人手不足の壁を超えて─在宅ワーカー活用で業務効率アップ
泉昌宏税理士事務所
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Crowd Members
- 課題
独立当初から人手不足に悩み、業務が逼迫。人材確保もできていなかった
- 解決策
「ママワークス」を活用し、会計入力業務を担う在宅ワーカー5名と契約し、会計業務を依頼
- 成果
即戦力人材を確保し、業務効率が向上。今後は10名体制でさらなる生産性向上を目指す
泉昌宏税理士事務所は、埼玉県を拠点とする税理士事務所だ。会計書類や税務書類の作成、税務相談、経営コンサルティングを柱としている。代表の泉昌宏氏は、税理士として20年以上のキャリアを積んだのちに独立。従業員は2名、在宅ワーカー5名が活躍中。今回は代表の泉氏に、ママワークス導入の経緯と効果について話を伺った。
独立から1年、在宅ワーカーとの出会いが業務改善の転機に

泉昌宏税理士事務所は、2023年10月に開業した税理士事務所である。泉氏は、独立前は大手税理士法人に在籍し、最終的には代表社員として組織運営にも携わっていた。積み重ねてきた知見や顧客との信頼関係を活かし、独自の経営支援を行いたいという思いから独立を決意したという。
しかし、開業後は、前職から引き継いだお客様に加え、新たな紹介案件も増加。顧客基盤は順調に拡大していった。しかしその一方で、すぐに“人手不足”という壁にぶつかった。
「お客様は増えているのに、事務所の体制は私を含めて2名。記帳代行や決算書類の作成、申告業務、コンサルティングといった幅広い業務を少人数で回すのは限界がありました。正社員募集をしても応募がほとんどなく、このままでは業務が滞ってしまうという危機感を持っていました」(泉氏)
人材の確保が難しければ、顧客対応にも支障をきたす。泉氏は「お客様に迷惑をかけたくない」という一心で、外部リソースの活用を模索し始めた。そんな時、思いがけない出会いがあった。
「ある日、税理士仲間との会合で『人がいなくて困っている』と話したところ、『ママワークスを使ってみたらどうか』と紹介されたんです。その場で担当の方に連絡してくれて、5分後には私の携帯に電話がかかってきました。あまりのスピード感に驚きましたね」(泉氏)
それまで在宅ワーカーという仕組み自体に馴染みがなかった泉氏にとって、それは未知の選択肢だった。しかし、背に腹は代えられない状況の中で、一歩を踏み出す決意を固める。
「正直、最初は半信半疑でしたが、“やってみなければ何も変わらない”と思いました。限られた人員で品質を維持するために、在宅ワーカー活用に挑戦しようと決めました。そこから事務所の体制づくりが大きく変わっていったんです」(泉氏)
こうして泉氏は、経験と信念をもとに新たな仕組みの導入を決断。人手不足という課題を乗り越えるための改革が動き始めた。
在宅ワーカー5名体制で業務効率を向上、柔軟な働き方を実現

泉昌宏税理士事務所では、導入当初から明確に業務範囲を定め、在宅ワーカーに「会計入力業務」を委託している。現在は5名の在宅ワーカーが稼働し、泉氏と事務所スタッフと連携しながら日々の経理データを処理しているという。
「在宅ワーカーの方には、主にお客様からお預かりした領収書や帳簿のデータ入力をお願いしています。送付する資料はすべて宅配業者による手渡しでやり取りし、情報漏えいを防ぐ体制を整えています」(泉氏)
こうした環境づくりには、泉氏の長年の経験が活きている。セキュリティや作業効率を両立させる仕組みを構築することで、リモートでも安心して作業が進められるようになったという。
「最初はクラウド型ソフトも試したのですが、データを移し替える手間が発生して効率が悪かったんです。普段と同じやり方のほうが皆さんも安心できると考え、途中で当社専用の会計ソフトにリモートで接続していただく方法に切り替えました」(泉氏)
人材確保の面でも、「ママワークス」のサポートは大きな力になった。初回の求人掲載で40件近い応募があり、泉氏はその反響に驚いたという。
「正直、ここまで応募があるとは思いませんでした。しかも『会計事務所で働いていました』という経験者が多くて、本当に驚きました。一次面接はママワークスの事務局にサポートをお願いして、最終面接は私だけが担当する形にしたことで、採用活動の負担もだいぶ軽くなりました」(泉氏)
合否の決め手は、「会計事務所での実務経験」と「使用ソフトのスキル」だった。泉氏は面接の中で、あえて専門的な質問を投げかけ、経験値を見極めたという。
「例えば、『科目はどうやって呼び出していますか?』といった質問をします。操作方法を聞けば、どの程度ソフトを理解しているかが分かります。複数の会計ソフトを使った経験がある方は、“あのやり方ですね”とすぐ反応できるんです」(泉氏)
結果として、即戦力となる人材と契約でき、業務の安定化につながった。一方で、在宅ワーカーならではの課題も見えてきた。
「夏休みなどの長期休暇中は、お子さんの都合で稼働が減ることが分かりました。これは在宅ならではの特徴ですね。今後は、事前にスケジュールを確認したり、代替体制を整えたりして、無理のない運用を目指しています」(泉氏)
従来の働き方にとらわれず、柔軟に環境を整えていく姿勢こそ、泉氏の事務所が変化に強い理由だ。試行錯誤を重ねながら、在宅ワークの可能性を着実に形にしている。
業務負担の軽減と人材確保のスピードを実感、次の目標は10人体制へ

在宅ワーカーを導入してから約1年。泉昌宏税理士事務所は、業務効率の大幅な向上を実感している。
「以前は常に120%の稼働状態でしたが、今では100%程度に落ち着きました。体感的にも“ようやく業務が回る”状態になり、時間的なゆとりが生まれています」(泉氏)
導入初期こそリモートでの連携に不安を感じたが、在宅ワーカーの高いスキルと責任感がそれを払拭したという。応募時点で会計事務所経験者が多く、作業精度も高いため、泉氏が確認に割く時間は大幅に減った。結果として、より専門的な税務相談や経営コンサルティングといった「付加価値業務」に集中できるようになった。
「在宅ワーカーの方々は、非常に優秀でまじめです。業務報告も丁寧で、信頼関係を築けています。最初は“外部スタッフに会計処理を任せる”ことに抵抗もありましたが、今では安心して任せられます」(泉氏)
今後は、在宅ワーカーをさらに増員し、10名規模の体制を目指している。泉氏自身が行っている最終チェックを、ママワークス事務局のカスタマーサクセス担当者と分担することで、全体の生産性をさらに高める構想だ。
「今後は、チェック体制を一段と強化して品質の安定化を図りたいです。私の時間を戦略業務に充てられるようになれば、事務所全体の生産性が確実に上がると思います」(泉氏)
最後に、在宅ワーカー導入を検討する同業者へのメッセージを伺った。
「最初は不安もあると思います。でも、実際にやってみると“これほど助かる仕組みがあるのか”と感じます。在宅ワーカーの方々は経験豊富で真面目ですし、ママワークス事務局のサポートも手厚い。重要なのは、決定段階で信頼できる人を選び、業務ルールや資料管理の体制をきちんと整えることです。そこを意識すれば、在宅ワークは間違いなく大きな戦力になります」(泉氏)
人手不足に悩む税理士業界の中で、泉氏の取り組みは「在宅ワーク×専門職」という新しい働き方の可能性を示している。信頼と仕組みを基盤に、泉昌宏税理士事務所は次の成長ステージへと歩みを進めている。
泉昌宏税理士事務所
事業内容
会計書類、税務書類の作成 税務相談、コンサルティング
