事業承継の成功事例5選!円滑に事業承継するポイントも教えます

事業承継の成功事例5選!円滑に事業承継するポイントも教えます

事業承継はうまくいくとは限らない

後継者が決定しただけで事業承継は大丈夫と思ってはいませんか?その段階では、スタート地点に立っただけの状態です。

現在日本国内では、事業承継できずに事業を廃業させてしまう企業の増加が大きな問題となっています。しかし国からの補助や呼びかけもあり、事業承継について考える経営者は増えてきました。とはいえ実際に検討し行動を始めるのは、腰が重いと感じる方は多いでしょう。

また事業承継にはさまざまな事例があり、望む通りの結果になるケースもあれば、そうとはいえないケースも多くあります。今回は事業承継の成功事例と、円滑に事業承継を進めるポイントを解説します。失敗事例も併せて解説するので、これから事業承継を考えている方は参考にしてください。

事業承継の成功事例

事業承継の成功事例

自身が事業承継をするタイミングを迎えたときに、スムーズに進められるのか不安に思う方は多いのではないでしょうか。事業承継は親族が引き継ぐ親族内承継や、従業員や役員が引き継ぐ親族外承継、M&Aなどさまざまなケースがあります。

ここでは実際に事業承継で成功した事例を5つ紹介します。自社のケースに近い事例があれば参考にしてみましょう。

後継者の早期育成によって事業承継が成功した事例

ある製造業を営む経営者には子供がいなかったため、早い段階から事業承継のために行動を開始します。経営者は従業員のなかから後継者を選ぶ方法を選択しました。後継者に選ばれた従業員へは5年の歳月をかけて、経営ノウハウ、従業員・取引先への関係構築をした結果、スムーズに事業承継を完了できたそうです。

多くの経営者は、自身の引退を考え始めてからようやく後継者探しを始めます。しかし自身の引退が想像できる時期になって考え始めるようでは、すでに遅い場合もあります。現役のときから、後継者を育てていかなければなりません。後継者を早期育成する大切さに気付き、育成に時間をかけた結果、成功した事例です。

関係者に株を買い取ってもらい事業承継をした成功事例

経営者は、親族や従業員のなかに後継者に適任な人材が見つからず頭を抱えていました。そこで事業継続のために経営者がとった方法は、取引先や関係者に株を買い取ってもらうことでした。買い取ってもらった結果、企業に関わることはできなくなりましたが、事業継承も無事に完了し、事業は安定して継続できているそうです。

長く経営に携わっていれば、引退後に関わりを失うことを残念に思い、躊躇うこともあるでしょう。しかし事業を継続させる点に重きを置く場合に、株式を買い取ってもらうのは最善の方法といえます。

大手企業に事業を売却して事業承継に成功した事例

調剤薬局を営んでいた経営者は、年齢的に引退を考える時期になり、事業承継について真剣に考えるようになりました。子どもは4人いましたが薬学の道へ進んだ者はおらず、親族内承継の方法は経たれてしまいます。

そこで取引のある銀行へ、相談してみることにしました。するとすぐにM&Aの仲介業者を紹介してもらい、大手調剤薬局へ事業が引き継がれることとなったのです。実際に事業承継を考え始めたところで、知識も経験もない場合であれば独自で進めることはとても困難なことです。

何から始めれば良いのかを迷ったときは、まず専門機関や専門家に相談することが大切です。この事例では取引先の銀行が良い相談相手となりましたが、各地にある商工会議所なども事業承継の推進に力を入れています。

税金面での優遇を受けて事業承継できた成功事例

金属製品の製造業を営む経営者は、早期から自身の娘婿を後継者にしようと考え、他社から自社へ呼び寄せておきました。しかし数年後、経営者は突然体調不良に見舞われてしまいます。

年月をかけて少しずつ資産承継について検討を始める予定でしたが、回復が難しいため1年後に後継者が社長に就任しました。ドタバタと慌ただしく事業承継が進められましたが、事前に事業承継税制を申請していたため、相続税の全額猶予を受けられました。

まだ健康だからと思っていても、いつ何が起こるかは誰にもわかりません。経営者の身に突然何かが起こった場合でも、スムーズに事業承継できる準備をしておく必要があります。

専門家との連携で事業承継を成功させた事例

事業承継を検討し始めた経営者が最初に相談したのは「事業引継ぎ支援センター」でした。事業引継ぎ支援センターとは、国が設置する公的な相談窓口です。多くは商工会議所などに設置されており、47都道府県にあります。

この会社には、支援センターから派遣された事業承継の専門家と顧問税理士が協力してスムーズに事業承継が行われました。事業承継の専門家がサポートにつくことで、適切なアドバイスを受けられたのが成功のポイントといえます。

弁護士・税理士に相談するのもおすすめですが、事業承継が専門ではない方もいるので、事業承継の専門家にも併せて相談するのがよいでしょう。

事業承継の失敗事例も知っておこう

事業承継の失敗事例も知っておこう

事業承継が思うようにいかなかったケースもあります。ここでは多くの経営者が陥りやすい失敗例を2つ紹介します。何が原因で失敗したのか把握することで、回避できる可能性は上がるでしょう。

