事業承継を仲介業者に相談するメリットとは?業者の選び方も解説

事業承継を仲介業者に相談するメリットとは?業者の選び方も解説

事業承継を成功させるなら専門家に相談するのがおすすめ

事業を長く続けるためには、後継者へバトンタッチしなければなりません。経営権や事業資産、経営ノウハウを後継者へ引き継ぐことを「事業承継」といいます。事業承継はやらなければならないことが多く、成功させるためには早い段階から準備が必要です。また期間も5年〜10年程度必要といわれています。

独自で進めることも可能ですが、知識がなければスムーズに進めることは困難です。そのため多くの経営者が、専門家にサポートを依頼しています。対応してくれる専門家はさまざまですが、M&Aを活用した事業承継の場合は、仲介業者にサポートを依頼することも多いです。今回は事業承継を進めるにあたって、仲介業者に依頼するメリットやデメリットを解説します。

仲介業者を選ぶポイントにも触れているので、これからM&Aを活用して事業承継を進めようと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

事業承継の仲介業者とは?

事業承継の仲介業者とは?

事業承継を進める方法はいくつかあります。そのなかでも第三者へ承継する場合は、M&Aを活用することが多いです。

M&Aとは「Merger and Acquisitions」の略で、直訳すると買収や合併を意味します。つまり売りたい側と買いたい側が話し合って、お互い納得いく条件で事業を売買するのがM&Aです。事業承継が目的のM&Aの場合、売り手側が現経営者、買い手側が後継者ということになります。買い手は企業が多いですが、最近では個人がM&Aを利用して買収するケースも増えてきました。

仲介業者はM&Aを進めるにあたって、売り手側と買い手側の中間に立ち、両者のバランスを考えながら話し合いの進行をサポートするのが役割です。どちらかの利益に偏りすぎないように進めてくれるので、両者が納得しやすく、スムーズに事業承継を進めやすいのが特長です。

事業承継アドバイザーや事業承継コンサルタントとの違い

なかには事業承継アドバイザーや、事業承継コンサルタントと呼ばれる人もいます。事業承継をサポートしてくれる点では同じですが、仲介業者と違い、依頼した側の立場でサポートするのが役割です。

仲介業者は両者が納得できるように進めますが、事業承継アドバイザーはM&Aを進めるうえで、依頼者側の利益が最大となるようにサポートしていきます。M&A以外の承継方法で進める場合は、スムーズに後継者に引き継ぐことができるよう、対策やアドバイスをしていきます。

ちなみにM&A専門で、依頼者側に立って交渉を進めるアドバイザーやコンサルタントは、FA(ファイナンシャルアドバイザー)と呼ばれます。似た用語でも役割や専門分野が異なるので、しっかりと違いを理解しておきましょう。

事業承継を仲介業者に相談・依頼するメリット

事業承継を仲介業者に相談・依頼するメリット

M&Aを活用した事業承継を進めるにあたって仲介業者へ相談・依頼することは、さまざまなメリットがあります。

・幅広く承継先を探してもらえる
・専門的なサポートを受けられる
・交渉を円滑に進めてくれる

それぞれ詳しく解説します。どの専門家に依頼するか迷っている場合の参考にしてください。

幅広く承継先を探してもらえる

M&Aを活用して事業承継する場合、まず相手探しから始めなければなりません。リサーチするだけでも大変な作業です。そのため自社だけでぴったりな相手を探すのは、かなりの時間が必要となります。経営が忙しければ、なかなか思うように進まないでしょう。

しかしM&Aの実績を多く持つ仲介業者であれば、あらゆる業界にネットワークを持っていることも多いです。希望を伝えれば、自社に合う企業を探して紹介してくれます。そのため自社だけで探すよりも、相手がスムーズに見つかるでしょう。

専門的なサポートを受けられる

最近ではM&Aを活用した事業承継も増えており、無料で利用できるマッチングサイトもあります。そのため独自で相手を見つけて交渉を進めることも可能です。しかし知識がないままでは不利になることも多くあるので、気を付けなければなりません。

例えば交渉に入ったとき、相手の良いように言いくるめられて、思っていたより大幅に低い金額で事業承継しなければならなくなったというケースもあります。また事前にリスクを伝えなかったために、あとになって損害賠償を請求されてしまう可能性も考えなければなりません。

M&Aを活用した事業承継では、考えられるリスクに対して適切な対策を考えておく必要があります。仲介業者に依頼すれば、そのようなリスクにも対処可能です。弁護士や税理士などの専門家とも連携しているため、安心して進められるでしょう。

交渉を円滑に進めてくれる

事業承継する側とされる側、つまり売り手側と買い手側の条件が大幅に異なると、交渉が難航するケースがあります。お互いが譲らないと交渉期間が長引きますし、最悪の場合、交渉決裂になってしまうこともあるでしょう。

