事業承継は誰に相談すれば良い?相談先ごとの特徴や選び方を徹底解説

事業承継は誰に相談すれば良い?相談先ごとの特徴や選び方を徹底解説

事業承継の対策で悩む経営者は多い

現在経営している会社の将来や、事業をどのように承継させるかについて考えたことはありますか?経営者の年齢がまだ若いのであれば、先の話だと考える人も多いのかもしれません。

現在日本国内は後継者がおらず、会社や事業を廃業するパターンが増加しており、大きな問題となっています。事業承継には多くのやるべきことと長い年月が必要となるため、経営者が高齢になってからのスタートでは遅く、スムーズな事業承継ができない一因ともなっています。早めに準備を進めていきましょう。スムーズに進めるためには専門家に相談するのがおすすめです。

今回は事業承継を考えたときに、誰に相談すべきか解説します。相談先ごとの特長にも触れているので、選ぶ際の参考にしてください。

事業承継の相談先を知っておこう

事業承継の相談先を知っておこう

事業承継は専門的な知識や経験が必要となるため、専門家に相談しながら進めるケースが多くみられます。スムーズに進めるためには、専門的なアドバイスが重要になりますので、まずはどこに相談するか決めることが大切です。

事業承継となると、一般的には税理士をイメージする人が多いかもしれません。しかし相談に適したところは他にもあります。会社の規模や取引先との関係などを考慮し、最適な相談先を見つけましょう。

自社の顧問税理士

後継者が親族内の場合は贈与税や相続税の支払いが必要です。そのため税のスペシャリストである税理士は。最適の相談相手だといえます。税理士に会社内の会計業務などを依頼している中小企業も多いのではないでしょうか。

顧問税理士がいれば、まずその人に相談するのがおすすめです。社内の事情をすでに理解できている分、スムーズに話を進めやすいでしょう。しかし税理士の仕事は広範囲のため、事業承継を扱った経験がない人もいます。

特に「事業承継税制」は2009年度税制改正により始まったため、取り扱ったことがないという税理士も少なくありません。顧問税理士があまり詳しくないからという理由で事業承継を諦めてしまうケースもありますが、まずは顧問弁護士へ相談して方針を検討してみましょう。

取り引きで利用している金融機関

取り引きで利用している金融機関があれば、声をかけやすく相談しやすい相手といえます。普段から事業承継に力を入れている金融機関が多いため、事業承継の知識を持っている社員も多くいるでしょう。

取引先が多く街の経営事情にも精通しているので、事業承継の専門家を紹介してもらえる場合もあります。ただし専門家ではないため、手続きを代行してもらえる訳ではありません。あくまで適した専門家を紹介してもらえると考えておきましょう。どのような流れで進めるべきかアドバイスしてもらえるケースもあります。

最寄りの商工会議所

地域の個人事業主や中小企業者に対して細やかな経営相談を行っている、商工会議所。入会し会員になると経営に役立つ各種セミナーへの参加や、休業補償などを受けられます。各地域に存在しており、事業承継に関するフォローも行っているので活用してみてはいかがでしょうか。必要に応じて税理士や事業引継ぎの支援センターを紹介してくれます。

また事業承継がどの程度進んでいるかだけではなく、やるべきことは何かをアドバイスしてくれる事業承継診断ツールの利用も可能です。事業承継セミナーでは、さまざまなパターンを想定して開催しているので参考になるでしょう。

商工会議所への入会にあたり入会金や年会費は必要となりますが、相談や診断は無料で受けられます。既に商工会議所に入会しているのであれば、積極的に利用してみましょう。

事業承継を担当するコンサルティング会社や仲介業者

税の専門家「税理士」と肩を並べる相談相手といえば、事業承継を専門に扱うコンサルティング会社や仲介業者ではないでしょうか。M&Aに特化している企業も多いので、売却なども検討しているのであれば最適といえます。事業承継にはさまざまなパターンがあるため、経験豊富な専門のコンサルティング会社や仲介業者は心強い相談相手となるでしょう。

事業引継ぎ相談窓口や事業引継ぎ支援センター

「事業引継ぎ相談窓口」や「事業引継ぎ支援センター」は中小企業庁から委託を受けている公的機関です。事業承継に関する業務を依頼できる訳ではありませんが、情報提供やアドバイスを受けられます。

