地方の人材確保難を「ママワークス」で打破。EC構築から組織の仕組み化へ段階的に突き進むギガファームの挑戦
有限会社パインランドデーリィ
代表取締役 松村 孟 様ご利用中のサービス
Crowd MembersクラプロHRユニット
- 課題
地方特有の環境による事務スタッフの確保難と多角化する事業のバックオフィス効率化が急務であった
- 解決策
「ママワークス」や「採用支援ユニット」で基盤を作り「クラプロ」でECサイト構築を進めた
- 成果
専門スキルを持つワーカーの確保に成功し事務の効率化とオンライン販売の基盤構築を実現した
北海道紋別郡興部町に拠点を置く有限会社パインランドデーリィは、1908年の農業開始から100年以上の歴史を持つ。現在は総頭数2,000頭超を飼養する、北海道有数の乳肉複合ギガファームとして、生乳や黒毛和牛の生産をはじめ、食品の製造販売やバイオガス発電など多角的な事業を展開している。地方における人材確保が深刻な課題となる中、同社はアイドマ・ホールディングスの各種支援を段階的に導入し、全国の優秀な外部人材を結集する新たな組織体制を構築した。従業員数は64名、在宅ワーカーは2名が活躍中。今回は、代表取締役の松村孟氏に、事務業務の効率化を背景に「ママワークス」などを導入した経緯と、その後の成果や今後の展望について話を伺った。
地方の壁を越える最初の一歩。「ママワークス」と「採用支援ユニット」による人材活用の土台作り

前職である銀行での経験を活かし、酪農業界において「会社感」のある組織づくりを推進してきた代表取締役の松村氏。同社では、かつて大量のファイルで埋め尽くされていた書類管理をペーパーレス化するなど、自社主導で徹底した業務の効率化を進めてきた。しかし、事業の拡大に伴ってバックオフィス業務が急増。ここで直面したのが、地方企業特有の「事務スタッフの確保難」であった。
「牧場の現場業務であればこの土地に来ていただく必要がありますが、事務の仕事だけをするのであれば、わざわざ田舎へ移住する必要はありません。そのため、地方での募集活動にはどうしても不利な面があると感じていました。そこで、将来的に離れた拠点同士で円滑に業務が進められる仕組みを作りたいと、遠隔でのコミュニケーション手法を模索していたのです」(松村氏)
そのような中、社内の事務スタッフが関東へ転居することになり、試験的に在宅ワークでの業務継続を試みたところ、予想以上にスムーズに進行したという。この成功体験を機に、松村氏は外部のワーカー活用を決意。2024年3月に「ママワークス」、翌月には「採用支援ユニット」を導入し、全国の働きたい人材へ向けたアプローチを開始した。
「募集をかけても人が集まりにくい地方に比べ、在宅ワークであれば全国から優秀な方を募集できます。競争の少ないブルーオーシャンな領域へ目を向けるべきだと考え、アイドマさんが提供する『ママワークス』の活用を決めました。実際に契約してみると、最初に業務をお願いした事務の在宅ワーカーさんが能力の高い方で、自社にはないITツールの知識を豊富に持っていらっしゃいました。並行して『採用支援ユニット』も活用することで、全国から優秀な人材を募るための土台作りが進みました。直接的な契約とは異なり、社会保険料の負担がなく柔軟な契約形態であるため、自社の業務内容に合わせて適正な業務単価でお互いに納得して進められる点に、大きなメリットを感じています」(松村氏)
6次産業化を加速させる第二の矢。「クラプロ」で挑むオンライン販売の刷新

「ママワークス」によって毎日の営業事務を担うワーカー2名が定着し、パンフレットや動画制作を担うクリエイティブ人材との接点もできた同社は、2024年8月、次なるフェーズとしてWebマーケティングを支援する「クラプロ」を追加導入した。これまでは牧場のインフラ整備や生産体制の確立を最優先にしてきたが、経営が完全に軌道に乗ったタイミングで、6次産業化の柱である食品の製造販売に本腰を入れるためだ。
「自社で製造している乳製品やスイーツのオンライン販売をさらに強化したいと考えていましたが、既存のECサイトは機能面や見せ方の面で少し物足りなさを感じていました。せっかく注力するのであれば、よりオンライン販売に適したツールへ刷新しようと考え、Webサイト構築のスキルを持つ在宅ワーカーさんをサポートしてもらうために『クラプロ』を取り入れたのです」(松村氏)
同社が目指すのは、単にサイトを立ち上げるだけでなく、全国へ確実に商品を届ける仕組みづくりだ。現在は、シェイクやアイスのほか、配送時に形が崩れやすいという課題のあったプリンの輸送問題をすべてクリアし、パッケージの最終調整を業者と進めている段階である。
「これまでは自社での広報活動やSNSの運用において、表現したい内容と実際の運用がうまく噛み合わないといった試行錯誤のトラブルもありました。しかし、こうした経験を経て自社に合う人材や運用の見定め方が少しずつ分かってきています。商品開発の完了に合わせて新しいECサイトへ移行し、これからは『クラプロ』本来の効果を発揮してもらうフェーズだと考えています。外部の力を借りながら、商品の見せ方や販売戦略を一から構築していきます」(松村氏)
「ママワークス」が導く仕組み化。ポジティブな組織と未来のコンサルティング構想

事務の効率化とECサイトの基盤構築という2つのステップを踏んだ同社は、現在「ママワークス」の活用をさらに深化させるフェーズへと移行している。これは、単に在宅ワーカーを募集して業務を切り出すだけでなく、自社内でマネジメントを自立的に実行し、組織全体の生産性を高めるための仕組み化を目指すステップアップを意味している。松村氏の根底には、「愚痴を言わない」という行動指針に表れるような、ポジティブな組織づくりの哲学がある。
「愚痴を言う人の周りには不満を持つ人が集まりますが、前向きな姿勢は普段の会話から周囲に伝わります。経営者としてどちらにチャンスを与えるべきかは明確であり、この価値観を浸透させることが組織の成長には不可欠です。アイドマさんには、私たちが自立して在宅ワーカーさんのマネジメントを行えるよう手法をレクチャーしてもらい、伴走支援を受けることで、安定して稼働する組織の土台が整いつつあります」(松村氏)
この段階的な取り組みで得たノウハウは、同社のさらなる規模拡大だけでなく、酪農業界全体の課題解決へ向けた未来のビジョンへとつながっている。
「将来的に、もう一つ同規模の牧場をつくる日が来れば事務作業は2重になりますが、その際は在宅ワーカーさんを増員して対応できる体制がすでにできています。さらに、この在宅ワークを活用した業務効率化のノウハウは、他の牧場にとっても強力なソリューションになるはずです。まずは私たちが他の牧場へ『ヘルパー』として入り、信頼関係を築いた上で現場の課題をヒアリングし、スマホで撮影して送ってもらったデータを全国の在宅ワーカーさんが集計・管理するような、牧場向けの事務代行・コンサルティング事業を展開していきたいと考えています。地方企業こそ、地域内だけで人材を探すという固定概念を捨て、全国の優秀な方々と契約して業務を進める仕組みを一度試してみてほしいと思います」(松村氏)
有限会社パインランドデーリィ
事業内容
生乳生産、後継牛の育成、黒毛和牛の生産、自給飼料の生産、食品の製造販売、バイオガス発電