しかし仲介業者にサポートを依頼することによって、両者にとって利益があるように交渉を進めてくれます。そのため短期間で成立しやすいのがメリットです。また仲介業者に交渉を任せることで、通常の経営や業務に支障をきたすことなく進められます。

事業承継を仲介業者に相談・依頼するデメリット

事業承継を仲介業者に相談・依頼するデメリット

事業承継を仲介業者に依頼することは、メリットもありますがデメリットもあります。どちらも理解したうえで、依頼を検討しましょう。

依頼費用がかかる

仲介業者を利用する最大のデメリットは、依頼費用がかかることです。仲介業者や企業規模によって費用は異なりますが、主にかかる費用の種類には次のようなものがあります。

・相談料
・着手金
・中間報酬
・成功報酬

他にも月間報酬を設定しているところもあります。相談料や着手金がかからず、成功報酬のみの業者もあるので、相談する前に確認しておきましょう。成功報酬は、基本的に最終契約が締結した段階で発生しますが、M&Aを活用した場合は、レーマン方式で算出されるのが一般的です。

【レーマン方式による報酬例】

譲渡価額料率
5億円以下5%
5億円~4%
10億円~3%
50億円~2%
100億円~1%

レーマン方式は譲渡価額が高くなるほど、低い料率になるのが特徴です。また成功しなかった場合でも、手数料がかかる場合もあります。

思い通りの条件で事業承継できない可能性がある

M&Aを活用した事業承継で仲介業者を利用する場合、短期間で交渉成立できる可能性がありますが、これにはデメリットもあります。なぜなら仲介業者はスムーズに進めるために、お互いの利益バランスを考えて進めるからです。

そのため、すべてこちら側の条件を飲みこんでもらえない可能性があることは理解しておきましょう。例えば5億円で成立させたいと思っていても、相手の言い分を受け入れて4億円になるケースもあります。

もし最大限の利益を追求したいのであれば、ファイナンシャルアドバイザーへの依頼を視野に入れてもよいかもしれません。

事業承継の仲介業者を選ぶときのポイント

事業承継の仲介業者を選ぶときのポイント

事業承継が目的のM&Aをサポートしてくれる仲介業者はたくさんあります。よりスムーズに事業承継を終わらせるためにも、選ぶときは次の3つのポイントを視野に入れて判断しましょう。

・豊富な実績を持つ仲介業者を選ぶ
・料金体系をチェックする
・スピード感のある対応をしてもらえるか確認する

それぞれ具体的に解説します。

豊富な実績を持つ仲介業者を選ぶ

インターネットで「M&A 仲介業者」と検索すると、いろいろな業者がヒットします。実績を掲載しているところも多くあるので、どのような実績があるのかチェックしておきましょう。

自社に近い事業を取り扱っていたり取り扱い件数が多かったりすれば、それだけ臨機応変な対応が期待できます。載っていない場合は、直接問い合わせれば答えてくれることもあります。

無料相談を実施している業者も多いので、直接出向いて担当者に相談するのもよいでしょう。親身に相談に乗ってくれるかどうかもわかります。仲介業者によって成功が決まるといっても過言ではないので、しっかりリサーチして信頼できるところを選びましょう。

料金体系をチェックする

先ほども触れましたが、仲介業者によって料金体系はさまざまです。成功報酬のみ設定しているところもあれば、相談料や中間報酬を設定している業者もあります。また高ければサービスが必ず手厚いわけではなく、安いからといってクオリティが低いとも限りません。

自社がどのような課題を持っているのかを明確にし、その課題を解決してくれる業者を選ぶことが大切です。料金とサービス内容が適正かどうかも確認しましょう。複数の業者に見積もり依頼することで、だいたいの相場が把握できます。

スピード感のある対応をしてもらえるか確認する

スムーズに事業承継を進めたいのであれば、迅速に対応してくれる業者を選ぶことも大切です。問題や悩みが生じたときに素早く対応してくれる業者であれば、いつまでも課題を抱えてモヤモヤせずに済むでしょう。

おすすめは、専任の担当者をつけられる業者を選ぶことです。質問するたびに対応してくれる人がバラバラだと、一から説明しなければならないことも多くあります。しかし専任であれば、状況をすべて把握しているので、疑問や悩みにも素早く対応してくれるでしょう。

担当者の手腕によって結果が変わることもあるので、相談したときの相性なども確認しておくことが大切です。合わないようであれば、遠慮なく交代してもらえるように伝えましょう。

複数の仲介業者を比較しながら事業承継の相談先を選ぼう

仲介業者を利用するメリットとデメリット、選ぶポイントを解説しました。事業承継でM&Aを活用する場合、仲介業者に依頼することでスムーズに進められる可能性が高くなります。

交渉以外にも書類作成や手続きなどをサポートしてくれるので、本業に支障を出すことなく安心して進められるでしょう。仲介業者によって成功の可否が決まることも多いので、慎重に選ぶことが大切です。実績や料金体系、実際に相談した感じなどを見て、見極めましょう。

この記事を書いた人

DX支援メディア編集長
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