事業承継を専門に扱う企業が人口の少ない地域には存在しない可能性もありますが、事業引継ぎ相談窓口は47都道府県の認定支援機関に設置されています。中小企業基盤整備機構のサイトで相談窓口の一覧が見られるので、一度確認してみてはいかがでしょうか。

事業承継に精通した士業

事業承継に精通した士業といえば税理士のイメージが強い人もいるかもしれません。しかし弁護士・公認会計士・司法書士・行政書士も取り扱っています。ただしこれらの職業であれば全員が行っている訳ではありません。あらかじめ事業承継についての取り扱いがあるかを確認しましょう。身近にいずれかの人材がいるのであれば、まずは声をかけてみてはいかがでしょうか。

円滑に事業承継をおこなうポイント

円滑に事業承継をおこなうポイント

事業承継は後継者を決めれば終わりではありません。会社の資産や社員、取引先や税金の問題など検討しなければならない項目が多いだけでなく、後継者の育成も必要です。円滑に進めるためには、いくつかポイントがあります。重要となる点を把握し、スムーズに事業承継ができるよう準備しておきましょう。

なるべく早く後継者を決める

事業承継には長い期間が必要になります。なぜなら後継者を育てる必要があるからです。会社の経営資源と資産を受け継ぐだけでなく、経営者としての経営理念も理解してもらう必要があります。

今の経営者が若い場合、次の後継者を選ぶイメージがつきにくいこともあるでしょう。しかし万が一の事態が起こる可能性もゼロではありません。会社の指揮をとる経営者が不在になってしまうと、会社に勤めている従業員の生活を脅かす事態となります。なるべく早く後継者を決めることが大切です。

相談先に支払う費用が適正か確認する

事業承継に限ったことではありませんが、時間がない状態で焦って物事を決めてしまうと、その決断が本当に適切なのか見えなくなることがあります。早い段階から事業承継に向けて動き出していれば時間の余裕があるため、相談先に支払う費用が適正価格なのかを冷静に判断することができるでしょう。

急いで進めようとすれば、相談先を比べる時間がないため言われるがままに費用を支払ってしまい、莫大な金額を失うこともあるかもしれません。事業引継ぎ相談窓口などでは、初回相談料が無料の場合もあります。費用が気になる場合は、あらかじめ聞いておきましょう。

相談先が事業承継に携わった実績をチェックする

どのような実績があるのかチェックしましょう。例えば事業承継は、身近な人を後継者にする以外にも「M&A」という方法があります。M&Aは経験やこれまでの実績が重要なので、自社を売却する形で承継したいと考える場合は、M&Aを専門にしている会社を選ぶのがおすすめです。

また事業承継はさまざまなケースが存在します。自社のケースに似た案件を多く取り扱った経験があると、さらに安心して相談できるでしょう。

事業承継計画書を活用する

事業承継計画書とは、事業承継の方法や現状・課題などをまとめたものです。計画的に事業承継を進められるだけでなく、計画を可視化することで関係者と考えを共有できるという面もあります。

また事業承継計画書は、贈与税と相続税の支払いが猶予または免除される「事業承継税制」を申し込む際に必要です。あらかじめ作成しておけば事業承継をスムーズに進められるので、早い段階から作成しておきましょう。

事業承継にかかる税金も考慮する

後継者は会社を引き継ぐ際に、相続税と贈与税の支払いが必要です。後継者不足による廃業が増加している問題を解決するため税制改正が行われ、一定の項目を満たしていれば相続税と贈与税の支払いが免除される「事業承継税制」が制定されました。

事業承継税制は2027年までの贈与や相続が対象です。どのタイミングで申請するかによって課税額が大きく変わるので、早めに計画しましょう。

相性の合う担当者と事業承継を進めよう

事業承継はこれまで自分自身が大切に築き上げてきた組織の将来を決める大切なものです。自分の今後のためだけでなく、従業員の将来を左右する分岐点になるので、早い段階から計画し円滑に進めていきましょう。

計画する際、誰に相談するかで悩むこともあるかもしれません。信頼がおけて相性の合う担当者を選ぶことが大切です。事業承継に関して相談できる先は複数あるので、さまざまな専門家から話を聞くとよいでしょう。

後継者が決まらず事業の継続を諦めてしまう人は年々増加しています。早期から準備ができなかった場合でも、相談することで良い方向へつながることもあります。まずは身近にいる人や機関へ話を聞きに行ってみませんか。

この記事を書いた人

DX支援メディア編集長
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