準備不足で円滑に事業承継できなかった事例

経営者はまだ若く体力に自信があったため、自身が引退することを想像していませんでした。息子がいたため、ゆくゆくは息子に会社を継がせようと決めていたものの、まだ時間があると考えていたために行動を起こしていませんでした。

ところがある日、経営者が倒れて息子が急きょ経営を引き継ぐことになります。しかし事業承継に関して何も対策をとっていなかったうえ、引継ぎも皆無だったため何もわかりませんでした。手探り状態でなんとか経営を維持していましたが、当然のごとく経営は悪化の一途をたどり始めます。その結果、従業員の多くが不安を抱き離職する事態へと発展してしまいました。

このケースは、早期から後継者を決めていたにもかかわらず、引継ぎや経営者としての教育、従業員との情報共有をしていなかったことが失敗の原因といえるでしょう。経営者の年齢が若いからと事業承継を後回しにしてしまうと、このような事態に陥ることがあります。

事業承継後に相続トラブルが生じた事例

経営者から息子へ経営権を渡し、新しい経営者の元で事業も順調に業績を上げていた会社がありました。この時点では事業承継がスムーズに進み成功だったと思えていたのですが、元経営者が亡くなったときからトラブルが生じ始めます。

遺言書には自社株と事業用の土地建物を新経営者に、預金の半分は配偶者へ、そしてその残りを3人の子どもで配分するようにと書かれてありました。しかし新経営者以外の子ども達が内容に納得せず、遺産分割をまとめることがなかなかできませんでした。

その結果、相続税の申告期限までに解決させることができず、小規模宅地等の特例が適用できずに多額の相続税を納めることになりました。新経営者は遺産問題にかかりきりになり、社内の問題を後回しにしてしまったので対応に追われ、心に不調をきたすことになります。

仲の良かった兄弟が、相続問題で仲違いするケースは多く見受けられます。今回は「うちには相続問題とは無縁」だと思い込み、遺産についてのコミュニケーションを取らなかったことに原因があるでしょう。相続に関する事柄はデリケートなので、事前に専門家に相談するのがおすすめです。

事業承継を成功させるためのポイント

事業承継を成功させるためのポイント

事業承継は会社によって進め方が異なりますが、成功させたケースにはいくつか共通点があります。ここでは成功のポイントを3つ解説します。重要なポイントを把握し、スムーズな事業承継計画を立てましょう。

なるべく早く後継者を決める

事業承継は、やるべき事項が多くあります。そのうえ後継者を育てるとなると、長い年月が必要となるでしょう。まずはなるべく早く後継者を決めることが大切です。親族内承継にするのか、親族外承継にするのかで進め方が異なります。

後継者となる人物が自分の子どもだからという理由だけでなく、本当に経営者として相応しいのか、能力や人望は問題ないのかなどを見極めていきましょう。もし能力が足りないと感じる場合には、年月をかけて教育する必要があります。早期から後継者を決めておけば、時間に余裕をもって育てられるでしょう。

関係者に事業承継計画を理解してもらう

事業承継は経営者と後継者だけの問題ではありません。双方を取り巻く関係者からの理解が重要です。実際に経営者が事業承継について計画していた場合でも、関係者に計画を知らせていなければ、その存在に気づくことができません。突然経営者が倒れるような事態を考え、計画的に関係者に共有しておきましょう。

また従業員や取引先への配慮も必要です。事業承継計画を突然聞かされた場合、従業員や取引先が本当に納得してくれるでしょうか。関係者が納得いかないと感じた場合、スムーズに事業承継を進めるのが難しくなりますし、信頼度も低下してしまう可能性があります。タイミングを見計らって事前に理解を得るようにしましょう。

事業承継後の計画も立案する

事業承継は経営者が交代した時点で終了ではありません。経営者は交代後に、会社が安定して経営できるまでサポートする必要があります。事業承継計画を立てるときは、事業承継後のスケジュールまで検討しておくことが重要です。

事業承継後、新経営者がこれまで通り会社を維持できるのかという点で、従業員や取引先は不安を持つかもしれません。新経営者に教育を施していたといっても、実際に経営を始めてから見えてくる疑問もありますし、解決に時間がかかることもあるでしょう。新経営者と関係者の不安がなくなるまでは、2〜3年を目安として会社に残るのがよいでしょう。

事業承継を考えた時点で準備に取りかかろう

事業承継を成功させるポイントはいくつもありますが、最大のポイントは「早期に取りかかる」ことです。時間に余裕があれば後継者をじっくり育成できますし、万が一計画を変更せざるを得ない事態が起きた場合でも、トラブルを回避しながらの方向転換が可能です。

「事業承継をどうするか」が頭に浮かんだら、その時点で準備に取りかかりましょう。若いからと先延ばしにすると、事業を存続できなくなり従業員や取引先を不安にさせてしまうことになります。事業承継について計画を立てたいけれど、何をすれば良いのか分からない場合は、取引先の銀行や事業引継ぎ支援センター、弁護士や税理士などに、まずは相談してみることが第一歩となります。

この記事を書いた人

DX支援メディア編集長
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