について話を聞いた。
きっかけは「子どもとの時間」──事業スタイルを見直すターニングポイント
まずは、池田氏から、株式会社フリーループの事業内容を教えてもらう。
「フリーループは、『製菓・製パン機器のトータルパートナー』として、製菓・製パン業界に寄り添うことを大切にしています。機械の導入・撤去、設置、移設、さらには中古機器の買取まで、ワンストップで対応可能です。複数の業者と調整する手間を省き、お客様の負担を大幅に軽減できる点が強みです。
私がフリーループを立ち上げたのは、サラリーマン時代に長男と、現在5歳と4歳になる子どもたちに発達障がいがあり、遠距離の出張やフルタイムで働き続けることへのむずかしさを感じていました。そのため、前職の社長と相談し、“仲間としてこのままやっていこう”と独立を後押ししてもらいました」(池田氏)
社名である「フリーループ」には、「たまり場」というコンセプトをもとに「自由な輪=人と人、人と商品、人と機械をつなぐ場」としての企業を目指し、英語で「自由な輪=Free Loop」と表現。ロゴには無限(インフィニティ)を示すループのモチーフを取り入れ、「高貴で清らかな」紫色を採用した。
「紫は妻が好きな色でもあり、人生の節目にふさわしい色。ロゴのグラデーションや円のモチーフにも想いを込めました」(池田氏)
このようにして、池田氏の“個人の想い”が企業理念として形を帯び、フリーループの土台となっているようだ。
ロゴ制作を機に“外注する発想”が芽生え、「ママワークス」で業務効率化へ
前職では、一人で抱える業務の多さから、育児休暇を取ったとしても、仕事が積み重なるだけで誰もカバーしてくれず、休んだことが損失になるという状況に直面したという。
「引き継ぎが完了したはずの業務が一部残ってしまっていたり、タスクの進行管理が滞っている状況もありました。休んだ分だけ、自分がどこかで穴埋めをしなければならない、そんな働き方に限界を感じました」(池田氏)
しかし、もともとすべて自分でやることが当たり前だった池田氏にとって、外部人材を活用するという発想は身近なものではなかった。転機となったのは、ロゴデザインの依頼である。クラウドソーシングを通じて募集をかけ、3万円で納得のいくロゴを制作してもらった経験が「できないことは人に任せてもいい」と思えるきっかけとなった。
「自分の頭の中に、外部の人に仕事を任せるというイメージがありましたが、何をどう始めれば良いか、全く分からず、形にするにはプロの力が必要でした」(池田氏)
この体験を皮切りに、徐々に外部サービスの活用を進めていく。ママワークスを通じて在宅ワーカーの募集を行い、現在では6名のスタッフと連携しながら、補助金申請の下調べやデータ入力、採用活動のサポートなど、業務の一部を任せている。
「最初は補助金申請の情報収集をお願いしました。専門性の高い分野でも、知識のある方に任せれば、自分は本業に集中できる。その結果、気持ちにも時間にも余裕が生まれました」(池田氏)
「クラプロ」でコーポレートサイトを刷新し、営業基盤を強化
企業としてのブランドイメージ構築を本格化させた池田氏は、クラプロを活用し、ホームページの全面リニューアルを実施した。社名の由来やビジョン、理念を丁寧に盛り込みつつ、事業内容や強みを明確に打ち出す構成に仕上げたことで、営業活動や商談時の説得力が格段に高まったという。
「クラプロでは、こちらの要望を細かくヒアリングしてもらい、理念やロゴの世界観がしっかりと伝わるサイトにしてもらえました。完成後は、自信を持って企業を紹介できるようになりました」(池田氏)
クラプロによるWebサイト刷新は、今後の営業展開における信頼構築の土台となり、池田氏が構想する事業の成長戦略を支える重要な要素となっている。業務の外注化によって本業への集中度も高まり、「餅は餅屋」の考え方が在宅ワーカー活用の基本姿勢となっている。
「倉庫を起点に、10名のチームで未来をつくる」──中古機械整備業の展望と挑戦
フリーループが目指す次のステップは、機械整備の内製化と、それを支える体制づくりだ。その鍵となるのが倉庫の確保である。池田氏は「好条件の物件があればすぐにでも動く」と語るほど強い意欲を持っており、現在も入札による取得に向けて動いている。
「まずは場所が必要。今の事業規模でも手狭になってきていて、大型機械の整備を本格的に行うには、専用のスペースが欠かせません。100坪くらいあれば十分。一時的な保管や整備、そして販売につなげていくための拠点になります」(池田氏)
構想するのは、機械整備と販売、メンテナンスまでをワンストップで対応できる体制。目標は10名規模のチームで、その中から3名以上の親方的な存在を育てること。また、SNSやLINEなどを活用した見積もりや診断サービスを導入し、遠方の顧客にも対応できる体制を整えつつある。
「売上だけでなく、利益率も重視したい。売上は2億を超える規模になりましたが、利益を取れる構造をつくることで、安定経営を目指しています。目標は5億規模の売上で10名体制。将来的に私が会長職に退いて、“好きなことをやる”人生もありかなと考えています」(池田氏)
最後に、同じように経営に悩む事業者へ向けたメッセージをお願いしたところ、池田氏はこう語った。
「自分でできないことは、できる人に任せる。それが、事業を前に進める一歩だと思います。専門家に任せて、自分の時間を確保することで、本業に集中できる環境をつくれば、結果的に企業は強くなると確信しています」(池田氏)
創業者の技術力と行動力、そして柔軟な発想が融合することで、フリーループはさらなる飛躍の準備を着々と進めている。
株式会社フリーループ
事業内容
機器導入・撤去作業、設計・メンテナンス事業