優秀な海外在住の在宅ワーカーと連携し、海外営業の仕組みを構築。「在宅チーム構築支援」で18ヵ国との輸出取引を実現
髙藏工業株式会社
代表取締役 髙橋 保雄 様ご利用中のサービス
Crowd Members
- 課題
海外販路を開拓したいが、語学力や専門知識を持つ海外営業の専任担当を確保するコストやリソースが不足していた
- 解決策
「在宅チーム構築支援」を活用し、海外在住の優秀なトライリンガルワーカーと業務委託契約を結び海外営業チームを構築
- 成果
役割分担によりアプローチから商談までを仕組み化し、18ヵ国との取引拡大や広報業務の外部化を実現
愛知県春日井市に拠点を置く髙藏工業株式会社は、研削砥石・研磨砥石の専門メーカーとして日本のものづくりを支えている。お客様の要望に合わせた製品提供に注力しており、医療用注射針砥石やセンタレス研削砥石など、同社の製品の80%以上が受注生産品となっている。「お客様・社員・会社 すべてが幸せになれるように」という企業理念のもと、長年培った信頼と実績を基に、研削・研磨の専門的ソリューション企業を目指している。今回は、4代目となる代表取締役の髙橋保雄氏に、海外販路の拡大を背景に「在宅チーム構築支援」を導入した経緯と、その後の成果や今後の展望について話を伺った。
海外への販路拡大を目指すも、語学力を持つ専任担当の確保が課題に

1939年に創業し、戦前からの長い歴史を持つ髙藏工業株式会社。同社は、医療用具メーカーや自動車部品メーカーなどが製品を加工する際に使用する、研削・研磨用の砥石を製造している。製品の80%以上がオーダーメイドであり、お客様の細かな要望に応える技術力で日本のものづくりを支えてきた。
現代表である髙橋氏が4代目として正式に事業を受け継いだのは、2020年のコロナ禍の最中であった。
「厳しい業界もある中で、当社には医療用具メーカーからワクチン用の注射針を削るための砥石の受注が多く入り、海外を中心に需要が伸びていく側面もありました」(髙橋氏)
そんな折、アイドマ・ホールディングスからオンラインで事業提案を受けたことが、新たな取り組みのきっかけとなった。
「当時のアイドマの担当者の方から『社長、何をやりたいとお考えですか?』と聞かれ、『自社の砥石をもっと海外に売り込んでいきたい。アメリカやヨーロッパを開拓したい』と伝えました。すると『ぜひ一緒にやりましょう』と提案を受けたのです。当時は製造業の業務を社外に出すという発想がなく、最初はピンときていませんでしたが、海外にネットワークを持てる在宅ワーカーを集め、海外市場のニーズを開拓していくという構想に可能性を感じました」(髙橋氏)
当時、海外営業への意欲はあったものの、語学力や専門知識を持つ人材を専任で確保するには多大なコストがかかり、十分な業務量を与えられるかという懸念もあった。また、製造業においては「ものづくりは自社内で完結させるべき」という固定観念が根強く、同社も当初は総務や経理などの管理部門を含めて外部へ委託する予定はなかったという。しかし、未知の領域である海外販路開拓において、ゼロから自社でノウハウを構築するよりも、外部の優秀な人材と協働するアプローチが最適であると判断し、「在宅チーム構築支援」の導入に踏み切ったのである。
スペイン在住の優秀な在宅ワーカーと契約し、役割分担で海外営業を仕組み化

「在宅チーム構築支援」の導入後、海外営業の業務を担う在宅ワーカーの募集を「ママワークス」で開始した。
「募集をかけると、東京などの都心部ではなく、地方や海外にお住まいの優秀な方々から10件以上の応募がありました。通常の募集では出会えないような人材にアプローチできることが、このサービスの大きな醍醐味です。最終的に、スペイン在住で日本語、スペイン語、英語を操るトライリンガルの方と業務委託契約を結びました」(髙橋氏)
アイドマ・ホールディングスの伴走支援を受けながら、まずは海外の医療用具メーカーや刃物メーカーなどをターゲットにリストアップを実施した。業務プロセスは明確に細分化されている。
「例えば『インジェクションニードル(注射針)』などのキーワードをもとに国ごとにリストアップし、過去の展示会情報なども活用してターゲットを絞り込みました。在宅ワーカーには、ターゲット企業へのファーストコンタクトメールの送信から電話営業によるアプローチ、そしてオンライン商談の設定までを担当してもらいました。さらに、商談当日の通訳も彼女の役割です。我々は、技術的な説明やサンプル提供後のフォローに専念するという完全な役割分担を確立しました」(髙橋氏)
コロナ禍で世界的にオンラインでのやり取りが定着していたことも追い風となった。時差を活かし、日本の夕方からヨーロッパの企業にアプローチを行うなど、効率的な営業活動を展開。結果として、電話営業からオンライン商談につながる確率は高い水準を記録した。
「在宅ワーカーからの業務報告で時間と活動内容、アウトプットを確認するだけなので、不満を感じることは全くありません。費用対効果は高く、私がヨーロッパへ出張した際にはご自宅に泊めていただき、ご家族に南フランスのお客様のもとへ案内していただくなど、ビジネスの枠を超えた深い信頼関係を築けています」(髙橋氏)
18ヵ国への輸出を実現し、広報業務も外部化。選ばれる企業を目指して

明確な役割分担による海外営業の仕組み化が功を奏し、同社は現在、世界18ヵ国との輸出取引を実現している。
「在宅ワーカーがネットで世界中の企業を探してくれたおかげで、フランスやドイツ、インド、中国などへの取引が広がっています。今後の目標は、これを20ヵ国、30ヵ国へとさらに拡大していくことです」(髙橋氏)
また、同社は「在宅チーム構築支援」の活用範囲を広げ、現在は広報・マーケティング業務も外部化している。群馬県在住の在宅ワーカーと契約し、ホームページの充実やSNSの運用、求人原稿の作成などを一任している。
「SNS運用は、採用強化、お客様への発信、社員の家族への情報共有という3つの目的で行っています。広報担当の在宅ワーカーには、実際に1泊2日で工場へ来ていただき、見学や作業体験をしてもらうことで、より質の高い発信ができるよう親睦を深めました。コア業務は正社員が担い、それ以外を優秀な外部人材に任せるという仕組み化は、企業の成長にとって大きなチャンスになると実感しています」(髙橋氏)
同社は今後、規模の拡大をむやみに追い求めるのではなく、50名規模の筋肉質な体制で現在の1.5倍の売り上げを目指すという。
「ものづくりの環境が変化し、既存の仕事が縮小していく中でも、新たなニーズや海外展開のチャンスをいち早くキャッチし、日本のものづくりとして必要とされる『選ばれる企業』をつくっていきたいと考えています。自社内だけで業務を完結させるのではなく、外部の優秀な人材とうまく仕組み化して役割分担をすることで、正社員はコア業務に集中でき、可能性は大きく広がります。在宅ワーカーの活用は、企業の成長の大きな機会になるはずです」(髙橋氏)
距離や時間の壁を越え、優秀な外部人材との強固なパートナーシップを築き上げた髙藏工業株式会社。同社の挑戦は、これからも世界を舞台に続いていく。
髙藏工業株式会社
事業内容
研削砥石・研磨砥石の製造・販売、受注生産(オーダーメイド)への注力、研削・研磨の専門的ソリューションの提供、新技術の開発と実証テスト、幅広い産業への製品展開
